3月16日(土)、桂文枝主催のご当地落語発表会『参地直笑』が淀川区民センターホールで開催され、桂文枝をはじめとする落語家たちや、大阪府住みます芸人のspan!、淀川区住みます芸人の職人が登場しました。

区ごとの特徴を盛り込んだ創作落語を、大阪市24区の各区で披露する桂文枝の大阪市24区創作落語プロジェクト『参地直笑祭』。2018年3月に住之江区からスタートし、各区に笑いを届けています。

第7回目となる今回の『参地直笑祭』のテーマは、「淀川区」。当日は、大阪府住みます芸人のspan!、淀川区住みます芸人の職人も駆けつけ、会場を盛り上げました。

淀川区住みます芸人、職人も登場

当日の淀川区民センター ホールは、大入り満員。地元民の期待の高さがうかがえます。

まずは、芸歴5年目の若手で淀川区住みます芸人の職人がステージへ。おっくんが自己紹介すると、会場から拍手が起こりますが、続いてこーぞーが自己紹介のあと「今日も盛り上がっていこーぞー!」とギャグを入れると、拍手はパラパラ……。その様子にドッと笑いが起こります。2人で歌を披露するなど、しっかり会場を温めました。

文枝が美声を響かせながらステージへ

そして、お待ちかねの文枝が登場し、会場からは大きな拍手が起こります。冒頭、藤田まこと作詞作曲の『十三の夜』を披露したあと、改めて会場に一礼。淀川区が7番目の開催であることを話し、今回は落語を作るのに非常に苦労したと告白します。なんでも、淀川区はそれぞれの地域ごとに印象がぜんぜん違うそうで、落語をつくるために5〜6回通ったんだそう。

ここで、先ほど披露した歌に触れ、「むちゃくちゃ難しい……それにしてはうまく歌えたな」と自画自賛すると会場からは笑いと拍手が起こりました。

そして改めて「落語どう作ろうか……中心は十三で工場があるし、会社があるし、花火大会もある……」と振り返りつつ、自身が淀川区を歩いたときの写真をスライドで映していきます。

商店街で見つけた味のある風景や、街角のおもしろい看板などにまつわる軽妙なトークに、会場からは笑いが止まりません。そのようなシーンを見て「なんとか落語に生かせないか」と思っていたそう。淀川区内にある、日本一低いという1.2メートルのガードレール前で写真を撮るなど、チャーミングな一面をのぞかせました。

“体重差倍以上”コンビ、span!が漫才を披露

そして一旦文枝が舞台から下り、続いては大阪府住みます芸人、span!の登場です。「2人の体重差が倍以上なんです」と水本が言うと、会場からざわめきが。水本がまことを肩に乗せると、納得のため息とともに拍手が起こりました。芸歴15年の2人は、水本の願望をおもしろおかしいネタに仕上げて観客を笑わせるなど、さすがの安定感をみせました。

人気の噺「狸賽」を聞かせた桂三語

続いては桂三語の出番。まず「実は私、淀川区出身……」と切り出すと、観客も大盛り上がり。が、「……の友達がいます」と続けると、会場は爆笑に包まれました。披露したのは、助けた子狸がお礼に来たのをいいことに、サイコロに化けさせて一儲けしようとする男の噺『狸賽(たぬさい)』。テンポのいい語り口で会場を盛り上げました。

淀川区をテーマにした創作落語

そしていよいよ文枝の登場です。再び淀川区を歩いたときのエピソードを披露しつつ、街で見かけた川柳の話しから、歳を重ねることのあるある話をつづった川柳を連発し、爆笑をかっさらいます。そして自身も十三の川柳を作ったと告げ、「十三の花火が結ぶ家族の輪」という一句を披露すると、割れんばかりの拍手が。

そして今回の淀川区オリジナル落語へ。十三に暮らす80歳を越えた祖母の元に、東京から孫夫婦が戻ってくることになります。喜ぶ祖母ですが、孫の父親である近くに住む息子はバツイチで、しかも少々訳があり……。大阪を代表する下町・十三を舞台に、市井の人たちの何気ない人生のひとコマを紡いでいきます

噺のなかには、淀川区の地名や店なども登場。そのたびに観客席では笑顔が弾けます。淀川の花火大会をからめたラストには、大きな笑いと拍手が起こりました。

今回の噺は「しあわせのスターマイン」

落語のあとには三語が再び登場。今日の噺のタイトルが『しあわせのスターマイン』だったことを明かし、「いかがだったでしょうか?」と会場に問いかけると、大きな拍手が返ってきました。そして、これまで作った「区」の落語には、すべて最初に“幸せの”とつけていることを明かし、文枝と山本正広区長を呼び込みます。

山本区長が「本当に素晴らしい噺を聞かせていただいたと思う方、私といっしょに拍手を」と呼びかけると、会場からは本日一番の拍手が。今回の噺について文枝は「薬局屋さん、淀川の花火大会、十三の飲食店街を三題噺みたいに考えた」と話しました。そして淀川区については「硬軟織り混ぜて、すべてが詰まっている。十三大橋を越えたらすぐ別世界、別天地ですよ」と語り、今回の落語の登場人物のモデルにもなったママさんの店へ行った際のエピソードを明かしました。途中から、淀川区のマスコットキャラクタ―『夢ちゃん』も登場し、ステージを彩りました。

これからも続く「しあわせ」シリーズ

文枝はさらに続けて「淀川区っていうのは、エネルギーをものすごく感じる」と語ると、住みよい街だと力説。「年取ったら淀川区に住もうと思う」と宣言し、拍手を浴びますが、すぐに「各区で言うてます」とオチをつけ、笑いを取ります。

三語から、タイトルに“しあわせ”をつける意図を質問されると、「不満もあるだろうけど、上を見たらきりがないし。ここが一番幸せ、住めば都、皆さんが住んでいるところが一番幸せですよ」という意味でつけているそう。そして「これからもしあわせシリーズで24区を完成させたい」と力強く話しますが、次は天王寺区と振られると「(落語を作るのに)追われるんですよ……」と本音もポロリ。

区長が、今回のイベントは当初300席の予定だったところ、1,000通を超える申込みが合ったため、急遽450席に増やすほどの大人気だったと明かし、「淀川区に幸せを運んでいただいた」と文枝に花束が贈られました。

最後に文枝は、「淀川区の人たちは花火を誇りに思っている。元号が変わってもずっと続けていって欲しい」と話し、これからのますますの発展を祈念していると伝えると、会場は大きな拍手に包まれました。

無事に、7番目となる淀川区での創作落語を終えた文枝。次回の『参地直笑祭』は2ヶ月後、天王寺区で行われます。文枝が実際に地元へ足を運び、作る噺は聞き逃がせません! ぜひお近くの方は、足をお運びくださいね!