2019年3月1日に60周年を迎える吉本新喜劇。現在は、6名の座長と約110名の座員によって構成されるまでに成長しました。

記念すべきアニバーサリーイヤーである今年は、さらに新喜劇を盛り上げ、新たなファンの拡大と認知度を高めていくため、また全国のお客さまに吉本新喜劇からの60年の感謝をお伝えするために大規模全国ツアー『吉本新喜劇ワールドツアー ~60周年 それがどうした!~』を開催することが決定!

小籔千豊、川畑泰史、すっちー、酒井藍の4座長が、2座長ごとにタッグを組み、3班体制で全47都道府県をまわり、約14万人の動員を目指します。

さらに、2019年10月以降には中国、韓国、マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシアとワールドツアーも敢行。

今回は、そのツアーへの意気込みを、小籔千豊、すっちー両座長に伺ってきました!

すっちー(写真左)、小籔千豊(写真右)
出典: ラフ&ピース ニュースマガジン

新喜劇は「風通しのいい内閣」を目指してます

――今回、座長が2人ずつ組んで全国を回られますが、他の班のことは意識されるんですか?

すっちー「やっぱり打ち合わせしながら『どんな感じですか?』って聞きますね。川畑さんは僕とも小籔さんとも組まれるんで『向こうはどんな感じですか?』って聞いて、『あ、ほなこういう話でも全然ちゃうからいいか』とか。それぞれ違う味があるなって思われなあかんし、やっぱり気にはなりますね」

――じゃあ、ある程度は他の班が何をやるかはわかっている?

すっちー「なんとなく聞いてますね。小籔さんのところはこんな感じで、とか。でも、いったんゼロにすることもある、っていうのを川畑さんから聞いたんです。『わからんねんなぁ~、小籔なぁ』って(笑)。あとな、できた!思たら『これいったんキープで』っていう時あんねん。『え~っ!? もう1本作んの?』とか(笑)。

でも、本当に小籔さんと川畑さんが4人でちゃんといろいろ情報交換しようということで、若い世代ではこの子がいいよとか、こんなノリあるよ~とか、そういうのを4人で共有できてるので、いいところはみんなでちゃんと共有しつつ、それぞれの班でそれぞれの味を出すみたいな感じですね」

小籔「ネタの被りがないようにはしようと思ってますね。基本的に僕はこの4人の座長は新喜劇をよくするため、大きくするために力を合わせて仲よくするべきやと思うので、普段の『メシの食い方が汚いから嫌い』とか『足臭い』とかそんなんは別にかまへんと思ってるんです。

だから別に誰がウケようが、なんやったらこの4人の中で僕がダントツおもんないっていう世間からの評価を受けようが、結果それが新喜劇を大きくするんやったらそれでいいと思っていて。僕は『風通しのいい内閣』を目指してますんで、縦割り行政はやめるべきやと。そういうので今、日本が傾いてきてる部分もあると思いますんで、やっぱり省庁連携して(笑)よくしていくっていうのが僕らの役割やと思ってます」

――すっちーさんにしてみると、小籔・川畑班は最後までどうなるかわからないというのは不安じゃないですか?

すっちー「そうですね、でも僕、小籔さんと一緒に出させていただいたこともあるんですけど、どんなお話作りはんねんやろっていうワクワクがあるんですね。小籔さんについていかんとダメなので、ちょっと不安もありますけど。

(酒井)藍ちゃんと組んでるチームは、この中では若い座長でやる班なので、やっぱりその辺は意識しようと思ってますし、小籔さんはどんな話にしはるんかなぁ、それを川畑さんが台本としてガチッとまとめはったらすごいもんになるんやろうなぁとか、やっぱ僕と藍ちゃんはその辺は勉強もあるので、そういう意味では楽しみですね」

健康で、運のいい若手を見つけたい

――ワールドツアーで海外にも公演に行かれるそうですが、楽しみにしていることや不安に思っていることはありますか?

