2月21日(金)、シリーズ累計3万部近いセールスを記録した『レイワ怪談 新月の章』(学研プラス)、『レイワ怪談 半月の章』(学研プラス)の好評を受け、ファン待望の続編となるシリーズ第3弾『レイワ怪談 三日月の章』を出版したありがとう・ぁみ。

発売されるやいなや、Amazon売れ筋ランキング『こどものホラー・怖い話』部門のランキングベスト3を独占したことでも話題に。そこで今回は、原作者のありがとう・ぁみに、“今作について”や“怪談家としての今後について”など、インタビューを行ないました!

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お泊り会のノリで、“怖い話”がしたい

――今作がシリーズ3作目となりますが、そもそも『レイワ怪談』を出すことになったいきさつは?

僕、怪談を好きになったのが小学生の頃なんです。“わ~、怖い!”と思う話がすごく好きだったんですけど、その頃、地域の子ども会でキャンプの催しがあって。1グループ4~5人でテントにいたんですけど、友だちのお父さんが各テントを怖い話をして回って、子どもたちを絶叫の渦に巻き込んでいたんです。

――大人気ですね、その方(笑)。

もうヒーローで! そういう楽しい思い出があったせいか、僕、怖い話は今もその頃と変わらないスタンスでワイワイやりたいというか、いわゆるお泊まり会ノリでやりたいというのがあるんです。なので、誰でもわかるような、楽しい怖い話をしたいなって。自分が怪談を好きになった年代の子どもたちに向けた、何か形に残るものをやりたいなって思っていたところ、学研さんからお声がけをいただいたので“待ってました!”という感じでやらせてもらうことになりました。

――子ども向けの本を出されたのは昨年の『レイワ怪談』が初めてだと思いますが、出版したときの周囲の反応はいかがでしたか?

お子さんが喜んでるという話を親御さんから聞いたり、小学校のクラスで流行ってるという話も聞きましたし、子どもたちだけじゃなく、僕の周りにいる怪談好きな大人たちからも“楽しかった”って言ってもらえたので、いろんな人に読んでもらえてよかったなと思いました。

――3作目となる今作のコンセプトはありますか?

“レイワ(令和)怪談”というぐらいなので、「今だな」っていう怪談も必ず入れるようにしています。常日頃取材の日々なので、わりと最近の怪談もよく聞くんですよ。たとえば10年前だったらありえなかった、生配信に映っちゃった話とか、『Siri』が反応しちゃった話とか……(笑)。そのあたりは従来の怪談とちょっと違って“レイワ怪談”ぽいところだと思うので、コンセプトのひとつにはなってるかもしれないですね。

あとは、僕がやっぱり怪談をワイワイ楽しむのが好きなので、いわゆる怖い話ももちろんたくさん入ってるんですけど、そうじゃない話も入ってるんです。怪談って、イコール怖い話なだけじゃなくて人間ドラマだったりもするので「そこはちょっと入れていですか?」って提案させてもらって。“みんなの心にちょっと残ったらいいな”と思って書いたお話も入ってます。

僕、小学校のときに図書室でこういう本を読んだのが楽しかったんですよね。なので、全体のテーマとしては“学校の図書室に置いてあって、図書室で手にとって“怪談って面白い!”って思ってもらうというのがあったので、そこは常に意識して作りました。これから怪談にハマりたい人への入門書的な本というか、その入り口になれたらいいなと思ってます。

怪談はロマンにあふれている!

――ぁみさんが子どもの頃に読んでいた怪談はどういうものだったんですか?

いろいろ読んでたんですけど、たとえば稲川淳二さんの怪談がマンガになってるものとか、あとはわりと教訓めいたものですね。“悪いことをしたらお化けが出るぞ”みたいな。未知な世界にロマンを感じて、子どもながらにワクワクしたんです。“自分の知らないところでこんな不可解なできごとが起きるんだ”みたいな。

――怪談家として活動されていますが、怖い体験をしたことはありますか?

