今年で4回目を迎え、大阪の秋の一大イベントになった『大阪文化芸術フェス』。9月11日(金)~13日(日)に開催され、今年のフェスのスタートの飾りとなる『歌舞伎特別公演』の記者発表会が7月29日(水)、大阪府公館で開かれました。吉村洋文大阪府知事のほか、中村鴈治郎、片岡愛之助、市川右團次の大阪にゆかりの深い歌舞伎役者3人が登壇、コロナ禍の影響で1月以来となる大阪での歌舞伎公演への意気込みを熱く語りました。

文化・芸術の力で大阪を元気に

吉村知事は冒頭のあいさつで「コロナの影響で文化、芸術に触れる機会が減っている中、文化、芸術の力で大阪を元気にしていきたい」と同フェス開催の意義を語りました。
続いて、松竹の市村昌也執行役員が今回の公演の演目について、「関西出身、関西になじみの深い役者ばかりで、演目も関西にちなんだもの。時間は短縮しているが、内容は濃い」と説明しました。

「先にずるい」

この後、3人の役者が公演の見どころなどを話しました。
鴈治郎は「化粧して、衣装を着て、お客様の前で舞台を立つのは、(コロナ禍の後)今回が初めて。できるんやな、と高揚感を感じている」と喜びを表しました。
出演する演目の『連獅子』について、「愛ちゃん(愛之助)との共演は初めて」と話したうえで、8月に東京・歌舞伎座で開催される公演で息子の中村壱太郎と愛之助が先に演じることをと明かし、「先にずるいが、(9月は)親子替わってやります。とにかくお客様に見てもらえるという嬉しさは何物にも代えがたい。ぜひ成功させたい」と意気込みを示しました。
愛之助は「コロナ禍の中、大阪を少しでも盛り上げたいと思っていたところに今回の話をいただいた。久しぶりに大阪の舞台にたてることが本当に嬉しい」と笑顔を見せました。出演する『連獅子』については、「お兄さん(鴈治郎)は忘れていらっしゃいましたけど、巡業で一緒に務めました」と明かした上で、東京では親獅子、大阪で仔獅子を演じることに「仔獅子の方が動きがあり、この歳で動けるのか、体力的に心配」としながら、「大阪では上方のコロナを吹き飛ばす勢いでがんばりたい」と決意を語りました。

トリプル右近⁉

続いて、3月初旬の巡業以来の舞台という市川右團次は「役者になってこんなに間が抜けていたのは初めて。体が動くか心配」としながら、「やはり歌舞伎はお客様の前で、喜んでいる顔を見ながら、元気、勇気をいただき、その日しかかなわぬ空間を共有するのが楽しさ」と喜びをかみしめていました。
出演する『茶壺』に関しては、「私の本名は武田右近。その後、市川右近を41年名乗ってきました。共演するのが尾上右近さんなので、ダブル右近でお届けします」と話し、もう一つの演目「戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)」では、「せがれの2代目市川右近も出演する。こちらはトリプル右近で」と会場を笑わせました。

吉村知事「開催決定してよかった」

また、上方伝統芸能をはじめ、音楽やアートを大阪から発信する大阪文化芸能フェスについて、右團次は「大阪ミナミのど真ん中生まれ育った。このような形で関われることを本当にうれしく思っている」と語りました。
鴈治郎は「今年もやっていただけることに大きな意味がある。本当に感謝している。その皮切りに歌舞伎公演ができるのが嬉しい」。愛之助も「吉村知事を含め、関係者の方に感謝している。大阪に住むものとして、この火が途絶えないようにずっと続けていっていただきたい。もちろん参加もさせていただきたい」と期待を語りました。
吉村知事は「フェスの開催を決定してよかった、と3人の話を聞いて思った。やめた方がいいという意見もあったが、やるべきだと判断した。体の健康も大事だが、心の健康も大事。上方芸能は心を健康に、豊かにするものだと思っている」と話しました。
最後に鴈治郎はコロナ禍の現状を踏まえ、「見に来ていただく楽しみが怖さにならないようやらせていただく」と安全を強調し、改めて「じかにお客様と触れられるのがうれしい。ぜひ足を運んでください」と呼びかけました。

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