小籔「日本語でやるので別になんの不安もないんですけど、僕としてはシンガポールでカジノに行けたらいいなくらい。それが一番の楽しみです(笑)」

すっちー「海外って『あれ、こんなことあかんねや』っていうこと、たまにあったりするじゃないですか。前、スリランカに行った時、僕が三蔵法師の役で、吉田裕が悟空役で、脱がして乳首ドリルしようとしたら『お坊さんがそんな、男性を裸にして、しかも乳首を棒で……なんてもってのほかや! 一切やるな』って言われたんですね。

だから、日本の方だけが観にくるとしても、情報がふわっとよそに漏れて『けしからん!』ってならへんように、その辺だけはなんとなくの情報は聞いとかなあかんなって思ってます」

――小籔さんは以前、「新喜劇は65歳までやりたい。そのためには若手が育ってくれないと困る」とおっしゃっていましたが、最近注目の若手はいますか?

小籔「森田まりこちゃんがずっとオススメなんですけど、膝十字靭帯切りまして、今入院してるんですよ。それで、ホントに運ないなって思ってて。なので、誰か運のいい若手がおらんかなって(笑)」

――若手が活躍するには運も大事?

小籔「桑原(和男)師匠や(池乃)めだかさんを見てると、あのお年まで事件・事故・大病なく続けられてるっていうのは運もあると思いますんで。いくら『ええなぁこの子』と思って栄養与えても、やめられたり、ケガされたりすると悲しいので、今は健康で運のいい若手を……(笑)」

――森田さんはやめるわけじゃないですよね!?

小籔「いや、でも……(笑)」

すっちー「『運が悪い』っていうのを結構言わはるんです。『このタイミングでこんなことなるやつ、どう思う?』って(笑)」

――小籔さんなりの「ケガせず、健康でいてほしい」という愛情の裏返しですね(笑)

小籔「全治半年なんです。だからホントに、彼女には元気に復帰してほしいのと、健康で、運の悪いアクシデントのないような子も見つけたいですね」

まさかこんなに早く「47都道府県全国ツアー」ができるなんて

――小籔さんは以前から「新喜劇の活動が自分の軸で、ある種タレント活動は新喜劇を続けるためにやってる」と言われてますが、すっちーさんにとって新喜劇の活動はどんなものですか?

すっちー「僕はほとんどずっと関西にいるので、東京や全国で小籔さんが(タレント活動を)やっていただいてる分、僕はちゃんと観にきてくれたお客さんを楽しませることができるようにというのが役割なのかなと思いますし、そこが今一番がんばってるとこですね」

――小籔さんはすっちーさんをどう評価されてますか?

小籔「もうほんとに大人気で、服屋さんとコラボした『すち子Tシャツ』もむちゃくちゃ売れたと聞いてますし、新喜劇の歴史上で『コロコロコミック』の表紙になったやつっておらんと思うんですよ」

すっちー「すっごい言っていただくんですよ(笑)」

小籔「これもうちょっと会社と座員がほめなあかんことやと思うんですよ。あんだけ僕が読んでたコロコロコミックが……(笑)。それはもっと評価するべきやと思うし、CMにもいっぱい出たりとか、もちろん劇場での結果の出し方は言うまでもないですし、今までの座員がやってないところにもアプローチしていて、新喜劇にとってすごくプラスになることをやってるなと思いますね。『ガキ使』に新喜劇のネタで出たっていうのも今までないですし、それはすごいなと思います」

――小籔さんは東京に出てこられて7~8年経ちますが、今の状況をどう感じていますか?

小籔「『東京で新喜劇を広めるぞ!』って言うて『これぐらい出れたらええなぁ、こんな番組に出て、それで新喜劇の話できたらええなぁ、充分やなぁ』と思ってた目標は越えられたかなと思います。まさか47都道府県を全国ツアーで回れる日がこんなに早く来るなんて思ってなかったし、MXテレビさんでNGKの新喜劇の舞台が流れてるってこともほんま革命的なことですし、『アメトーーク!』に松浦(真也)と森田まりこちゃんが出るっていうのも……。ホントに想定してた目標・売上よりもだいぶ上回ったかなと思いますし、それはもうみなさんのおかげやと思ってます」

「おもしろい台本を書くこと」が一番!

――それぞれ、自分の座長としての、他の座長にはない持ち味はどんなところにあると思われますか?

