10月30日(水)、なんばグランド花月(以下、NGK)にて寄席イベント『Top of Namba Grand Kagetz』が行なわれました。

「未来のNGKを支える芸人たち」をテーマに海原やすよ ともこ(海原やすよ、海原ともこ)がセレクトし、自身が中川家(剛、礼二)と共にトリを務める2部構成のこちらのイベントは、昨年12月に開催された第1回が大好評!

「第2弾、第3弾と続けたい」と話していた本公演の第2弾がついに実現し、名実ともに将来が楽しみな精鋭たちが会場に集いました。

チケットは早々に完売し、立ち見エリアは立錐の余地もないほどの盛況ぶり。若い世代の姿も多く、客席も舞台と同様に未来のNGKを支える担い手たちが揃いました。

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トップバッター・衹園から1部がスタート!

1部のトップバッターには、前回に続き衹園(木﨑太郎、櫻井健一朗)が登場しました。ゴールドのスーツに身を包み、舞うように飛び出してきた木﨑とは対照的に、落ち着いた足取りでセンターマイクへと向かう櫻井。「トップバッターやから、頑張っていきましょう」と気合十分です。

ネタの題材は学生時代、運動会やデートなど、“あの頃の思い出”。“動”の木﨑と“静”の櫻井が、鮮やかなコントラストで華々しくイベントの幕開けを飾りました。

アインシュタイン(稲田直樹、河井ゆずる)は反転した色使いが特徴的なお揃いのスーツで登場。河井の名前を呼ぶ声が四方八方から聞こえる中、稲田は誰に手を振りかえそうかとあたふた。

「マリンデートがしたい」という稲田は、海上の波を体で表現し、その臨場感が客席にも伝わってきます。続いて「確実にきれいな奥さんをもらう方法」を語り始める稲田。悪い考えや謎の理論が止まらない稲田の横で、冷静沈着な河井。アインシュタインらしい世界観で会場を楽しませました。

独自の色を放つのは令和喜多みな実(野村尚平、河野良祐)。芸歴12年目の2人ですが、漫才はオールドスタイル。長台詞をよどみなく流ちょうに、強弱、緩急つけながらまくしたてる野村の話芸は見事で、まるで昭和の演芸場に迷い込んだよう。そこに河野が一言を添えてさっと現代へ引き戻します。

昭和から令和へと時代を行き来したような、時間旅行も楽しめる漫才を披露しました。

続いてスーパーマラドーナ(田中一彦、武智)が登場し、田中は開口一番、昨年の『M-1グランプリ2018』で一気に知名度を上げたギャグ「テッテレー」を披露。会場が沸いたところで表情が急変し、「いや~な話してもいいですか……?」と、じめっとした空気を連れ込んできます。

しかし、その後のエキセントリックな言動に空気は弾け、舞台でしか聞けないネタを連発。また武智による“ヤンキー指導”が行なわれるなど、ここでもNGKが揺れるほどの大爆笑が起こりました。

1部のトリは海原やすよ ともこ!

1部のトリは海原やすよ ともこです。今年の衣装はブラウンベースのチェックスタイル。「2回目ですが、ほんまにあたたかいお客さんでうれしい」とやすよ。「去年1回目をやったときよりも今年のほうがお客さんが元気!笑い声が違う!」とフレッシュな客席を見てニッコリします。

そして「匂いも違う!」とともこが話し、平日のNGKの楽屋の光景と自身の“老いの現象”をあれこれと述べました。昨年以上に、相方のテンションに負けないほど弾けるやすよに、年齢を重ねるごとにキュートな魅力が増すともこ、まさに姉妹や友達の会話を聞いているような親近感で会場を魅了しました。

トット桑原、開口一番「お金がない」!?

