“岡山県住みます芸人”で岡山県・湯原温泉郷の“お笑い芸人番頭”でもある江西あきよしが、緊急事態宣言中の湯原温泉郷の力になりたいと、湯原温泉郷のお土産を届ける取り組み『湯ーばーいーつ』を2020年5月の1か月間、行ないました。

既に商品化されている『濃縮温泉水』、『うるおい肌水』、特産の青大豆を使った『おかみちゃんの豆カレー』の3つのセットや、それぞれの商品を注文した方に、江西が直接届けに行くというこの企画。「ステイホームを湯原温泉郷で楽しんで免疫力を高めていただき、またいつか湯原温泉郷にお越しいただけるように、商品と真心と笑顔もお届けできたら」との想いで始めたそう。

そこでラフマガでは、1か月間の『湯ーばーいーつ』を終えた江西にリモートでインタビュー。取り組み中の出来事や、終えてみての感想などを聞きました。

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総移動距離は3,000キロメートル!

――まず、取り組みのきっかけから教えてください。

新型コロナウイルス感染症の影響で、日本の観光地はどこも大変な中、岡山県の湯原温泉郷も相当なダメージを受けているとたくさん報道されました。そこで、何とかお力になれないか、僕にできることは何かないかと考えていく中で、「湯原温泉郷でもデリバリーができませんか」と僕の方から提案させていただきました。

僕も仕事がほぼなくなりましたし、時間と体力だけは有り余っていたので、「せっかくだったら僕がお届けしますよ」と提案させていただいて。1から企画書を書いて、湯原温泉郷の方と一緒に真庭市の役場の方に提出しました。

――お届けした人数が154名で、郵送された方が30名。総移動距離が約3,000キロメートルということですが、5月1日(金)からの1か月間は、どういったスケジュールだったのでしょうか?

朝から夜まで配達をして、帰ったら予約やお問い合わせのメールの対応をしていました。岡山県でやらせていただいているレギュラー番組とか、残っている仕事もありましたので、それをやりつつ配達に行けるだけ行きました。多い日は1日で10件近くあってむちゃくちゃ忙しかったんですけど、やりがいの方が大きかったですね。

――配達はスマホのマップなどを頼りにして行くんですか?

行くんですけど、住所を入力してもピンポイントで出ない地域もありました。その都度お客様に連絡をして、連絡がつかなかったら1軒、1軒、表札を確認したり、電柱を見て番地を確認したりしていましたね。

――お会いできたときに達成感がありそうですね。

むちゃくちゃありましたよ。「ここでしたか、あなたでしたか!」って。

「湯ーばーいーつ」で大変だったこと

――『湯ーばーいーつ』をされてみて、何が大変でしたか?

大変だったことが3つあります。1つが、さっき言ったように、お宅を見つけてお届けすること。細い路地や行き止まりがいっぱいある住宅地では、ぐるぐると行ったり来たりしていました。そんな時、あるお宅の前に脚立が立っていたんです。その脚立1段ごとに僕の顔写真と「江西さん大歓迎」という文字が貼ってあって、すごく分かりやすく迎えてくださいました。

「いつから脚立を出していたんですか?」と聞いたら、「早朝から出してました」って。もう夕方だったので、軽く8時間くらいは家の前に設置されていたんだと思います(笑)。

2つ目は、皆さんとの連絡のやり取りです。最初は勝手がつかめず、初日は予約の取りまとめだけで5~6時間かかりました。

今となってはオペレーションが確立されたのですが、最初は何を聞いていいのか、どうお答えしていいのかわからず。1問1答みたいな感じになって、お1人様のご注文に対して、連絡のラリーが最低でも5~6往復、多い方は10往復以上はありました。そうやって連絡をしているうちに、ひっきりなしに新たに受信して、どの方がどういうご注文かもよくわからなくなってきて、最初は相当苦戦しましたね。

――事務作業のスキルが上がりますね。

それ、湯原温泉郷の方にも言われました。「何があっても就職できるな」って(笑)。配達業務は完璧です。日々、反省をしながらコツをつかんで、最後の方は連絡もスムーズになりました。そうなるまでは、知恵熱が出そうになりましたが(笑)。

3つ目はお渡しミス、配達ミスがないようにする、ということですね。あってはならないことなのですが、1回だけありました。

お届けする方には必ず、直筆のお手紙をつけさせていただいたんです。そのお手紙にちゃんとご注文者のお名前を書くのですが、忙しい時にきちんと確認せずにお手紙を入れてしまって。その後、受け取った方からご連絡があり「手紙の名前が違います」って……あれは焦りました。1回だけでしたけど、絶対あってはならないことなので、最後までそこは集中しましたね。

――お1人おひとり、お手紙を書いていたんですね。

ありがたいことに、皆さんがSNSに手紙の写真を投稿してくださって。紹介してくださることによって文章が見られると思って、同じことを書くわけにもいかないので、ちょっとずつ変えて。最終的にはどんどん、どんどん長くなりました(笑)。

――Twitterで「#まいにち岡山あるある」として岡山県あるあるを投稿されていますが、1か月間岡山県を巡ったことで、あるあるも増えましたか?

