Jリーグのサポーターから“ひらちゃん”の愛称で親しまれている平畠啓史の著書『Jリーグ56クラブ巡礼2020-日本全国56人に会ってきた-』(ヨシモトブックス)が発売されました。

“Jリーグクラブ巡礼本”の第2弾となる今作は、平畠自身が約1年をかけて、J1からJ3まで日本全国の56クラブにまつわる人たちの元に出向いて行なったインタビューをまとめたもの。ガンバ大阪・遠藤保仁選手との特別対談や、各クラブの初代ゴールキーパーの紹介など、Jリーグへの愛情が詰まった1冊となっています。

今回ラフマガでは、取材時の思い出や今作の見どころを本人にたっぷりと聞きました。

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リアルな声を届けるために

――前作ではご自身のコラムによって各クラブを紹介していましたが、今作ではクラブにまつわる様々な人のお話から紹介されていますね。このような構成にしようと思った経緯を教えてください。

クラブに関わる方々のリアルな声をみなさんに喜んでもらいたいという思いはもちろん、個人的な興味があったからですね。スタジアムで会ったとしても長時間、話はできないじゃないですか。連絡先を聞いてもいいんやけど、電話して30分話を聞くっていうのも……(笑)。ならば、この本を言い訳にじゃないですけど、ゆっくりとみなさんのお話を聞いてみたいなと思ったんです。

――人選はどのように進められたんですか?

みなさんにこの人の話を知ってもらいたいと思って選んだ(もともと)顔見知りの人、打ち合わせの中で挙がったこの人に話を聞いたら面白いんじゃないかという人、周りから薦められた人……いろんなパターンがありました。

――“リアルな声を届けたい”と考えた時、最初に思い浮かんだのはどなただったんですか?

東京ヴェルディで出てもらった鈴木武一さん(現・A.C AZZURRI総監督)ですね。“ルミ子会”って僕らが勝手に呼んでるんですけど、小柳ルミ子さんのご自宅に2~3か月に1回、解説の方とか実況の方とかサッカーに関わる人たちが集まるんですね。そこに鈴木さんが来られた時に聞いた(ヴェルディの前身である)読売サッカークラブの話がすごく面白かったんです。でもその場では深く掘り下げることができなかった。だから、鈴木さんにまずお願いしたいなと思いました。

あと、本の中にも書いたんですけど、つっちーことJ SPORTS・土屋雅史さんには本当に助けられましたね。居酒屋に集まって2人でああでもないこうでもない、これおもろいんちゃうかと話し合って。いろんな意見を提案してくれてくれたつっちーには感謝しています。

――2019年3月から2020年2月まで約1年かけて、各地へ自ら足を運ばれて取材されたそうですね。

試合のない平日に、各地で取材させてもらいました。今の現状を考えると、この本を作るタイミングが1年ずれていたら現地には行けていなかったので、現地まで足を運べてよかったなというか。実際、取材でクラブのある地を訪れたついでにおいしいものを食べたいという欲望もあったんですけど(笑)。例えば鹿児島ユナイテッドFCでは、ボランティア団体の代表の方にお話を伺ったのですが、鹿児島でお話を聞けた嬉しさはもちろん、取材後、その方とクラブの方と黒豚を食べに行ったことも大事な思い出として残っています。

平畠だからこそ実現できたラインナップ

――56人にお話を聞いた中で、特に印象的だった方は?

印象的な方々ばかりやったんですけど、1人挙げるとするなら、ツエーゲン金沢・簑原さん。想像していたのとは違うことを、いろいろと話してくださったので面白かったですね。

――ヴァンフォーレ甲府のスポンサーを務める株式会社はくばく・長澤社長、サポーターのとある“つぶやき”から大分トリニータのスポンサーになった株式会社浅田飴・堀内社長のお話も非常に興味深かったです。

長澤社長も堀内社長も、前のめりという言い方はおかしいかもしれませんけど、クラブのスポンサーをすることを楽しんでいるお2人なので、話を伺えて嬉しかったです。本を買ってくださるサポーターの方は、このクラブを応援しているからこの人の話を聞きたい、この人だから読みたいっていう気持ちがもちろんあると思います。けれど、応援している以外のクラブにこんな人がいるんだ、こんな風にクラブと関われる人が羨ましいなとか、いろんなことを感じてもらえたら。カテゴリーも違う、対戦したことがないクラブにもこんなに熱い人がいるんだということを、この本を通して知ってもらえたらとも思いますね。

――そういう意味で、藤枝MYFCのサポーター・カレンさんはかなりパンチが効いてましたね。

そうですね(笑)。ほかの本ではV・ファーレン長崎・髙田明前社長、藤枝のサポーターの方、長澤社長が一緒に並ぶことはない。(このラインナップは)自分やから許されるところもあるのかなと思ってます。選手のインタビューはネットの記事でもいろいろと読めるし、スポーツニュースではサポーターやグルメの情報に時間を割くわけにはいかない。けれど、サポーターも含めてJリーグに関わる人たちは試合じゃない部分でも面白さを感じているので、そういうJリーグの良さも改めて、この本で感じてもらえたらいいですね。