いっぱいあります。たとえば以前、沖縄のとある場所に夜中の2時頃に行ったことがあるんですけど、そこで男性ディレクターさんと僕2人で生放送してたんです。そうしたら、現場はシーンとしているのに「たくさんの女の子の声がする」っていうコメントがいっぱい来て……。

そのあと、次の心霊スポットに行くことになって、次の現場の住所を車のナビに入れて出発したんですけど、出発してすぐナビに「右へ曲がってください」って言われて。曲がったら、また「右へ曲がってください」って言うんです。困惑しながらも右へ曲がったら、また「右へ曲がってください」って言われて。で、「目的地に到着しました」って言われたんですけど、元の場所に戻ってきちゃってたんです。めっちゃ怖くて……(笑)。

――ええっ……! それは怖いですね。

そんな感じで、僕には何も見えてないんですけど、視聴者の方には見えたり聞こえてたりってことが多いこともあって。でもやっぱり探究心とロマンへの憧れが強いので、どうしても1歩踏み出しちゃいますね。ただもちろん、たとえばさっき話した沖縄の場合なんかは、もともと戦地の方がお相手なので、失礼なことは一切しないようにしてますし、敬意をもって接するようにはしてるんです。それでもたまたまなにも知らずに踏み入れちゃった場所が……とか、そういうことがあるんですよね。

怪談の楽しさは“余白”にある

――ぁみさんが思う、“怪談”のいちばんの魅力とは?

そこに人の気持ちだったり、ドラマだったり、人間の生き様があった上で、さらに未知なる世界で不可解なことが起きていることへのロマンと言いますか……。ただ怖いだけじゃなくて、人ひとりの気持ちにふれるところにロマンがあるんですよね。

――なるほど。ところでぁみさんは芸人でもありますが、“お笑い”と“怖い話”には共通点があると思いますか?

僕は一緒だと思ってます。面白いエピソードを話すのも、怖いエピソードを話すのも。

――“怖い”が同時に“面白い”だったりもしますもんね。

そうなんです。それもあるし、結局、話を聞いて想像してもらって、想像の中で景色を見てもらって、それを面白いと思うか、そこに怖いものが現れるかだけの違いなんで、やってることは一緒だと思ってます。それに、怖い話の中にも面白いものもいっぱいあるんですよね。走り回ってる幽霊がタンスの角に小指をぶつけた話とか(笑)。

――そういうのも読みたいです(笑)! そういえば今作にも、怖いというより不思議というか「このあとが気になる!」と思う作品がいくつかありました。

僕、怪談で好きなのが“余白を残す”ところなんです。テレビなんかで話す怪談は、決められた尺の中で“こういうことが起こってこうなりました。それはこういうことだったらしいです”ってオチまで入れてまとめなきゃいけないんですけど、僕の作品として出せるんだったら、せめて怪談の楽しさである“余白を残す”ということがやりたくて。全部話して“そうなんだ”って思われるだけじゃなくて、そのあとを読んだ人が想像して楽しめるっていう。

――その方が引っかかるというか、読んだあとに余韻が残りますもんね。

そう思ってもらえると嬉しいです。なので、その後の想像が楽しそうだなっていう話はわざとそういうところで終わりたいと思ってます。

――『レイワ怪談』はシリーズものですし、続編が期待されますが、次回作の構想があればお聞かせください。

実は今も“もし今度『レイワ怪談』に入れるとしたらどんな話だろう?”って考えながらお話を遡ったり、取材でもそのあたりを重点的に聞いたりはしていて。この間も『ストリートビュー』に映っちゃったっていう話を聞いて、すごく“レイワ”だなって思いました。やっぱりそういう今の時代ならではの怪談だったり、あとはやっぱり前作同様子どもたちの心に残るような話を入れられたらいいなと思ってます。

――ぁみさん自身の今後の展望はありますか?

僕、アニメが好きなんで、映像化があったらいいな、なんて……(笑)。それは本当に個人的な思いなんですけど。『レイワ怪談』も絵にしたら面白そうな話が入っていると思いますし、もし映像化が実現したら嬉しいです。

――最後に、ラフマガ読者にメッセージをお願いします。

作家の方々に入ってもらって、小学生・中学生にも読みやすいものにしていただいてるんですけど、起こっているできごとや怖さは、ちゃんと大人が“怖楽しめる”レベルにしてあります。幅広い層に楽しんでもらえる作品になったと思いますので、ぜひ一度手にとってもらえたら嬉しいです。

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『レイワ怪談 三日月の章』

原作:ありがとう・ぁみ
表紙絵:篠月しのぶ
定価:本体1,000円+税
判型:四六判
頁数:280ページ
ISBN:978-4-05-205142-5
発行所:株式会社 学研プラス

【参考】特報! 令和最恐の怪談家「ありがとう・ぁみ」最新作! 前作を遥かに凌駕する恐怖、『レイワ怪談 三日月の章』2月21日(金)発売! – PR TIMES

 

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