11月24日(日)、東京・武蔵野総合体育館にて「ボッチャ東京カップ予選会」が開催され、よしもとパラスポーツ部に所属するイダリアン、たまちゃん、カエルサークル・ソイ、てるちゃんちえちゃん・鈴本ちえが参加しました。

2019年3月に始動した「よしもと部活動プロジェクト“ブカツ!”」。趣味や特技で人がつながり、新しい居場所を作ろうというプロジェクトです。現在の部活総数は85という本プロジェクトですが、今回はその中の「パラスポーツ部」にスポットをあて、パラスポーツ部が参加したボッチャの大会(予選会)の模様とメンバーインタビューをお届けします。

初戦はビギナーズラックで奇跡の勝利!

まずはボッチャ予選会の模様から。この日の予選会では、A~Dの4チームの中から試合を勝ち抜いた各1チームが準決勝にコマを進めるというトーナメント戦で行われました。

ボッチャとは、ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青それぞれ6球ずつのボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりしていかに近づけるかを競う競技。男女の区別なく、団体戦の場合は3対3のチーム戦で行われます。

予選の2試合に勝てばチーム内の決勝に進めるという中、最初の試合に挑んだ「よしもとパラスポーツ部」。ボッチャに関してはほとんどズブの素人メンバーですが、ビギナーズラックともいうべき奇跡のラッキーさで勝利をおさめます。

しかし2試合目は苦戦し……

第2試合はイダリアン、たまちゃん、ソイの3人でスタート。最初は交互にボールを投げるのですが、そのあとはジャックボールに遠い方のチームが相手チームより近くなるまで投げ続けます。最初はどちらもジャックボールに近い位置にボールを投げ、いい勝負かと思われたのですが、徐々に劣勢に……。

途中からたまちゃんに代わってちえが入ります。足が悪いため、座ってボールを投げるちえ。続いてソイがジャックボール近くにボールを投げ、拍手が起こります。しかし次に相手チームが投げたボールにあっさり抜かれてしまい、次の一投について相談し合うよしもとチーム。考え抜いて投げられたボールだったのですが、願いむなしくジャックボールからは離れてしまい……。

結局、前半で相手が取った3点を上回ることができず、相手チームの投げるボールが3個残ったまま試合はジ・エンド。試合時間13分であっさり負けてしまいました。

試合終了後、よしもとパラスポーツ部の4人に話を聞きました。

イダリアン「浮かれてたらボロ負けしました(笑)」

たまちゃん(左上)、イダリアン(右上)、鈴本ちえ(左下)、ソイ(右下)
出典: ラフ&ピース ニュースマガジン

ーーボッチャ東京カップ予選会、お疲れさまでした! 出場された感想はいかがでしたか?

イダリアン 初めてのパラスポーツ部の大会参加ということで、ちゃんと練習もできてない中で「戦えるのかな?」という不安しかなかったんですけど、1試合目、奇跡的に勝てまして(笑)。1試合目でみんなのミラクルショットが出て浮かれてたら、2試合目でボロ負けしました(笑)。でもとにかく楽しくできてよかったです。

たまちゃん でも、「初参加です」って言ったら対戦相手なのに手取り足取り教えてくれて。教えてもらいながら戦いの中で成長して、教えてくれた人に恩返しとして勝つっていう……(笑)。なので正直「2回戦もいけるな」って思ってたんですけど、そんなに甘くはなかったです。

ちえ ボールを近くに投げられたからって勝負が決まるわけじゃなくて、最後の最後までわからないところや、駆け引きがすごく面白いなと思いました。

ソイ 個人的にはパラスポーツをするのも初めてだったんですけど、たぶん素人も玄人も同じフィールドで戦って、ミラクルもありつついい戦いができたので、ボッチャは健常者や障がい者に関係なく、いろんな年齢の人も楽しめるから、もっと広まっていいのにな、とか、もっとやっていきたいなって思いました。

ーー確かに、初心者とベテランの差があまり出にくいような気がします。誰でも始めやすいスポーツというか。

ソイ きっとそういうよさもあって1回戦では勝てたんですけど、2回戦になったら「あ、これは練習を積んでる人が強いんだ」っていうのが見える部分もあって。スポーツとしてのおもしろさもあるし、自分たちみたいなヘタなチームでも奇跡が起こるおもしろさもあるし、そこがすごく楽しかったですね。

パラスポーツはおもしろくて深い!

ーー今年の3月にパラスポーツ部が立ち上がってからしばらく経ちますが、立ち上げたきっかけは?

イダリアン 来年に東京オリンピック・パラリンピックが迫ってる中で、パラスポーツを広める場所っていっぱいあると思うんですけど、よしもとの中でチームとして参加できるようなものがあればいいなと思ったのと、パラスポーツが広まらないとパラリンピックが盛り上がっていかないので、「盛り上げていこう!」という気持ちで設立しました。

ーーふだんはどんな活動をされてるんですか?

イダリアン パラスポーツの大会って結構やってるんですけど、そういう大会をみんなで観に行ったり、今日のような大会に参加したり。まだできてはいないんですけど、今後は勉強会なんかもできればいいなと思ってます。

ーーパラスポーツの魅力はどんなところにあると思いますか?

