3月7日(木)、大阪・枚方市大阪精神医療センターにて『こころとからだ 生き生き教室』が開催され、そのプログラムの一環として、『笑って認知症予防~脳に効く!吉本新喜劇~』が上演されました。

認知症予防を目的に、大阪精神医療センターと枚方市が共同で進めているプロジェクト『こころとからだ 生き生き教室』。昨年から吉本興業も参画し、よしもとらしく“笑い”を取り入れた新たなスポーツメニューやプログラムに取り組んでいます。

この日は、川畑泰史座長ら新喜劇座員が集まり、大阪精神医療センター監修のもと、記憶力・注意力・連想力などの認知機能を高める様々な要素をふんだんに織り交ぜた、“スペシャルな吉本新喜劇”を披露しました。

認知症予防には「笑い」が効果的?

認知症がどんどん増えているいま、2025年には730万人以上の人が認知症と診断されると予測されています。ですが、大阪精神医療センターの副院長・岩田先生によると、認知症は予防することができるので、この数字は減らせる可能性も十分あるそうです。

認知症予防には、「運動」「脳のトレーニング」「健康的な食事」「会話」、そして「笑うこと」が効果的なんだとか。岩田先生曰く大切なのは、これらをバランスよく組み合わせつつ、笑って脳を活性化させること。つまり、笑いを取り入れながら運動や脳トレをすると良いとのことです。

今回は、普段プログラムに参加している30名のほか、60歳以上の方を対象に募集した100名の観客の、計130名が参加。いよいよ、笑いと脳トレを融合した『笑って認知症予防~脳に効く!吉本新喜劇~』の舞台の幕が上がります!

笑って脳を活性化!スペシャルな吉本新喜劇が開幕

今回の新喜劇のテーマは、“笑って認知症予防”。最初に登場したのは真希ちゃんこと、前田真希。「今日はいい天気だから、外でラーメンを食べるのが一番ね」と言い、ラーメン屋台に立ち寄るシーンから始まります。

前田が「すみませーん」とお店の大将を呼ぶと、お決まりの登場の曲が会場に響き渡る……が、誰も出てきません。「誰もでてこーへんやん!」と叫ぶ前田の姿に会場は大爆笑!

ラーメン屋の大将を演じる座長の川畑泰史がお馴染みの登場曲に合わせて登場し、効果音とともに首を振るシーンに、「待ってましたー!」と、会場が笑いと拍手に包まれます。

ただ今回の新喜劇は、笑えるというだけではありません。認知機能を高める様々な要素をたくさん取り入れた、“観客参加型”の吉本新喜劇です!

笑いと脳トレの融合に、会場は大盛り上がり!

前田がラーメンを注文すると、川畑曰く、新しく入ったバイトスタッフが、材料を買いに行ったまま戻らないんだそう。しかも、「新人バイトが書いたメニュー表が、クイズ形式になっていて何と書いてあるか分からない」と困り顏です。

そのメニュー表とは、「はっ〇〇さい」「て〇し〇はん」「み〇〇ー〇ん」「ち〇ーし〇ー〇ん」「ぎ〇〇ざ」「た〇〇ん〇ん」「〇び〇り」と、虫食いクイズ形式のもの。このようなクイズネタを随所に入れ、お客さんを巻き込みながら、笑える脳トレを展開していきます。

参加者が虫食いクイズをクリアすると、清水啓之演じる新人バイトが戻って来るシーンに進みます。川畑が「今まで何しとったんや! サボっとったんやろ!」と叱ると、「サボってませんよ!」と口答えする清水。何をしていたか問われ、「お茶してました」という答えに会場は爆笑!

そして清水は「喫茶店でお茶を飲んでるとき、えらいことが起きたんですよ」と言い出し、それを4つのジェスチャーで伝えたいんだそう。これも実は脳トレで、答えは「コーヒーを飲んでると」「強盗が入って来て」「レジからお金を取って」「逃げて行く」というものでした。

川畑が「そんな大変なことがあったんや。サボってたわけじゃないんやな」と見直すと、すかさず清水が「って夢を見たんです」と答え、綺麗なオチに会場は再び笑いの渦に包まれました。

そんないい加減な新人バイトの清水。来客の前田に一目惚れし、告白するものの断られてしまいます。ショックを受けつつ、「顔パンパンの大将のもとで働いてるから?」と振られた理由を聞きだし、食い下がります。

アタックを続けていると、前田が「本当に私のことが好きなら、私の見た目で何が変わったかわかりますよね」と、着替える前後の服装などの違いを見つけるクイズを出題。これも脳トレです。

そうこうしているうちに、「おじゃまします……か?」とつぶやきながら、警察官役の安尾信乃助と、その部下役の島田珠代が登場。

登場後、すぐさま川畑にまとわりつく島田。お馴染みの「チ〜ン」など、持ちギャグを連発し、観客も大笑いします。川畑が安尾に「警察でしょ! 捕まえてくださいよ」と抗議すると、島田は「私が何をしたと言うんですか!?」と開きなおります。

ここではなんと、この島田の一連の行為がクイズのお題に。その順番を正しく答えられるかという問題に、観客も頭を悩ませたようです。

お次は安尾が、一度では覚えられないほど沢山の料理を注文します。困った川畑は会場のお客さんに助けを求め、再び脳トレコーナーに突入!

無事注文を覚えた川畑らでしたが、ここでまた新たなハプニングが発生します。ラーメン屋台の近くで銀行強盗があり、もりすけと野下敏規が演じる強盗2人組が逃げてくるという急展開に。

ここでは、現金の入ったネイビー色のバッグが、似たようなバッグに混じってしまい、どのバッグに現金が入っているかわからなくなったという問題が発生。洞察力で解明していく脳トレです。

そして強盗の人質になった前田を、バイトの清水が助けて強盗は無事逮捕されました。この救出劇がきっかけで恋が実るかと思いきや、なぜか警官の安尾が「あなたに惚れました」と前田に告白し、前田を巡って清水と恋の三角関係が発生します。

2人から交際を迫られた前田は、理想の恋人に“知的な人”を挙げ、「世界の国名を多く知っている人と付き合う」と宣言! 再び観客参加型の脳トレが始まりました。

その結果、観客は勝利し、清水は惨敗。しかし前田は、強盗から自身を助けてくれた清水を選び、物語はハッピーエンドを迎えました。

最後は「この時間なんやってん?」という川畑のツッコミで締め、爆笑のうちに舞台は幕を下ろしました。

このように、笑える脳トレにチャレンジしたり、笑いながら考えたりと、「笑い×脳の働き」の組み合わせは、認知症予防に効果が期待できるんだとか。よく笑っている人は、認知機能の低下が少ないという研究結果も出ているそうです。

笑うことは最良の薬。大いに笑って、脳と心の健康を意識して過ごしてみてはいかがでしょうか。