興味がない人にも気楽に読んでもらいたい

――巻頭ではガンバ大阪・遠藤保仁選手と対談されていますね。改めてじっくりとお話を伺った感想を聞かせてください。

今、試合は中断していますが、J1最多出場記録を更新するすごい人。遠藤選手のインタビュー記事ではどうしても戦術論や技術論になりがちですが、今回はJリーグの選手としての歴史を辿ってもらう内容になっていて、自分としても興味深いお話が聞けたんじゃないかという気がしています。

――現在、新型コロナウイルスの影響で、Jリーグは中断しています。そんな中、自身のSNSで「J2いろはかるた」や終息後の提案をつぶやかれていましたね。

こういう時に何ができるのかを考えるのは、サッカーの仕事に関わる自分ができることの1つでもあるというか。試合がない今だからこそ、サッカーの面白さや楽しみを発信することが大事だと思うんです。もちろん、自分が発信したことで何かが変わると思っているわけではないです。でも、僕の発信を通して1人でもサッカーのことを思い出したり、試合が観たいなと思っていただけたりするなら、光栄やなという気持ちです。

――リーグ戦の再開はまだ未定ですが、今シーズンにはどんなことを期待されますか?

どれくらい試合が消化できるかわからないですし、レギュレーションもいつものようにはいかないとは思います。ただ、例えば戦争で中断した過去を経て今がある海外の歴史あるリーグも存在するように、Jリーグの現状を自分の目で見られることは貴重な経験なので、記録として残していたいですね。また、この自粛期間に選手やクラブも様々なチャレンジを始めているので、新しいことも楽しんでいけたらいいなと思っています。

――では、最後に改めてメッセージをお願いします。

僕の本は1ページ目から順番に読まなあかんというものではありません。好きなところから読んでいただきたいですし、サッカーに詳しくないという人は旅行したような気分を味わいながら、またマスコットが可愛いなって思いながら、気楽に楽しんでもらえたら嬉しいですね。

遠藤保仁選手との特別対談を一部公開!

ラフマガでは、本著に収められている遠藤選手との特別対談を一部無料公開。5月25日(月)からは、『平畠啓史Jリーグ54クラブ巡礼 ひらちゃん流Jリーグの楽しみ方』、『今日も、Jリーグ日和。-ひらちゃん流マニアックなサッカーの楽しみ方-』の電子書籍も発売されます。

さらに電子書籍化に際し、平畠本人からは「スタジアムなどでお会いした方からも、電子書籍化を望む声を多く聞いていましたし、私の本は必ず1ページから読まなければならない本ではないので、電子書籍でも楽しんでいただけると思います。お好きなページからお楽しみください。」とのメッセージも届いています。

Kindleなどにて購入可能ですので、新刊とあわせてお楽しみください。

平畠「98年に鹿児島実業から横浜フリューゲルスに加入でしたね。」

遠藤「なくなってしまいましたけどね……。」

平畠「横浜は都会という印象でしたか?」

遠藤「そうですね。僕の出身は鹿児島県の桜島というまあまあな田舎でしたし、高校生のときは遊ぶ暇もありませんでした。そんな環境から一変、いきなり大都会に行くことになりましたから。横浜駅の周りを歩くと女の子全員が可愛く見えましたね。これ、田舎から出てきた人のあるあるだと思います(笑)。」

平畠「なるほど(笑)。」 

遠藤「しかも当時、ルーズソックスがめちゃくちゃ流行っていて、鹿児島自体、ルーズソックスにミニスカート人口がそんなにいなかったので、横浜駅に行ったら9割がルーズソックスにミニスカで。女の子とすれ違うたび「おお!」の連続でした。」

平畠「ということはかなり楽しかったというか、すごいところに来たなと?」

遠藤「そうですね。何度か来たことはあったのですが、じっくり歩いたり買い物をする時間はなかったので、初めの2~3ヶ月は街に出るたびにドキドキしていました。」

平畠「ちなみに、ヤットさんは子供の頃、 どこのファンだったんですか?」

遠藤「実はフリューゲルスのファンだったんですよ。」

平畠「えー!」

遠藤「鴨池に毎年来ていたのでそのたびに見に行っていまして。さらに小さい頃から知っていた前園(真聖)さんが加入して。よりフリューゲルスが身近になりましたし、好きになりました。Jリーグで 一番入りたいチームに入れたので、とてもラッキーでしたし嬉しかったですね。」

平畠「ゾノ(前園)さんは地元ではやはり大スターだったんですか?」

遠藤「あの頃はですね。」

平畠「(笑)。」

遠藤「僕にとってはスターというよりお兄ちゃんみたいな存在でした。兄貴と同級生でしたし、小さい頃から知っているのでスターというよりお兄ちゃんが頑張っているというか。」

(続きは書籍にてお楽しみください)

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『Jリーグ56クラブ巡礼2020-日本全国56人に会ってきた-』

出典: 株式会社ワニブックス

著者:平畠啓史
発行:ヨシモトブックス
発売:株式会社ワニブックス

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平畠啓史 書籍情報

今回発売される『Jリーグ56クラブ巡礼2020-日本全国56人に会ってきた-』(ヨシモトブックス)以外にも、すでに2冊を発売中。こちらもぜひあわせてご確認ください!

『平畠啓史Jリーグ54クラブ巡礼 ひらちゃん流Jリーグの楽しみ方』
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『今日も、Jリーグ日和。-ひらちゃん流マニアックなサッカーの楽しみ方-』
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