『THE EMPTY STAGE』とは、台本なし、道具なしの“即興”をテーマに、1人でトークを行なう『ONE-MAN TALK SHOW』と、チームによるコントショー『IMPROVE SHOW featuring The Second City』の2部構成で届ける、新しい形のエンタテインメントステージです。

今回、2月3日(月)から開催される『THE EMPTY STAGE GRAND 2020』の『ONE-MAN TALK SHOW』に出演する千原兄弟・千原ジュニアと『IMPROVE SHOW featuring The Second City』に出演するバッファロー吾郎・竹若にインタビュー。ともにデビュー30年を迎えた同期の2人に、このステージの魅力や、お互いが歩んできた道のり、舞台への思いなどを聞きました。

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マイナー同士団結していたはずが……!?

――お二人はNSC8期の同期で付き合いも長い間柄だと思いますが、そもそもの第一印象は覚えていらっしゃいますか?

ジュニア「最初に会ったのいつやろう……。クラス別やったよな?」

竹若「うん。ジュニアは変則的な入り方してるんで」

ジュニア「そうそう。クラスが二つに分かれてて、違うクラスやったんですよ。みんな4月から入ってて、俺は6月ぐらいからやったけど、夏ぐらいにもう人数減ってきて、2クラスが一緒になるみたいなときに初めて会ったと思いますね。俺が15歳のとき」

竹若「なんとなく、お互いのクラスの噂を集めてくるやつがいて、“なんか向こうにはすごいやつがいるぞ”みたいなんは聞いてましたね。それぐらいの情報しかなかったので、第一印象としては“すごいやつやな”という感じはなかったですね」

ジュニア「フェードインって感じやったね。じわーって」

――クラスが一緒になってからは?

ジュニア「俺のイメージではすぐ仲良くなって」

竹若「うん」

ジュニア「で、その頃俺が(兄で相方の)せいじと住んでたところを出て、そこに竹若が入って、相変わらずその家がずっと我々の溜まり場になって」

――その頃はどんな風に接していらっしゃったんですか?

ジュニア「俺が生意気やったっていうのもあるんでしょうけど、そんなに“年若いから下”みたいな感じじゃなくて対等な感じでいてくれてましたね。竹若に限らずFUJIWARA(原西、藤本)とかなだぎ(武)とかみんなそうでした」

竹若「やっぱりお笑いを目指してるメンバーなので、年齢とかじゃなく、みんなが持ってるものを感じ合って、みたいな部分があるので。お互い“おお、あいつええやん”みたいな感じでリスペクトしあっていましたね」

――じゃあアツい話なんかも?

2人「いやっ……(笑)」

ジュニア「それはなかったですね」

竹若「道がなかった時代なんですよ。(心斎橋筋)2丁目(劇場)もギリギリ復活したぐらいで、“ここのルート行ったら売れるぞ”っていうのもなくて」

ジュニア「うん」

竹若「明確に“あそこで名前上げたるねん”みたいなこともなかったので、とりあえず“どうやったら自分たちのイベントできるんやろう”みたいな感じでしたね」

――焦りみたいなものはありました?

ジュニア「いや、全員同じく仕事がなかったんでね。メジャーとマイナーみたいな感じで、FUJIWARAとかがメジャーチーム、我々はマイナーチーム。マイナーはマイナー同士で一緒にいるから、全員仕事ないし、全員お金ないし」

竹若「ふふふっ」

ジュニア「だから焦りはなかったですね」

竹若「ねぇ」

――そんな中で、だんだんそれぞれの道を行き始めるようになって。

ジュニア「その後天然素材(※ユニット・吉本印天然素材。’91年9月結成)が始まって、バッファロー吾郎の2人がそこに入ったときに全員焦り出すんですよ。“いやいやお前マイナーいたくせになんでメジャー行くねん”って」

竹若「(笑)」

ジュニア「“話ちゃうやんけー!”って。俺らも一応天然素材のオーディションに呼ばれてネタやったけど“不合格”って言われて、“なんでや?”って聞いたら“汚すぎる”って。そのときせいじが“バッファロー吾郎もやん!”って……」

竹若「あははは!」

ジュニア「天然素材からバッファロー吾郎を引きずりおろそうとした」

竹若「自分が受からんかったから(笑)」

――竹若さんのほうは、天然素材をやられている当時どんな心境だったんですか?

