現在の無限大ホールの顔といっても過言ではないEXIT。

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さまざまな出来事を経験しながら駆け抜けた2019年、心残りはM-1だと語る。どれだけ多くのメディアに出ようが、決して消えない賞レースへの思い、ネタへのこだわりとは――。

M-1に狂わされてるコンビ

――2019年、とても忙しかったと思います。おつかれさまでした。

りんたろー。 最高の1年でしたね。
兼近 いろいろあった1年だったんで。持ち上げられて、落ちて、また持ち上がって、信じられない上下を経験しましたね。
りんたろー。 濃度でいったらとんでもなく濃いんじゃない?
兼近 すべてやりましたね。芸人がやるすべての仕事をやったと思う。
りんたろー。 そんなことないだろ(笑)。だからこそ賞レースもカマしたかったですけどね。

――M-1は残念ながら準々決勝敗退でした。もともとM-1に出るために結成したのがきっかけのおふたりですし、やはりそこに賭ける思いは強い?

兼近 M-1に狂わされてるコンビですね。正式にコンビ組んで1回目の2018年は、めちゃめちゃウケたけど落とされて、否定された感じがしたんですよ。ちゃんとみんなと同じようなやり方をしないとM-1はダメなんだって思って、1年間そういうネタを作り続けたんです。でも2019年はその結果うまくいかなくて、「1年間無駄にした」って思いましたね。M-1に寄せたのに、M-1に嫌われちゃった。
りんたろー。 1年間いろいろ露出して知名度が上がって、そっちの方向が世間の僕らの需要になってたんですけど、そこに気づかないで、賞レースとはそういうものだと思いこんでやり続けちゃった。

――具体的に、1年かけてM-1に寄せた部分とはどんなところですか?

兼近 まずツッコミを多く入れた。で、テンポを上げてボケを増やしたんです。
りんたろー。 僕らの今までのスタイルでいうと、ちんたらしゃべってツッコミをあんまりしないで、感想を添える感じだったんですけど、2018年にそれがダメって言われたと思ったんです。だからコントインしてチャラ男を薄めることで、普通の漫才に寄せるようにしたんですけど、そういうことじゃなかった……。

来年はやりたいことをやろう

――いち観客としては、今年のM-1予選は去年までと傾向が変わったのかな、と感じました。

りんたろー。 おっしゃってるのは、今までの漫才っぽい人が落ちて新しい人が通って、ってことですよね。たしかにある種そういうメッセージみたいなのは感じてて、俺らはそれに乗っからないといけない適任だったと思うんで、「やっちゃったな」って感じです。
兼近 でも逆に、来年はやりたいことをやろうって気持ちが固まりました。正直、俺は今年はやりたくないことをやってたんですよ。チャラ男がコントインするのは違う、って思ってた。漫才でチャラ男ってすでにコントインじゃないですか。
りんたろー。 冷める冷める!
兼近 いや、俺らはそうは思ってないですよ? でも世間からしたらそうじゃないですか。そこにさらにもうひとつ設定を乗っけるのは変だっていう思いはずっとあったんですけど、M-1に寄せていく上では必要なのかなと思って、そういうネタをブラッシュアップしてた。どこ磨いてんだよ! って感じでしたけど。
りんたろー。 たしかに(笑)。あの時間返してほしい!
兼近 磨いてもなんにもない石磨いてた。
りんたろー。 でもそれはチャラ男に限界感じたときのストックで残しておけばいいよね。
兼近 そうっすね。

――チャラ男じゃなくなるときがくるかも、ってことをサラッと言うんですね。そういうところもそうですが、2人は柔軟性がすごいなと。ブレイクのきっかけになった『ゴッドタン』では、これからチャラ男として露出していこうという時期に「でも実は真面目」といういじり方をされたじゃないですか。

兼近 「1回はそれでいこう」って全力で乗っかりました。僕ら、用意された道を走ってるだけなんで。
りんたろー。 そうっすね(爆笑)。
兼近 いつでも走れるように準備しておいて、道が用意されたらそこを走る。それを繰り返してるだけなんですよ。これからもたぶん誰かが用意した道を走るだけ。国民のマリオネットなので。俺らは本当に自分たちのこと真面目とは思ってないですし、世間が「実は真面目なんでしょ?」って言うから「真面目じゃないよ」って言いながらもその道を走ってる。
りんたろー。 その通りだと思います。何か言われたときにすぐそっちに走れる柔軟性と筋肉だけつけておいて、あとは要望に合わせて走る。「何やりたいですか?」「来年どうしますか?」って言われても、まったくわかんないです。
兼近 「それを決めるのはみんなでしょ?」って。自分たちで決めたことなんてない。世間が俺らをそうさせてるだけなんで。
りんたろー。 「◯年後にこれをやりたいから、そのためにこういうことをやる」みたいなことを言う人、いるじゃないですか。あれ、すごいと思うんですよ。僕らにはできない。走ってるうちに、「それって1年前の目標じゃん」ってなっちゃうんすよね。常に新しい感覚を取り入れて、今やるべきことを考えていくほうが俺らに合ってるかなって感じがします。

兼近 僕、生まれてから1万と何日かしか生きてないんですよ。たったそれだけの日数しか生きてなくても、1日1日のことが思い出せない。明日のことも絶対明後日には忘れてると思うんですよ。だから未来のこととか語りにくい。絶対変わってるから。てか、今言ってることも2~3時間後には変わってるんすよ。日々自分が更新されていってるので、なんにも決められないです。

――年末配布号なので、最後に2020年の抱負を聞こうと思っていたんですが……。

りんたろー。 決められないって今言っちゃいましたね。
兼近 「大切に生きる」としか決めてないです。男性の平均寿命で考えると、俺あと1万8000日くらいしか生きられないんですよ。
りんたろー。 いや、さっきから何万何日って何?(笑) 「年」でいいよ。
兼近 考えちゃうんですよ。「また1日が終わった」「また1日が終わった」って。
りんたろー。 「りんたろー。さん、これやりたいんでやりましょう」って言われて「わかった」って言ってても、次の日忘れてて「それ、なんですか?」って聞いてくるんですよ。記憶の部屋が1畳くらいしかない。
兼近 記憶はもって1日です。だからそのとき感じたことを日々やっていくだけなんですよね。

インタビューの裏側はこちら:BEHIND THE STAGE 「EXIT」

【記事まとめ】