ヒントン・バトルと吉本興業によるダンスアカデミーであるヒントン・バトル ダンスアカデミー(以下、HBDA)。2017年に開校し、4期生オーディションを開催中の今、ヒントンにインタビューを行ないました。

出典: ラフ&ピース ニュースマガジン
HBDAの大きな特徴は、ミュージカルの本場・ブロードウェイにて数々の舞台に出演し、トニー賞に3度も輝いた経験を持つヒントンが吉本興業とタッグを組んで展開している、“世界的ダンサー養成アカデミーである”ということ。オーディションに受かれば、ブロードウェイやハリウッドで活躍する世界トップクラスの講師による授業を、3年間無料で受講可能です。
ここで学んだ1期生は世界的歌姫のバックダンサーを務めたり、日本の著名なミュージカルに出演したりするなど、すでに様々な場所で活躍を見せています。
そこで、ヒントンにこれまでの3年間のスクールの成果や今後の展望についてインタビューを実施。笑顔を交えながら、熱いまなざしでこのスクールにかける想いを語ってくれました。
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ヒントンが断言「世界広しと言えども、こんな学校はない!」

出典: ラフ&ピース ニュースマガジン
――HBDAの他とは違う特徴を教えてください。
まず、「ヒントンの名前でスクールを作りたいんだ」という話をもらったとき、素晴らしいアイデアだと思ったし、素直にうれしかったんです。このスクールの存在は、私にとってはもちろん、日本のダンサーにとっても本当に素晴らしい機会になると確信していたので。
そんなHBDAの特徴、それは「自分がどのようにダンスを学んできたか」をベースにした学校であるということ。
自分がどのようにキャリアを築いてきたかを思い出しながら、多彩なカリキュラムを組み、授業を行なっています。いろんなレッスンを通して、ダンスにおけるボキャブラリーを増やし、いろんな身体表現ができるだけのベースを作ることを目的としています。
――スクールの軸になっているバレエ、モダン、HIPHOP、リズムタップ、この4つのダンスのジャンルがまさにご自身がダンスを学んできたうえで必要だったと?
まさにその通りです。ダンスは多彩なほうがいい。でも、多くのダンサーがどれかに特化してしまい、一つしかできない。バレエのみ、HIPHOPのみ、そうなってしまうとどうしてもダンサーとしてのキャリアが制限されてしまいます。
時代とともにダンスも変化していきます。その時代に合わせて、オールマイティになんでもできることによって、より息の長いダンサーになることができる。さらに、その時代の主流にあわせた振付師のような仕事もできる。これもまさに僕の人生そのものと言えるでしょう。
さらに、バレエ、モダン、HIPHOP、リズムタップのダンス4つはもちろんですが、歌やアクロバット、演技など様々なプログラムも揃えています。
このようにダンスを軸にしつつ、様々な角度から学べるダンスアカデミーは日本はもちろんのこと、世界のどこを見ても存在しないでしょう。高いレベルで、すべてを経験できて、学べるというのは、世界中どこにもない。それを自分で誇りに思っています。
――現在3期生までいて、1期生は2020年3月に卒業を迎えるわけですが、生徒たちの成長をどのように感じていますか?
今のところ、思い描いていた通り、素晴らしいものです。
3年目を迎えた彼らの成長と自信は本当に素晴らしいものになっていますし、日本でミュージカル出演のオーディションに合格し、プロへの第一歩を歩み始めた人もいます(卒業生の活躍は下部参照)。
日本でのキャリアがスタートしたことは喜ばしいことですし、生徒たちもとりあえず日本から活躍の場を広げようという感じではありますが、実力的に言えば、すぐにでも国際舞台に戦いに行ってほしいですし、ブロードウェイのあるアメリカでも戦えるだけの準備は整っている。ぜひグローバルに活躍できる人材になっていってほしいと思っています。
3年間のカリキュラムは決して簡単なものではなく、それに耐えたということは胸を張っていい。それがまさに自信となり、成長の証と言えるでしょう。生徒たちと話すと、みんな心から今の状況を喜んでいて、一つに限らず、二つ、三つと仕事が入り始めている。本当にみんなのことを誇りに思います。
――ヒントンさんから見て、生徒たちは例えるなら、どんな存在と言えますか?
一言でいえば“ヤングアダルトダンサー”ですね。年齢的に大人ではあるけれども若くて、未熟という意味です。
入学当初の彼らは業界のこともまったく分からないし、キャリアをどう形成していくべきなのかもわからないような子たちでした。そんな0からの状況からキャリアをスタートさせる生徒たちを正しい方向に導くことが私の役目と言えるでしょう。彼らの技術、そして精神面の成長のために、HBDAが存在していると言っても過言ではありません。
オーディション合格のカギは「自分を愛すること」