竹若「ようわからんままオーディション受けて、ようわからんまま受かって、なんで自分らが受かってほかのメンバーが落ちてるかっていうのもわかってなくて。で、いざプロジェクト始まったらダンスやらなんやらさらにわけわからんことになっていって。

でも番組やらなんやらトントン拍子で進んでいったので、今考えたらもったいない時期でしたね。当時はわけわからんままやってしまっていた部分があったので、それをちゃんと“何かにつながるかもしれない”って考えながらやってたらもっと意識も違ったんでしょうね。

やりたいこともある程度はやれてたんですけど、前よりかは出来なかったりっていう部分もあったので、僕らは僕らで千原らが大阪で頑張ってる姿っていうのもちょっとうらやましかった。天然素材の僕らのほうが迷走している部分がありましたね」

――本当にやりたいことができない、みたいな?

竹若「何やっても(観客が)“キャーッ!”ってなるんですよ。これ絶対わからんやろっていうことを言っても“キャーッ!”ってなるんで、何がなんだかわからんみたいな感じでした」

――その「キャーッ!」に気持ちよくはならなかったんですね。

竹若「ならなかったですね。逆に気持ち悪かったです。全然楽しないなって」

――その頃、プライベートで交流というのは?

竹若「僕ら自体は仲が悪いということもなく、会社の2丁目の担当者と天然素材の担当者がバチバチしていただけだったので(笑)」

ジュニア「うん。その頃まだ(竹若は)せいじと住んでましたからね。俺らは大阪にいて、天然素材の番組も関東でしか流れてなかったから、噂しか聞いてなかったんです。

で、たまに東京から帰ってくる竹若が、ファンからのプレゼントを両手に抱えてるんで、それを俺とせいじが漁って食べれるもんは全部食べるっていう。

あの頃竹若のスケジュール帳見たらカタカナで“ケイコ、ケイコ、ケイコ”って書いてて、俺、せいじと“竹若よかったな、彼女出来て。しょっちゅう会うてるやん!”って言うて」

竹若「アッハッハ!」

ジュニア「もう大恋愛してるのかな思て。まさか(“稽古”で)踊ってる思へんから……。その後、竹若がせいじと住んでたところを出て」

竹若「でも、草野球とかは一緒にやってて」

ジュニア「そうそう」

竹若「『(居酒屋)たこしげ』っていう居酒屋にみんな通っていたりもしたし」

ジュニア「それで、関西テレビで大喜利の番組が始まるっていうときに、2丁目を仕切ってたプロデューサーに“大喜利やるんやったらバッファロー吾郎入れてくれ”って言われて。それがけっこう珍しいパターンだったんですよ。“天然素材の人間が(大喜利番組に)出るんや”みたいな」

竹若「そうねぇ」

ジュニア「で、そこから、俺らが司会してたネタ番組にFUJIWARAが来るようになったり」

竹若「FUJIWARAもそうやね。オーディション受けるところからやって」

ジュニア「それで一緒になったぐらいで、そのすぐ後に俺らはもう東京に行って」

竹若「今度は逆に、FUJIWARAとか俺らが大阪でbaseよしもとっていうところを盛り上げていくみたいな感じになりました。そういう流れで、当時は一緒になることがなかなかなかったですね」

竹若は「吉本一の人格者」

――いろんな時期を経て今があるのですね。お互いのことについてはどうご覧になっていますか?

ジュニア「竹若は吉本一の人格者やと思ってます。若い頃からそうですね。人に対する怒りとか妬みが一切ない人なので。だから後輩やいろんな芸人がついていくのもわかりますね」

竹若「ジュニアは昔からネタ的なことに関しては同期の中でも飛び抜けていた部分がありました。それでいて僕らの中ではやっぱり子供やなっていう部分もあり。昔はセンスの塊みたいなところで受け付けないみたいな人もいたと思うんですけど、今は人間味含めていろんなこと表現できているので、すごく入ってきやすくなったんじゃないかなと。

よく“丸くなった”とか言われますけど、人間味をまといながら表現できているのがかっこいいことやなと思ってますし、いい成長の仕方してるなと思っています」

――根本的な部分では昔から変わらないですか?