続いて2部は、トット(多田智佑、桑原雅人)からスタート。多田は「どうもー!」と元気よく登場するも、桑原はやや老成した雰囲気をまとって舞台へ。そして第一声で「お金がない」と現実感満載の話題を振ります。

副業をしたいという桑原はたたき売りの口上に挑戦。見事な売り文句に会場から拍手が起こりました。また、“イキった”先輩がいるバイト先を描いた漫才では、ステージの空間を活かして伸び伸びと表現する桑原。ほぼセンターマイクの前にいる多田は、たびたび巻き込まれながらもツッコミを次々と決めていき、桑原を制していました。

ラフなスタイルで登場したのは見取り図(盛山晋太郎、リリー)。第一印象が大事と、お互いの褒め合いをする2人。しかしリリーから見た盛山のチャームポイントが絶妙で、次にどんな褒め方をしてくるのかとワクワク感が会場に広がっていきます。

見た目はいかつい盛山ですが、優しい言葉選びでリリーの気持ちを上げていき、一方のリリーは穏やかな表情を曇らせることなく、真綿で首を絞めるような(!?)誉め言葉で盛山を攻めていきました。

続いては銀シャリ(鰻和弘、橋本直)。登場するなり鰻は「すごいことに気づいた!」と声を張り上げます。大興奮しながら述べたのは、「スープにはすべて伸ばし棒がついている!」。

「伸ばし棒……?」と会場中に大きな「?」マークが浮かんだところで、よくよく聞くとそれは長音符号のこと。スープの名前にすべて「ー」が入っていると主張するのです。顔色一つ変えずに聞いていた橋本は、後半に入って「それなら」と違う例えを引っ張り出し、言葉の応酬が始まります。

徐々に鰻が橋本に飲まれていく形勢逆転の様も面白く、最終的に橋本は観客も巻き込み、死角なしの盤石のガードで来るもの来るもの次々となぎ倒していきました。

次に中堅の域に達しつつあるギャロップ(林健、毛利大亮)が堂々とした足取りで登場。林は会場を見まわし、「みんな生えすぎちゃう~」と自身のギャグで会場をほぐします。

漫才のテーマは占い。言葉攻めを繰り広げるコンビが多かった中で、ギャロップは行間の余韻をも楽しませる漫才で魅了します。一瞬の静寂の後に、舞台の向こう側から笑いが押し寄せてくるようなシーンもあり、今後がますます楽しみになるステージで沸かせました。

中川家の舞台ならではの暴走にファン爆笑

2部のトリは中川家。得意の人物描写から始まり、中川家のリアルな日常も披露します。剛に長男としての役割を再認識させるネタでは身近な例えで共感を呼び、ロケのリポートを扱った漫才では礼二お得意の鉄道、路線、その土地あるあるが次々と繰り広げられます。

大阪の“長堀鶴見緑地線”のネタでは、観客から「待ってました」と言わんばかりの拍手が沸き起こりました。

日頃のうっぷんもさく裂させる礼二の陰で、剛もさりなく毒を吐き、見落とし厳禁の場面が猛スピードで過ぎていきます。最近の話題も取り入れた、芸人が直面しそうなシチュエーションでは、そのリアリティに絶えず爆笑が起こりました。

漫才に熱い観客を前にやすよ「3回、4回と続けたい」

エンドロールが流れた後は、中川家、海原やすよ ともこがステージへ。

「将来のNGKに出てほしいメンバーを集めました。銀シャリとか、東京のメンバーも来てくれて!」とやすよ。剛は「緊張して震えが止まらんかった」と語りました。

4人は後輩たちの漫才にも感心しきりで、「衹園は1回目も2回目も、トップバッターでやってくれて。このイベントはお客さんがいい緊張感を作ってくれるんですけど、そこをうまいこと突破してくれた」とともこが述べます。

また、アンケート用紙に答える観客が多いのも『Top of Namba Grand Kagez』の特徴。やすよは「熱いお客さんが来てくれるので、3回、4回できるように頑張りたい」と声に力を込めます。

最後、カーテンが降りる間も、音楽に合わせてともこがエアボーカルを、礼二がエアベースを演じ、シルエットでも盛り上げて終幕。この顔ぶれが揃うのはこの日限りではあったものの、NGKの未来がますます期待される一夜となりました。

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