小籔「他の座長が思いつかへん台本にするということは意識してますね。いつものおなじみのアレが見たいというお客さんが多いんですけど、それは、そういうお客さんがおったんじゃなくて、僕らがそうさせてしまったんですよね。僕らが同じことばっかりやるから、お客さんも同じようなことを期待する人がくるというか。

毎回違うことをやってたら、お客さんは『今回はどんなことをやってくれるんかな』って期待すると思うんですよ。なので今までにない新喜劇をやろうとしてます。もちろん、川畑さんもすっちーも藍ちゃんもそれを目指してやってるんですけど、みんながそう考えるきっかけにはなったんかなと思います」

すっちー「僕も、今の自分の一番の課題は『おもしろい台本を書くこと』ですね。ちょっと悩んでた時があったんですけど、その頃吉田ヒロさんのイベントかなんかで、(間)寛平師匠とめだか師匠がいつもの(猿と猫のケンカネタ)をやらはったんですね。めちゃめちゃ長いんですよ。で、めちゃめちゃおもろいんですよ。

ももひきの中に寛平師匠がめっちゃモノ入れてはって、いっぺんはけてきた時に『血出てる!』ってなって。なにかが刺さって、太ももから血が出てるんですよ。でも、また舞台に出て。お客さんは気づいてないんですけど『わ、血だらけでやってはるやん』って思った時に、もうあんまり理屈いらんな、って。『なんや知らんけどおもろいことちゃんとやっていこう』って思いました」

小籔「(すっちーの)ボケの角度は今までにない感じの角度やというのは僕はよう言いますね。なので、今までの先人たちが言うてないようなことをちょいちょい言うていってると思います。それは僕らが見てても『このシーンでこれを言うんや』とか、川畑さんも『あれすごくないですか?』って言うてくるみたいな、オレらやったら思いつかんな、みたいなとこはあると思いますね」

初めての人には「違和感」を楽しんでほしい!

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出典: ラフ&ピース ニュースマガジン

――では最後に、「吉本新喜劇ワールドツアー」への意気込みをお願いします!

小籔「いつも100点の台本を目指しているので、特に今回だけではないんですけど、豪華メンバーですし、ふだん大阪になかなか来にくい人とか、新喜劇とは一生触れへん人生を歩むつもりやった人も多いと思うんです。そんな方々には、僕らが近くの町に行かせてもらいますので、まったく興味ないかもしれないですけど、一口試食しに来てもらえたらなと。

それで『あれ? 意外とおいしかったな。もう1回食べてみようかな』と思ってもらえる人がひとりでも増えたらいいなという気持ちで全国回らせていただきますので、どうかお時間合うようでしたら一口食べに来てもらえたらなと思います」

すっちー「新喜劇に興味あって、いっぺん行こうかなと思ってる方とか、なんやったらいっぺん大阪に観にこられたことがあるような方が、友達に『こんなんあるんやけど、行かへん?』って誘ったりすることもあると思うんですよ。その人が恥かかんように……。

『これちょっと聴いて!』って自分の好きな曲を聴かせた時に、『わからん』って言われたらショックじゃないですか(笑)。『いや、めっちゃええやん!』ってなるようなものを僕らは作っていって、恥かかさんようにしますので、いろんな人を誘って……ちょっとネズミ講みたいですけど」

小籔「それはネズミ講ちゃうやろ(笑)」

――特に初めて観にこられる方を意識してる部分もあるんですか?

すっちー「特に意識してるわけではないんですけど、初めて来た人でもちゃんと楽しめるものにはなってると思います。急に乳首を触られて「ピュッピュルピュッピュピュ、ドン」って言う子を見てどう思うかはわからないですけど(笑)。『なにこれ!?』って初めて来た人が言うた時に、『いや、こういうのもあんねん』みたいな、ちょっとその違和感も楽しんでほしいというか」

小籔「それに関しては、『なにこれ!?』は大阪の人もそう思ってると思うんで、『それで間違ってません』でいいと思います(笑)」

すっちー「(笑)。『いや、これは私もわからへん』って」

小籔「好きに見ていただいたらいいと思います」

吉本新喜劇ワールドツアー ~60周年 それがどうした!~

会場:全国47都道府県の会館
期間:2019年3月28日(木)~9月8日(日)
公演時間:約2時間予定
料金:前売 5,500円~(全席指定)
チケット:発売中(3月〜5月公演)
公式サイト:https://shinkigeki-60th.yoshimoto.co.jp