12月18日(水)から1月13日(月)まで、東京アメリカンクラブ内フレデリック・ハリス・ギャラリーにて、書家・石井櫻乃(いしいおうない)の作品展が開催されています。

石井櫻乃は、日本で唯一の『マインドフルネス書道®』伝道師として、国内外で活躍している書家。2,000人以上が所属する社中を主宰しており、子どもから大人まで幅広い層への指導を行なっています。

今回は、書の枠を超え、現代アートとしての可能性も感じさせるこの展示の模様をお届けします。さらに石井に、展示会の見どころに加え、美の秘訣である“おから”についてや、よしもと部活動プロジェクト『ブカツ!』での書道部としての活動まで、多岐にわたり、話を聞いてきました。

関連記事:2020年も盛り上がる!2019年にラフマガで取り上げたブカツ!をご紹介

 

展示のコンセプトは“マインドフルネス書道®️”

『SHO(書)Time!』と名付けられた本展で展示された作品は全部で28点。準備・制作期間におよそ1年を費やし、“今、石井櫻乃が表現したいこと”がぎゅっと凝縮された、濃密な内容となりました。

今回の作品展が開催された東京・麻布台にある東京アメリカンクラブは、50か国を超える国籍からなる会員制国際クラブとあって、アメリカ大使館での書道部の指導を行なうなど国際的な活動をみせる彼女にとって、まさにぴったりの場所と言えます。

「場所柄、日本語の文字を知らない欧米の方でも老若男女問わず楽しんでもらえるような作品を意識しました」と語った通り、日本古来の“書道”の枠を超え、さながら現代アートのような雰囲気です。

特に目を引いたのが丸と線を用いた作品の数々。今回の展示のテーマにもなった、石井が考案し、商標登録も行なっている“マインドフルネス書道®️”に基づいたものです。

マインドフルネスとは「自分の気持ちを“今、この瞬間”に意図的に向けて、現実をあるがままに知覚すること、あるいはそうした心の状態を体得するためのトレーニング」を指す言葉。

この状態になるにはヨガや瞑想などを通して行なうのが一般的ですが、それを書道によって行なうのが”マインドフルネス書道®️”なのです。自分の心と向き合い、ストレスなく過ごすことができるようになり、集中力もアップするとのこと。

そして、もうひとつ、石井がこだわったのが“額装”です。

書道と言うと、白い半紙に黒の墨で書かれた文字の世界というイメージですが、飾られた作品は、1点1点、凝った額装が施されていて目を見張るものがあります。

書の雰囲気に合わせ、クロコダイル風の型押しのものだったり、帽子に使う繊細なレース、西陣織の技法を用いた伝統の和紙など、様々なものが使われていました。

本人曰く「インテリアとしてもどこの国にあってもしっくりくるように、どんな素材を使えば面白いかを考えるところから、書と枠の大きさの対比のバランスなどまで、1点1点、作品ごとに緻密に考えました」とのことで、カラフルなものを始め、自由な発想力の高さを感じさせるものとなっていました。

枠にとらわれない自由な書道を追求したい

作風から感じさせる独特のやわらかさが魅力の石井。御年63歳とは思えない彼女に、美の秘訣、さらには今気になっていることなどをインタビューしてきました。

――今回の作品展、既存の書道のイメージの枠を飛び越えていてとても面白かったです。

ありがとうございます! 私はマインドフルネス書道®️を提唱していて、今回の展示もそれが軸になっているんです。

マインドフルネス書道®️では、字を書くのはもちろんなんですけど、まずやるのは線と丸を練習するんです。なぜかというと、文字は意味があるし、上手い下手ってあるから、どうしてもそこを考えてしまうんですよね。そうするとマインドフルネスの状態(集中した心の状態)にならないので。無になるためには、線と丸が一番いいんですよね。線と丸は基本中の基本。それをやっておくと、文字も自然に上手くなっていくんです。

だから、今回、私は線と丸を使った作品を中心に生み出しました。「線と丸でもこんなにも表現できるんだ」ってことを見てもらいたいなと思ったんです。

――額装もいろいろあって、そこもユニークですごく素敵でした。

そうなんです。クロコダイル風の型抜きをした紙を特別に作ってもらったんですけど、“これ、書道と組み合わせたら面白いだろうな”というアイデアがふとひらめくんですよね。帽子で使うレースもそうですが、全般的に、なかなか組み合わせることのない異素材を組み合わせているんですよ。

英字新聞と組み合わせた作品もあって。書いた作品を英字新聞の上にたまたま置いていたときに“これ、合うかも”とひらめいて。それで額装にしてみたんですけど、原子力爆弾を作った人が載ったような新聞は、感情や感覚を感じさせない無機物なわけですけど。その中央に“禅”を感じさせる書を置く。その対比を面白がってもらえたら。

その他にも1,400年の歴史がある和紙なども使っているんですけど、伝統工芸品って今、なかなか使うところがなくなっている。書道を通じてそういうものとコラボしていけたらいいなぁと思っています。

――今回の展示も含め、石井さんは書道を通じて何を伝えたいと思っていますか?

