2月25日(月)、COOL JAPAN PARK OSAKA SSホールオープン二ング企画『上方伝統芸能フェスティバル』が行なわれました。3日間行なわれる本公演の初日は『上方伝統芸能おめでたづくし!』と題し、能、文楽、琵琶語り、落語が上演されました。

能舞台の三方を囲むように客席が配置されているため、観客は至近距離で鑑賞することができます。その圧倒的な近さに、客席には始まる前から静かな熱気が漂っていました。

ナビゲーターを務める菊池まどかが舞台へ登場し、いよいよ開演。女流浪曲師の菊池、節をつけた自己紹介で自慢ののどを披露すると、その美声に会場からどよめきが起こります。そして、明るく朗らかな声色での演目解説に、緊張感もほぐれていきました。

特別な「双之舞」で魅せた能「猩々乱」

能「猩々乱」は、赤い頭に赤地の唐織、緋色の大口袴という赤一色のいでたちに、赤い色彩の「猩々」という能面をかけて舞う縁起のいい演目。「猩々」を演じるのは、人間国宝の大槻文蔵と山本能楽堂の山本章弘。大阪の能楽界で存在感を放つ2名の共演を、間近で観られるとあって、観客の表情は期待に満ちています。

二人の「猩々」が舞う特殊な演出は「双之舞」と呼ばれ、COOL JAPAN PARK OSAKA SSホールオープン二ング企画のため、特別に用意されたもの。新劇場のオープンを祝うにふさわしい演目で、華々しく幕を開けました。

文楽は「二人三番叟」を愛嬌たっぷりに

続いては文楽で、「二人三番叟」が披露されました。能の「三番叟」は五穀豊穣を寿ぐ神事に近いものですが、土の中から出る悪霊を足拍子で大地を踏み鎮める「揉みの段」と、稲の種まきを思わせる所作がある「鈴の段」の二つのパートを取り入れ、人形2体で演じるのが文楽の「二人三番叟」です。太夫、三味線奏者が舞台に登場、続いて人形と人形遣いの技芸員の方々が登場しました。

主遣いは、吉田和生と吉田玉助です。大地を踏みしめる動作や、鈴を打ち鳴らしながら種を蒔くような所作など、リズミカルな舞が続く「二人三番叟」。人形たちはへとへとに疲れてしまうのですが、お互いが叱咤激励しながら、舞を続けます。

休んでいるところをとがめたり、扇で相手を仰ぐ場面など、ユーモラスなやり取りに会場も和やかに。主遣い、左遣い、足遣いとそれぞれの技芸員の息遣いも聞こえてきそうな距離感で、臨場感たっぷりに楽しめました。

琵琶奏者で人間国宝の、奥村旭翠が登場

「琵琶語り」では、琵琶奏者で人間国宝の奥村旭翠による「那須与一」が上演されました。滋味深い奥村の語りと、どこかもの悲しさが漂う筑前琵琶の音色で、1185年に起こった源平合戦の一つ、屋島の戦いを描いていきます。

筑前琵琶の弾き語りに耳を傾けていると、その情景がありありと浮かび上がってきます。めくるめく歴史絵巻を観ているかのようなリアリティに、観客は夢中で聴き入っていました。

桂文枝は自身の創作落語「鯛」を口演

最後は桂文枝による落語「鯛」です。高座は舞台の後方にセッティングされていたため、登場するなり「本当はもう少し前でやりたかったんですけど……」と笑う文枝。舞台の前に高座を置いてしまうと、両脇の客席から見ているお客様は、文枝の背中しか見えなくなるということで、この位置になったと明かしました。

「琵琶語りの後に落語をするのは初めてです。枇杷(びわ)を食べた後に出たことはありましたけど」とおどけて笑いを誘い、おめでたい噺をということで「鯛」を選んだと続けました。

こちらは、とある大型和食料理店の生簀で泳ぐ鯛のやり取りを描いた創作落語。文枝は、擬人化した鯛をおもしろおかしく、人情味たっぷりに演じました。ときには高座を降り、舞台に寝ころんで表現する場面もあり、その予想外の行動にも会場はどっと沸きました。

人間国宝の方が演じる能楽や琵琶の演奏、そして三味線の音色と人形たちのリズミカルな舞が魅力の文楽。さらに人気落語家の創作落語など、関西が誇る伝統芸能が盛りだくさんの『上方伝統芸能フェスティバル』。26日(火)、27日(水)の当日チケットも絶賛発売中です。ぜひチェックしてみてくださいね!

 

上方伝統芸能フェスティバル

公演期間:2月25日(月)~2月27日(水)

場所:COOL JAPAN OSAKA SSホール

チケット購入はこちら

・2月25日(月)前売9,000円 当日9,500円

・2月26日(火)・27日(水)前売7,000円 当日7,500円