アニメ・PCゲーム好きの大山和也とアイドルオタクの前田壮太からなるコンビ・カラタチ。

カラタチ(左から大山和也、前田壮太)
出典: ラフ&ピース ニュースマガジン
東京・ヨシモト∞ホールを中心に活躍する2人は、アイドルとアニメを対比させるネタで人気急上昇中です。先日は、独特なキャラクターを武器に『アメトーーク!』(テレビ朝日系列)の新企画『NEXTお笑い第七世代』に出演し、大きな話題となりました。
今回は、番組で強烈なインパクトを残した2人にインタビューを実施。コンビ結成秘話からお互いに対する思いまで、様々なことを聞いてきました。
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カラタチ誕生の瞬間
――アイドル好き・アニメ好きなお二人が、どういった経緯でお笑い芸人を目指すことになったんですか?
前田「もともとお笑いは好きだったんですけど、大学4年生の時に『M-1グランプリ2009』で優勝したパンクブーブーさんを観て、かっこいいなと思って、数日後にNSCへ応募しました」
大山「大学3~4年の時、友だちに誘われて『M-1グランプリ2008』の敗者復活を大井競馬場まで観に行ったんですよ。(その時に勝ち上がった)オードリーさんのシンデレラストーリーというか、“芸人って一夜にしてこんなに売れるんだ”って思いまして……。当時リーマンショックなのもあって、“ダメだったら就職すればいいか”くらいの気持ちで、大学在学中に入りました」
――東京NSC16期生で出会ったというお二人。コンビ結成のきっかけは?
大山「僕は普通だったんですけど、こいつ(前田)が特殊で、NSCの時に8か月間くらいネタ見せを一切しなかったんですよ。ただただ授業だけ出ているみたいな気持ち悪いヤツで……。ようやく別のヤツに声をかけられてネタをやり始めたんですけど、ここでは言えないくらいヤバイネタをやって、異常なくらいに人気になっちゃって」
前田「僕が魔法をかけられて“前田様”っていうキャラになって、いろいろ悪さをするネタだったんですけど、いまだに“前田様”って呼んでくれる同期もいます」
大山「お互い(当時のコンビが)解散になったタイミングで声をかけました。自分が“面白いヤツじゃない”っていうのは分かっていましたし、インパクトのあるヤツと組みたかったっていうのもあったんで“ちょっとやってみないか?”って」
――コンビの活動は順調だったんですか?
大山「全然です。ランキングシステムでも下の方で、何も考えずに平気で4~5年過ぎていましたね。“よくその状態で続けられていたね”って言われます」

出典: ラフ&ピース ニュースマガジン
――結果が出ない日々が続くと落ち込みそうな気がします。
前田「良い意味で向上心がないんだと思います」
大山「お笑いでうまくいってなくても、お互い趣味が充実していたので、そっちに分散していたんだと思います。ゲームをやっていて楽しかったですし、お笑いはバイトしながらやってるみたいな」
前田「笑いより大事なもの(アイドル)があったってことです」
大山「お互い(お笑いが)二番目に好きなものだからやってこられたんですかね」
――そんな中で、劇場に出られるようになっていくわけですが、どのようにして今の形になったのですか?
大山「アニメとアイドルのスタイルをやり始めて3年くらいなんですけど、その原型となるもので、漫才のワンポイントとして(前田の)ボケを入れてきたんですよ」
前田「本当に好きなアイドルが15~16歳とかだったんで、“女子大生は俺からしたら熟女だ”みたいな」
大山「“やばくないか?”って思っていたんですけど“ネタがこれしかない”って言われていたし、僕も当時そのあたりの感覚がバグっていたんで、やってみたんですよ。そしたらウケて……。でも、最初の方は作家さんに怒られていました」
――ダメ出しされていたのに、ネタを信じられたのには何か理由があるんですか?
前田「最初そう言ってた作家さんも、ドカンと受けたりすると“君らはこれでいいのかも”って変わっていきました」
大山「だから、作家さんも感覚がおかしくなっているんでしょうね。慣れてきたというか」
前田の部屋には欅坂&日向坂のポスターだらけ
――前田さんが初めてアイドルを好きになったのはいつ頃ですか?
前田「大学生の頃にAKB48を好きになりました。『ヘビーローテーション』の1年くらい前に、握手会とか行き始めたのがきっかけです」
――推しメンはいたんですか?
前田「ずっとまゆゆ(渡辺麻友)です! 当時(渡辺は)15歳とかだったんですけど」

出典: ラフ&ピース ニュースマガジン
――アイドルオタク活動をする中でポリシーはありましたか?
前田「他のメンバーにはいかないようにしていましたね。総選挙があった時は、CDを20万円分くらい買ってました。当時は大学生で仕送りをもらっていたので……(そちらに使っていた)。ニートよりタチ悪いです」
大山「こいつ平気でこんなこと言いますからね。良くないです」
――では、今の推しは?
「欅坂46だと山﨑天ちゃん、日向坂46だと金村美玖ちゃんです」
――売れた時に欅坂46さんや日向坂46さんと番組をやってみたいとか願望はあるんですか?