たまちゃん みんなの思うパラスポーツって、普通の競技より見劣りするんじゃないかというイメージが多少なりともあると思うんですけど、障がい者のスポーツだからこそ、短距離走なんて健常者より早いスピードで走りますし、車イスバスケもめちゃめちゃぶつかり合いがすごくて、火花が散ってたり。ブラインドサッカーなんて、絶対健常者だったら入れられないようなシュートをバンバン決めますし、ホント「すごい!」の一言に尽きるというか。

イダリアン ルールが違う普通のスポーツみたいな。

たまちゃん そういう独立したスポーツという感じなんですよね。おもしろいし、深いなと思います。

イダリアン パラスポーツって、ルールを柔軟に変えたりして、障がいが重い方でも工夫して楽しめるようになってるんです。だから、一人ひとり違う障がいがある選手に対して、どう工夫していくかというところにもパラスポーツの魅力はあると思います。

大会を主催したい!

ーーパラスポーツ部として、今後どんな活動をしていきたいですか?

イダリアン 来年がパラリンピック本番で、パラリンピックの会場を満席にしたいので、そこに向けてみんなの意識がパラスポーツに向くような活動をしていきたい。たとえば、大きく言えば今日みたいな大会をパラスポーツ部主催でできたらな、って。そうすれば権限で優勝もできますし(笑)。

全員 (笑)。

たまちゃん “よしもとパラスポ杯”ですね。

イダリアン 「僕らが1勝すれば優勝」みたいなトーナメント表を作って勝ちたいです(笑)。

たまちゃん 僕とイダリアンさんは障がい者スポーツ指導員の資格を持っているので、今後そういうイベントをいっぱい開きたい。お子さんたちはパラスポーツに興味を持って楽しんでくれるんで、家族連れの方たちを巻き込んで、パラスポーツに興味を持ってもらって、パラリンピックを観に行ってもらいたいですね。

イダリアン メンバー的には、指導員の資格を持ってる2人と、手話が通訳レベルのソイと、自身もちょっと障がいがあるちえと、子ども向けのネタを得意とする“2人のトイボックス”っていう、一応パーツはそろってるので(笑)。(※2人のトイボックスはこの日は欠席)

たまちゃん ちなみに、2人のトイボックスは『おはスタ』に出るために芸人やってるコンビなんです(笑)。

ーーソイさんは、手話がお得意というのは何か理由があるんですか?

ソイ 手話を勉強したきっかけは、高校のときに友達と話したかったからなんです。授業中って私語厳禁じゃないですか。しゃべってると怒られるんで、友達と「手話覚えよう」って一緒に勉強し始めたらおもしろくなって……。

イダリアン そんなきっかけあるんですか(笑)?

ソイ なので、「聞こえない人に伝えたい!」とか「ドラマを見て感動して」とかではなくて、ただ友達と会話したかっただけなんです。

ーーそれ、バレなかったんですか?

ソイ いえ、最終的には「手話厳禁」という紙が教室に貼り出されちゃいました(笑)。

ーーでも、それがお仕事にもつながってるなんてすごいですね。

ソイ そうなんです。今、よしもとの部活プロジェクトで「よしもと手話部」の部長もやらせてもらってるんですけど、ぜひパラスポーツ部と交流して、2020年に向けて一緒に活動ができたらいいなと思ったのでパラスポーツ部の方にも入らせていただいて。

2021年のデフリンピックも盛り上げ、2024年にはパリへ

ーーでは、ソイさん個人として今後やってみたい活動はありますか?

ソイ パラスポーツ部で2020年のパラリンピックを盛り上げたいのはもちろんですけど、今日初めてパラスポーツに参加してみて、やってみないとわかんないなって思ったり、おもしろさに初めて気づいたりしたので、ただ「こういうイベントがありますよ」ってお知らせするんじゃなくて、自分からどんどん参加して、それをみなさんにお伝えした方がいいなと思いました。それと、どんな障がいを持った方にも伝えられるようにしたいな、って。このメンバーだからできる活動として、障がいのある方と健常者をつなげられたらと常々思ってます。

イダリアン パラリンピックとは別に、デフリンピックっていうのもあるんですよ。

ソイ 聴覚障害者のスポーツの祭典のことなんです。

イダリアン パラスポーツ部はそれにも対応できるぞ、っていうのもあります。

ソイ デフリンピックはオリパラとは開催時期が違うんですよ(次回開催は2021年夏季デフリンピック)。だからより知名度もないし、みなさんに知っていただく機会も少ないので、手話部の方では「デフリンピックがんばろう!」というのもあります。なので、どちらも盛り上げられたら嬉しいなと思ってます。

ーーちえさんは今後どういった活動をしていきたいですか?

ちえ 私自身も少し足が悪いんですけど、パラスポーツって階級別に細かく分かれているので、そこがフェアに戦えてありがたいなと思っていて。今パラリンピックの競技からは外れてしまったんですけど、CPサッカーという7人制のサッカーがありまして、それが私の障がいでもある脳性まひの方たちのスポーツなんです。そちらの方にも参加したいなというのと、2020年もそうなんですけど、2020年以降もパラスポーツの魅力が伝わるように、自分も参加して活動していきたいなと思います。

ーーでは最後に、部長のイダリアンさんに今後の抱負をお願いします。

イダリアン 来年、東京に部として関わりがもてたらいいなって思ってます。そして、その4年後は(オリパラ開催地が)パリなので、パリに行きたいですね。

ーーちなみに、部員を増やしたいという思いはあるんですか?

イダリアン パラスポーツを広める意欲のある人なら全然受け入れたいですね。

たまちゃん 今なら部長がパリへの渡航費を出してくれるそうなんで(笑)。

イダリアン (笑)。レート次第では考えます!

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