出典: ラフ&ピース ニュースマガジン
――2月には第2回4期生オーディションを控えていますが、HBDAではどんな人材を期待しますか?
まず何かしらかのダンスをしていたという経験。HIPHOPしかやったことがない、バレエの経験のみ、それは全然問題ないので、とにかくダンスの経験はマストと言えます。
そして、期待することを挙げるなら、まずは成し遂げようとする意欲、そして勤勉さ、日々進歩する気持ち、さらに互いの中でも競争心を持って取り組むこと、何か問題があれば抱えるのではなく周りの人と話すことなどが必要と言えるでしょう。
とにかく“自分を愛すること”が大事です。ダンサーとしての自分ももちろんですが、人として自分の身体と向き合い、大事にする、そして自分の感情がどんな状況にあるかなどに気を配り、自信をもって自分を愛することが大事。
今、挙げた項目はいずれも非常に大事なこと。これらによってダンサーとしての成長が期待できるだけでなく、人生を変える、自らのアイデンティティを変えることもできるはずです。
――ダンサーとしてだけでなく、人間としての成長ができるスクールであるわけですね。
その通りです。スクールは成長する場であり、チャレンジする場ではありますが、ただダンスを学ぶだけではない。
いろんなパーソナリティとどう向き合うか、仲間内の中でも競争心を持つ中で、互いの人間関係をどのように築いていくべきなのか。そういうことも学ぶ場なのです。カリキュラムにそんなことは一言も書いていませんが、目的としてはそれも含まれています。今後、プロとしていろいろな場所で揉まれていく中でそこはきっと必要になるからです。
――ずばり、日本の生徒のレベルはどうでしょう?
答えるのがとても難しい質問ですね(笑)。正直、レベルには毎回、驚かされてしまいます。バレエを8年間やっていたという子が“この程度なのか”ということが多々あるからです。
僕も日本のダンス業界はどういうものなのかを日々勉強していますが、トレーニングし直さなければならない生徒も多いのは事実です。基本的には、ダンサーとして濃密な数年を過ごせば十分な勉強はできるはず。だから、HBDAでは3年間をみっちり鍛え上げるカリキュラムを組んでいるのです。
ただ、日本人の素晴らしいところは決めたことをやり遂げようとする気持ち、意欲の高さ。それは素晴らしいと思います。
――スクール開設から3年がたち、4期生のオーディションを行なう今、今後の展望はどのように考えていますか?
やりたいことはたくさんあります。しかし、中でも、私の仕事のひとつとして、日本におけるダンサーたちの土壌を切り開かねばならないと感じています。
日本国内で活動するダンサーに人生を切り開けるほどの仕事があるかというと、そこまでダンサーとしてキャリアと呼べるものがないのではないかと常々感じるのです。その点から、この業界自体を変えたいという想いを強く持っています。
ダンサーとして、ダンスで夢を描いて活躍する未来がきちんと存在する形にしなければならない。そのためには、ダンサーのイメージも変えていかねばならない。ダンサーが主役となれるような作品や場所というのを作ってあげたいと思っています。
このアカデミーからも非常にスキルの高いダンサーがどんどん輩出されていきますが、日本国内にはそのスキルを活かす場がない。それで終わってはスクールを作った意味がなくなってしまう。だからこそ、自分で業界を変えるという大きな部分も視野に入れつつ、ダンサーが活躍できる場を作っていきたいと思っています。
生徒たちはみんな本当にがんばっているんですよね。その姿を見ると、自分も彼らのために何かしなければと思うわけです。
――最後にメッセージをお願いします!
今も、そしておそらく今後もずっと私の中で一番にあるのは“HBDA”です。
生徒たちの目が変わる瞬間があるんですよね。ダンサーとしての希望が見えた瞬間だったり、自信を得た瞬間だったり。そういう瞬間に立ち会えるというのは何事にも代えられない喜びであると噛みしめているので。
私の心は日本に、そしてHBDAにあります。今後もHBDAがたくさんのダンサーの可能性を切り開く第一歩となる場所になってくれたらと心から思っています。
本場・ブロードウェイにて輝かしいキャリアを積んできたヒントンが発する、重みのある言葉の数々。熱いメッセージを受け取り、興味を持った人はぜひともHBDAの門を叩いてみてください。
ヒントン・バトル ダンスアカデミー(HBDA)
出典: ラフ&ピース ニュースマガジン
★HBDA DANCERの活躍抜粋
ジェイソン・デルーロのバックダンサーとしてワールドツアーに帯同、ジャネット・ジャクソンのバックダンサーとして活動/ミュージカル『ボディガード』『ウエスト・サイド・ストーリーSeason2』『ヘアスプレー』『ミス・サイゴン』『ニュージーズ』『ピサロ』に出演決定など多数!
第2回4期生オーディション
【応募期間】
大阪会場:2020年2月13日(木) 東京会場:2020年2月20日(木)
【日程】
大阪会場:2020年2月15日(土)・16日(日) 東京会場:2020年2月22日(土)・23日(日)無料ワークショップ
【日程】
詳細はコチラから
2月1日(土)福岡
2月2日(日)大阪
2月8日(土)沖縄
2月11日(火・祝)東京
【会場・時間】
後日発表
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