書道の可能性ですね。書道=文字だけではない。絵でも線でも、文字が分からない人にも世界中に伝えられるのかなと思っています。実際、今回の展示でもドローイングに近いような作品もありましたし。

マインドフルネス書道®️と合わせた、枠にとらわれない自由な書道を墨を使って表現していきたい。中国画の手法を練習してみたり、日本画を勉強してみたり、いろんなところから刺激を受けつつやっていきたい。字だけ書いているよりもそのほうが広がりがあるので。

美の秘訣は40年来のおから偏愛!?

――今、何か興味があるものはありますか?

全然関係ないんですけど、“居合”ですね。

以前、パフォーマンスで書を披露したことがあったんですけど、そこに居合の先生がいらっしゃって。その方が「(書を)書くときの気合いが、居合と同じですね」と言われた。それで「居合を極めたら、もっと鋭い気合いを得られるのかな」と思ったんですよね。

刀を筆に変えて、紙に気合いを入れる。これができたらきっと楽しいだろうなと思っています。

――そう言えば、石井さんはYouTubeでおからチャンネルも開設していて。

そうなんです! おからはもう40年も食べてまして。今、63歳なのですけど、20代から何にも気にしないで食べていたんです。そうしたら体の調子がいいので、なんとなくご飯を食べるような感覚で毎朝食べています。

おからってすごい栄養なんですよ! タンパク質は卵の5倍、必須アミノ酸も8種類入ってるんですよ! 肌の乾燥もしないような気がします。1日50gを食べるといいそうなので、それを取り入れています。おからと水菜を合わせてポン酢でさっぱり味わったり、いろんな食べ方があって、それをYouTubeでアップしているのでぜひ見てみてください!

とにかく私の健康の源は“おから”だと思ってます! 関連はわからないんですけど、私、予防接種もしたことないのにインフルエンザにかかったこともないんですよ!

――石井さんのキレイの秘密は“おから”にあったわけですね! さらに、よしもと部活動プロジェクト『ブカツ!』の書道部の活動もされていますね。

書道部は、現在9名。若手の芸人さんが多いんですけど、どういう方向性でいこうかなと模索しているところです。楽しんでやるほうに重きをおくか、はたまた書道を極めるように真剣度を高めるか。

いずれにせよ、長く続ける活動にしたいので、部員の動向も伺いつつ、決めていけたらと思っています。この書道部でやったことが部員たちのプラスになってほしいですからね。

この間、部員の1人のバチョフ君と一緒に総務省に行ったりもしました!

いずれはみんなで一緒にパフォーマンスなんかもできたらいいですけど、まだレベルにばらつきがあるので、もうちょっと頑張ってからという感じです。

――では最後に、展示に絡めてマインドフルネス書道®️の魅力を一言でお願いします!

今回の展示はタイトルが『SHO(書)Time!』だったので、とにかく来た方に楽しんでもらいたいと思ったんです。作るほうも楽しんで作ったので、それが伝わるといいなと。

書道は枠にはまると上手にならない。だから字を書くだけでない書道の楽しさを広げていければいいなと思っています。上手に書こうと思わなくていい。自由にストレスなく、楽しみながら書道体験をしてほしい。

なので、今後もこのような展示をどんどん展開していきたい。日本のみならず、世界中の人にマインドフルネス書道®️が広がったらいいなぁと思っています。

 

やわらかで自由な作風の彼女の書はもちろん、YouTubeチャンネル『よしもと文化人セクション』では様々なおからレシピも掲載中。ぜひチェックしてみてください!

よしもと部活動プロジェクト『ブカツ!』

公式サイト:http://bukatsu.yoshimoto.co.jp/shodo/index.html

 

YouTubeチャンネル『よしもと文化人セクション』

URL:https://www.youtube.com/channel/UCyiH30f7lqzlEChyjnwsl6w

 

【関連記事】