ジュニア「そこは変わらないですね」

竹若「大人にはなってると思いますけどね。フジモン(藤本)がぎゃあぎゃあ言うことが昔より腹立たしくなくなってるとか(笑)」

――’19年はお二人にとってデビュー30周年イヤーでしたが、迎えてみていかがですか?

ジュニア「30年もやれるとは昔は思ってなかったですね」

竹若「うん」

ジュニア「入った頃は(仕事がなくて)どうやってお腹を満たすんやみたいな感じでしたから」

竹若「振り返ってみると、仕事というより人が思い出されますね。いい人にもたくさん出会ったし、なんやあいつみたいなものがモチベーションになったこともあるし(笑)。自分も含めて“人”が印象に残る年月でしたね」

――長く続けるためにどんなことに気をつけられていますか?

ジュニア「意識したことはないけど、何事に対しても“絶対にこうあるべき”みたいなことを持たないことですかね」

竹若「そういう部分は大きいかも。女子高生の間で何かが流行ってると聞いたとき“わからん”で済ませることもできるけど、流行ってるということは何かしらのパワーがあるんやなって思って、少しでも興味を持って否定しないっていう。それがいろんなものに繋がっていく気がします」

――そして今回お二人が出られる『THE EMPTY STAGE』ですが、このステージはお客さんからお題を振られてそれに応える形で行なわれますね。ジュニアさんはお一人でのトークですが、これまでのお題で何か印象に残っているものはありますか?

ジュニア「毎回、そのときの時事ネタが多いですね。しゃべりやすいのは、一般の人が“こんなん聞いてええのかな、ええい聞いたれ”みたいなものかもしれない。“闇営業”とかね。まぁお客さんやから何書いてもらってもいいんですけど、“これで何しゃべれ言うねん”っていうのはたまにありますね」

竹若「特にジュニアの場合は“これでどう出てくるか”っていう、お客さんからの挑戦みたいな部分もあって」

ジュニア「ああー」

竹若「それに対してズバーンといいトークで返してきている実績があるので、ちょっとそういうのが多いのかもしれないですね。人によってはすごくゆるい、“好きな食べ物は?”みたいな質問のときもありますから。ジュニアはピリピリした感じでできているので、ほかの出演者も舞台袖で見ていますね」

――竹若さんはチームでのコントですが、これまでで印象に残った出来事というのは?

竹若「僕らは泥臭く転がりながら、お客さんと気持ちを共有しながら作っていくみたいな感じなので、思いついた流れでボンボンみんなで積み重ねてじわじわ方向をゆがめていこうみたいな作り方ですね。照明が落ちるハプニングが起こったときもあったんですけど、そこを活かして楽しんで。ある地方の公演で、その会館の駐車場が早めに閉まってしまうっていうことで、車で来ているお客さんがどんどん帰りだしたことがあったんです。そういうときも、それを交えて即興劇にして、すごく楽しかったです。アクシデントがアクシデントにならないっていうのが『THE EMPTY STAGE』の良さだと思います」

ジュニア「コントは見ていて楽しそうだなって思います。出るとこ出るし、引くとこ引くみたいな、大人なコント集団っていう感じですよね」

竹若「作りとしては人が言ったことを否定せずにどんどん採用してあげようよっていう感じなんですよ。採用していくと普通のことでも言いやすくなるじゃないですか。“これ言ったら否定されるかな”とか思ってしまうと、せっかくのいいアイデアも言えなくなるので、そういうことをなくそうっていうトレーニングをしてるんです。

なので、普通やったらツッコむようなところも一切なくして、芸人にとっては身体にしみこんでいるものの真逆をいっている。そこはちょっといつもと勝手が違うかもしれないけど、その分、“この人言うこと全部拾ってくれるな”とか“自分の言ったことが起点となって誰かがシュートしたのがうれしい”みたいなチームプレイの楽しさができるので、先輩後輩関係なく仲良くなれますね」

――ジュニアさんはコントのほうに出ようというお気持ちは?

ジュニア「もう長いことやってるので、チームワークがありますからね。今更俺が入っても邪魔でしかないかなって」

竹若「いや、大丈夫やと思う(笑)」

舞台に出るのは自然なこと

――この『THE EMPTY STAGE』をはじめ、お二人はデビューから今に至るまで絶えることなく舞台に立たれていますが、ご自身にとって舞台とはどういうものですか?