出典: ラフ&ピース ニュースマガジン
前田「それがちょっと微妙なところで、“会いたい”って気持ちと“会ってどうしていいか分からない”って気持ちがあるんですよ。ただ近くにいたいだけです」
大山「この間、日向坂46がゲストの収録に行かせてもらったんですけど、僕らはスポット出番だったので台本に名前が載ってなかったんですよ。冗談で“間違っているかもしれないから行かない方がいいんじゃない?”って言ったら、前田は“いられるだけでいいから行かせてくれ”って(笑)」
前田「収録が2時間半あったんですよ。普段1,000円払って(握手が)5秒とかなんで」
大山「(当日の収録では)使うはずのない握手券をポケットに忍ばせていましたからね。機会があれば出そうとして(笑)」
最初はアニメをネタ化するのが嫌だった
――大山さんはアニメ好きなんですよね。
大山「高校生の時にアニメを観ていて、それの延長線上で恋愛シュミレーションゲームにいった流れですかね」
――どんなアニメにハマったんですか?
大山「『涼宮ハルヒの憂鬱』とか『ゼロの使い魔』とかにハマって。芸人活動を始めてからも好きでしたけど、あくまで趣味でした」

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――現在の、大山さんが好きなアニメベスト3を教えてください。
「めちゃくちゃ面白いのは『コードギアス』で、個人的に好きなのは『WHITE ALBUM2』です。これはエロゲーで傑作です。最近再編集版を観てハマったのは『Re:ゼロから始める異世界生活』です」
――アニメをネタに入れるとなった時は、躊躇したとお聞きしました。
大山「最初はネタに入れるのが嫌すぎて、3か月先延ばししました。結局相方がヤバすぎるから、僕の要素を足して、マイルドにするっていうのが始まりだったんで。まぁ、俺からしたら“お前がレベル下げろよ”って話なんですけどね……」
前田「(大山は)変態なのを隠して芸人をしていたんですよ」
――グッズとかは買わないんですか?
大山「漫画とか同人誌は買うんですけど、グッズの方にはいかないタイプです。そういう意味では(前田と)真逆だと思います」
「アメトーーク!」では言いたいことを言えた
――どのようにネタを作るんですか?
大山「ボケは前田が作るんですけど、僕が流れを作っていくような感じです。相方は自分の言いたいことをアウトプットしているだけで、ネタの手入れも一切しない。賞レースのために直すこともないので、結局僕がネタを叩いているような状態です」
前田「ネタを作るというか、言いたいことを言っているだけなんですよ」
大山「ネタの良し悪しにこだわりはないですね。だから俺が組み替えたり指示を出したりしています」
――お互いに対して不満はありますか?
大山「コンビでのスケジュール管理はコイツがしているんですけど、ある時、同期から“なんで仕事断ったんだ”って言われたことがありまして。その芸人が言うには前田に断られたと。でも、スケジュールが空いていたんで、前田に聞いたら“握手会入っていたから断った”って……。後に判明するんですけど、コイツ、ちょこちょこアイドル関係のイベントに参加するために仕事を断ってたんですよ!」

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前田「僕は(大山が)エロゲ―にお金を費やす意味が分からないです。アイドルに費やせば、アイドル側の給料とかにいくわけじゃないですか。コッチ(大山)はいくらつぎこんでも好きなキャラにいくわけじゃないから」
大山「別にいいじゃねーか! 今までで言うと300~400万円くらいはつぎ込んでいるけどさ」

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――『アメトーーク!』の収録はいかがでしたか?
大山「初めてトークバラエティー番組に出たんですけど、右も左も分からない状態でやったんで、あんまり覚えていないです」
前田「僕は喋りたいことは喋れたかなって思います。ほかの芸人さんとMCの方々が絡んでいるのを見て、視聴者みたいに楽しんでいました」
大山「前田は自分のターン以外は仕事しないと決めている節があるんですよ。“こういうことやってください”って言われないとやらない」
――最後に、カラタチの魅力はどんなところだと思いますか?
前田「ネタの題材を絞っているので、その題材が好きな人にとっては、楽しめるんじゃないかなと思います」
大山「お互いが良い意味で趣味に振りきっちゃっているんで、刺さる人には刺さると思います」
前田「僕にも出待ちの方がいるんですけど、“カラタチのネタが好き”ってことじゃなくて、“私もアイドル好きなんです”って、その人が応援しているアイドルのCDをいただくこともよくあります。基本差し入れは生写真です」
暴露話も織り交ぜられ、“カラタチ節”全開だった今回のインタビュー。今後、“NEXTお笑い第七世代”の2人に要注目です。
協力:遠藤敬(構成作家)
取材・文:浜瀬将樹
【関連記事】カラタチ公式Twitter
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前田壮太Twitter:https://twitter.com/karatatimaedaky
大山和也Twitter:https://twitter.com/kantarou4279