先日発売が発表された、東野幸治の最新書籍『この素晴らしき世界』。
東野幸治の最新エッセイ集である本書は2月27日(月)、新潮社より発売されました!

「週刊新潮」連載時から話題の、いくら毒舌を吐き続けても絶対に嫌われない男だから書くことの出来た「吉本バイブル」、ここに誕生!
極楽とんぼ・加藤による単行本化記念の描き下ろしと、キングコング・西野による“東野幸治論”も特別掲載されているとあり、注目を集めています。

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東野幸治が“あの大物芸人”への想いを吐露 熱を入れすぎて「まさかのダメ出しで…」

ラフマガでは、先日本書の発売を記念して、収録された一節を大公開。大好評を博しました。
皆さんのお声にお応えして、今回追加で記事の無料掲載が決定!
いずれも公開期間は下記の期間のみ。

4/14(火)~5/14(火) 陣内智則
4/21(火)~5/21(火) リットン調査団・水野透
4/28(火)~5/28(火) 宮川大助・花子

第一弾の陣内智則の節は本日から公開スタート!
ぜひお見逃しなく!

ぜひ、東野ワールドをご堪能下さい。

今度こそ幸せに! 陣内智則君

陣内智則君の波乱の芸人人生はこの本を読んでいる皆さんなら知っていることだと思います。
東京では「エンタの神様」への出演をきっかけにブレイクし、関西でも時を同じくして「なるトモ!」という月曜日から金曜日の午前中の帯番組で高視聴率を獲得してブレイクしました。その後、アノ人気女優と結婚。当時、陣内君は天下を獲っていたと言っても過言ではありません。

特に関西では「さんま・しのぶ」以来の祝福ムード。いつしかみんなから「殿様」「若様」のニュアンスで「陣様」と言われ出しました。陣内君は浮かれに浮かれ、人生のピークを迎えていました。噂では陣内君のお父さんも兵庫県加古川の地元で少し浮かれていたそうです。
しかしピークは長くは続きませんでした。
陣内君の浮気が原因で夫婦の仲も悪くなりやがて離婚。「転がり落ちる」という表現が柔らかく感じるぐらい、陣内君は切り立った崖をとてつもなくマッハのスピードで落ちていきました。噂では陣内君のお父さんも少し街を歩きにくくなっていたそうです。
そんな時代、私はゴルフにハマっていました。ゴルフに行きたくて行きたくて、仕方がなかったのです。
ゴルフをする芸人たちを誘うのですが、みんな忙しいのでなかなかメンバーが見つかりません。そこで、陣内君です。
彼はバッシングに次ぐバッシングで仕事がなくなって暇になっていたのです。
正直、個人的には喜んでいました。なぜなら一緒にゴルフに行くメンバーが見つかったからです。当時よく二人で行きました。
彼は人目を避けるようにゴルフ場にやってきて、こっそりとゴルフをしてお風呂にも入らず帰って行きました。プレー中はよく、「僕どうしたらいいんですか?」「女の敵になってしまいましたわ」「仕事が何本もキャンセルになりました」と一人呟くように言っていました。「大丈夫やと思うで」「なんとかなる」「今だけやと思うで」。何一つ具体的なアドバイスのない私の励ましに、彼は腑に落ちない顔をしてました。
うじうじと悩みながら、グリーン上でパターを打つ前にキャディーさんによく聞いてました。
「キャディーさん、このラインはフック? スライス?……僕、どうしたらいいの? ねぇ……ねぇキャディーさん、僕はどうしたらいいの?」
半分ボケ、半分本気で尋ねる陣内君に、キャディーさんはグッと笑いをこらえてキッパリと、
「このラインはフックです。あとはわかりません」
と答えていました。

そんな陣内君は芸人には珍しい社交性のあるタイプ。ちなみに私なんかはほとんど同じ吉本の後輩芸人としか食事や遊びに行きません。

2017年11月、陣内君はフジテレビのアナウンサーの方と2度目の結婚式をハワイで挙げました。芸人仲間は仕事が忙しく参加出来なかったのですが、陣内君が普段親しくしている一般のご友人たちが参加したそうです。
そういえば陣内君が恒例としているラスベガスでの単独公演にもその友人たちは行ったそうです。どうやら陣内君に便乗して、国内外で遊びたいというのもあるようです。だから「陣ちゃん、来年もベガスで公演してな!」「陣ちゃん、結婚式は海外でやってな!」とエールを送っているとかいないとか。
そして日本でのサプライズ結婚パーティーも先日ありました。

ハワイの挙式に行けなかった仲間たちのために、陣内君には内緒で元プロ野球選手の桧山さんや新婦の未央さんが日本での結婚サプライズパーティーを企画しました。
そのパーティーの司会が桧山さん。改めて言いますが、元阪神タイガースの桧山進次郎さんですよ。代打の神様ですよ。元々阪神ファンの陣内君ですが、番組で知り合った憧れの野球選手に対して、いつのまにかタメ口になる。代打の神様の桧山さんは怒らない。なんだったら桧山さんの方から「陣ちゃん」と親しみを込めて呼び、二人は親友の仲に。
今回の結婚について、桧山さんは陣内君のご両親に「陣ちゃんの嫁さんには未央ちゃんが絶対ええ! 未央ちゃんじゃないとアカン!」と力説したそうです。そんな風に言ってもらえる陣内君に、私は少し嫉妬します。
そして新婦の未央さんも陣内君を驚かせようと桧山さんたちと頑張っていたのにも感動しました。でも私は気になりました。普通、こういうサプライズパーティーで引っかかるのは新郎新婦のはずですが、今回は新郎だけを引っかける? ここからは私の勝手な想像です。