ジュニア「一番最初が舞台ですからね。テレビから始まっていたらやってないんでしょうけど、舞台から始まってずっと舞台しか出てない時期もあったから、“精力的に舞台をやっている”という感覚もないですね。テレビはテレビで面白いし、舞台は舞台で面白いし」

――舞台ならではの良さというのは?

ジュニア「お客さんの笑い声がダイレクトに来るっていうことに尽きるんじゃないですかね」

竹若「まったく同じですね。やっぱり舞台は舞台で楽しいし、勉強になることもいっぱいありますし、それはテレビも同じくで。だからどっちかだけに絞ってやるっていうのはもったいないと思います」

ジュニア「テレビはなくなることがありますけど、舞台は自分がやるって言った限りは仕事がなくなることはないですからね。まぁお客さんが来てくれたらの話ですけど」

――舞台への愛は強いですか?

ジュニア「ないですね、別に(笑)」

竹若「ハハハハ!」

ジュニア「そんなことも思わないぐらい自然にやっているという。でも『チハラトーク』なんか毎月やから、それに3,000円とか払って500人、600人の方が来てくださるっていうのはホンマに感謝してます」

竹若「今はなんでもただで見られる時代ですからね。そんな中、わざわざお金払って時間作って来てくださるっていうことに対して、昔よりすごくありがたく感じるようになってきています。そういうところに向けていろいろ提案していきたいっていう気持ちはより強くなってきていますね。

『THE EMPTY STAGE』も同じで、いずれは常設小屋みたいに、いつ来ても誰かしらが演目をやっているというものにしたくて。そこを目指して1公演1公演やっていけたらと思っています」

『THE EMPTY STAGE』

『THE EMPTY STAGE GRAND 2020』公演概要

日時:2月3日(月)~8日(土)平日19:30公演 土曜日11:30公演/15:00公演
会場:新宿FACE(東京都新宿区歌舞伎町1-20-1ヒューマックスパビリオン新宿歌舞伎町7F )
料金:前売3,900円/当日4,300円
※別途1ドリンク制
※全席指定席

■ONE-MAN TALK SHOW
千原ジュニア(千原兄弟)
博多華丸(博多華丸・大吉)
河本準一(次長課長)
RG(レイザーラモン)
濱家隆一(かまいたち)
川西賢志郎(和牛)
昴生(ミキ)

■ロング即興ショー
≪チームA≫
竹若(バッファロー吾郎)
山本(ロバート)
久保田(5GAP)
宮平(セブンbyセブン)
松浦(スパイク)
小川(スパイク)

≪チームB≫
修士(2丁拳銃)
林(かたつむり)
ひるちゃん(インポッシブル)
えいじ(インポッシブル)
辻井(アイロンヘッド)
ナポリ(アイロンヘッド)

≪チームC≫
森本(ニブンノゴ!)
大川(ニブンノゴ!)
玉城(セブンbyセブン)
坂田(サンシャイン)
信清(サンシャイン)
かなで(3時のヒロイン)

■ショート即興ショー
≪チームD≫
熊谷茶(ガリットチュウ)
イチキップリン
池田(レインボー)
ジャンボたかお(レインボー)
谷口(フースーヤ)
田中ショータイム(フースーヤ)

≪チームE≫
岩橋(プラス・マイナス)
兼光(プラス・マイナス)
黒沼(ボーイフレンド)
宮川(ボーイフレンド)
西村ヒロチョ
おばたのお兄さん

≪チームF≫
トニーフランク
のぶひろ(大自然)
ロジャー(大自然)
ファルコン(バビロン)
ノリ(バビロン)
千葉(バビロン)

【公演スケジュール】
2月3日(月)19:30公演  博多華丸(博多華丸・大吉)チームC+チームD
2月4日(火)19:30公演  昴生(ミキ)          チームA+チームE
2月5日(水)19:30公演  河本準一(次長課長       チームC+チームF
2月6日(木)19:30公演  川西賢志郎(和牛)       チームB+チームF
2月7日(金)19:30公演  千原ジュニア(千原兄弟) チームB+チームE
2月8日(土)11:30公演  濱家隆一(かまいたち)  チームA+チームD
2月8日(土)15:00開演  RG(レイザーラモン)    チームA+チームF

詳しくは公式ウェブサイトをチェック!
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