増えました、増えました。車を長時間運転して道路の様子を見ていると、“この地域には、この看板が多め”とか、“この地域の方は必ずこういうことをしているな”っていうのはありました。あと、「こんなあるあるもあるよ。よかったら載せてください」という方もいらっしゃいました。

――5月31日(日)で終了しましたが、まだ問い合わせが来ることもありましたか?

ありましたね(笑)。「知るのが遅かったので、できれば持ってきてもらえませんか」というお問い合わせもありましたが、(僕は)湯原温泉郷に来てほしいという気持ちがありました。湯原温泉郷は6月1日(月)から営業を再開したので、「僕がお届けさせていただいたキットも湯原温泉郷で購入できるようになったので、よかったら湯原温泉郷に行って、買ってみてください」とお伝えしたら、「もう買えるんだったら行ってみます!」とおっしゃってくださって。そうしてまた湯原温泉郷に訪れてもらえたら嬉しいです。

「江西ばんざーい!」コール

――『湯ーばーいーつ』を終えられて、湯原温泉郷の方々は、なんとおっしゃっていましたか?

最終日の5月31日(日)に湯原温泉郷に行ったのですが、僕を見かけるなり「江西! ばんざーい! ばんざーい!」って皆さんがやってくれたんですよ。「江西さまさま、ありがとう!」と言ってくださり、もう神様を迎えるような感じで歓迎してくださいました(笑)。

翌日から営業が控えていたので、各旅館さんや飲食店さんが準備をされていて。僕がいると気付いた方が出てきて、声をかけてくださったんです。「いやもう、やめてくださいよ!」って言いながらも、面白かったですね(笑)。

その日は、岡山県の伊原木隆太知事と、湯原温泉郷のある真庭市の太田昇市長が、営業再開に向けての激励のために湯原温泉郷にいらっしゃっていました。僕も同行させていただいて、知事と市長がいらっしゃるにも関わらず「江西ばんざーい!」とやってくださる方もいて。「ここでも!?」という驚きと嬉しさ、恥ずかしさもありました(笑)。

――様々なところへ配達してくださって、(江西さんに)「ばんざーい!」と言いたくなるお気持ちもわかります。

売り上げでは、僕1人で1か月頑張ったところで微々たるものだとは思うのですが、湯原温泉郷の皆さんが言ってくださったのは「そうしてやってくれた気持ちが嬉しかった」と。「こんなにたくさん湯原温泉郷のお土産を売ってくれて、売り方なんだなっていうのもわかったし、江西の気持ちもうれしかった。やっぱりまだまだ湯原温泉郷は頑張れることもわかった」と言ってくださって、それは嬉しかったです。

「露天風呂番付」で横綱にも!

――改めて湯原温泉郷の魅力を教えてください。

湯原温泉郷は日本全国でも少数の、一切、お湯に手を加えない自然の温泉なんです。湯量は豊富にあるので、上質な天然温泉を自然のままの姿で楽しんでいただけます。あと、『露天風呂番付』で“西の横綱”という位置にランクインしています。これは誇れるところです。

――『湯ーばーいーつ』のご経験がもたらしたものは何でしょうか?

今回、湯原温泉郷に恩返しがしたいという想いがあって始めたのですが、気持ちを込めて、ちゃんと真心を込めて動くと、皆さんが本当に応援してくださる、応えてくださるとすごく感じました。

“岡山県住みます芸人”を9年やらせていただく中で、慣れっこになっている部分があったと思うのですが、1つ1つ気持ちを込めて地域で活動をしていかないと応援していただける芸人にはなれないと改めて実感しました。そうやって初心を思い出させていただき、新型コロナウイルス感染症で大変な時期ではありましたが、いいタイミングでこの経験をさせていただきました。

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江西曰く、『湯ーばーいーつ』として配達をする中で、岡山県内の隅々まで足を運ぶことができたとのこと。SNSにも利用者の方々から喜びの声が多くあがっていたようでした。

江西あきよし

Twitter:@enishiakiyoshi

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