ご存知の通り、陣内君は一度結婚に失敗しました。有名女優と一世一代の華やかな結婚披露宴を開いたにもかかわらず、数年で離婚。それも陣内君の浮気が原因で。そして今回は2度目の結婚。もう少し早く再婚することもできたらしいですが、元奥さんの再婚もあり時期をみてのこのタイミングだったそうです。
陣内君は様々な方面への配慮から、日本での披露宴は控えようと考えたのだと思います。
「派手に披露宴をしてしまうとそれがニュースになって、あることないこと言われるかもしれない。それで嫁の未央が悲しむかもしれない。ならば、ハワイで身内のみで式を挙げるだけにしておこう」
それを桧山さんたちが「それじゃアカン! ハワイに来られなかった陣ちゃんの友達にも報告せなアカンし、祝ってもらわなアカン。そして未央ちゃんの友達にも祝ってもらわな、アカン!」というわけです。
だから陣ちゃんには秘密にしてサプライズの結婚パーティーにした……そんな勝手な想像をして、私は男・桧山に感動してしまいました。

もちろん新婦の未央さんを祝うためにフジテレビからも大勢の方が出席していました。
と、なぜそんなにこのパーティーに私が詳しいのか?
実は私も桧山さんから誘われて陣内君には内緒で出席してきたからなのです。行ってびっくりというかやっぱりというか、陣内君側の出席者は芸人とはまったく関係のない友人たちで、芸人は4、5人しか来ていませんでした。桧山さんが企画したパーティーだったので芸人たちに連絡がいってなかったというのもあると思いますが、それにしても芸人の結婚式で芸人が肩身を狭くしているなんて初めての経験でした。

何も知らない陣内君が会場にやって来ると、みんなから祝福のクラッカーを鳴らされて……めちゃくちゃビックリしていました。スタートから大盛り上がりで、出席者のスピーチ、ハワイでの挙式の映像が流れるなど、和やかな時間が流れます。

そんななか、唯一、陣内君と未央さん始め多くの出席者が凍りついた瞬間がありました。
盛り上がる空気の中、会場を凍りつかせたのが、ゲームコーナーでザ・パンチのパンチ浜崎君がステージに上がった時でした(芸名に忠実な彼は、パンチパーマで派手めなヤンキーファッション。「はいチャース、チャッチャチャース」のギャグでお馴染みの人です。知らないかな?)。

少しザ・パンチの説明をします。端的に言うと、2008年のM ─1グランプリ決勝で最下位になってからテレビに出なくなったと言われている漫才コンビです。漫才中にパンチ浜崎君が女の子との妄想を言い、相方のノーパンチ松尾君が「も~お願いだから死んで~」というツッコミがお決まりのコンビ、とも説明できます。
でもこのツッコミが最近のテレビではふさわしくないそうで、「死んで~」は言えなくなってしまいました。言ってもオンエアしてくれません。仕方がないので違うフレーズでツッコみます。
例えば「お願いだから、じゃが芋の芽を食べて~」「サウナで金縛りにあって~」。当然のことながら、「死んで~」のインパクトには勝てません。
話をゲームコーナーに戻します。古今東西ゲームで「フジテレビのアナウンサーを5人言ってください」というお題をふられたパンチ浜崎君は「えー! フジテレビのアナウンサー!?」と、しばし沈黙。ボケのための沈黙でないことは、誰の目にも明らかでした。私は「頑張れパンチ! 会場には大勢のフジテレビアナウンサーがいる、正解しなければエライことになるぞ!」と心の中でエールを送っていました。

司会の人が「たくさん来てるから簡単でしょ!」と促すと、「え~っと~……カトパン!」と真顔で答える浜崎君。
「……辞めました!」
静まり返る会場に、
「え~っと。すいません。マジで出てこないです! 今のフジテレビですよね」
会場は再び静まり返ります。未央さんが機転を利かせて近くのマイクを持ち、「ちょっと! 私もフジテレビのアナウンサーですよ!」とツッコみながら救いの手を差し伸べると、
「あっ! 未央さん! それと、山崎さんも!」
「正解! あと3人!」
会場の雰囲気が少しだけゆるんだものの、
「え~っ、もう出てこないです、すいません!」
と、再び沈黙する浜崎君。未央さんの横に座る陣内君の右足が揺れています。
「男性アナウンサーでもいいんですよ!」
「ますます分からないです……あっ! いた!」
この声の張り方はボケるなと、会場にいる芸人数名が息を呑んだところ……、
「安藤優子さん!!」
芸人のパンチ浜崎君。意を決して、最後は撃沈覚悟で果敢に、特攻隊の精神よろしく半ばヤケクソで絶叫しました。
「違います!!」
司会者のツッコミが会場の隅々まで響き渡り、パンチ浜崎君は背中を丸めステージから降り、トボトボと自分の席に戻って行きました。誰も彼に声をかけませんでした。パンチ浜崎君は参加したことを心の底から後悔したでしょう。せめて、相方のノーパンチ松尾君が横にいたら……。アレ? 陣内君の話じゃなくなっている。完全にザ・パンチの話に変わってる!

ここまで読んで頂いた皆さん申し訳ございません。陣内君の話は改めて書かせてもらいます。とりあえず私が書きたかったことは、「陣内君、結婚&出産おめでとう! 今度こそ幸せになって!」ってことです。

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