今年も京都国際映画祭が大盛況!
10月17日(木)から20日(日)までの4日間、映画、アート、笑いを集結させた「京都国際映画祭2019」が開催されました。
2日目となる10月18日(金)、よしもと祇園花月にて、「SDSGs花月〜漫才・落語に新喜劇〜」が開催されました。

国連で採択された、持続可能な開発目標=SDGs(SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS)とのコラボレーション企画として行われる本イベント。2030年までに、すべての人が平等な機会を持ち、地球環境を壊さず、よりよい生活を送ることができる世界をつくるための17のアプローチを、笑いを交えてわかりやすく伝えるべく、今回も芸人たちが奮闘しました。

レイザーラモンHG、ガリットチュウ・福島、ムーディ勝山、スリムクラブ、ストロベビー・ディエゴによる「詐欺被害防止」啓蒙活動寸劇に続き、17の開発目標を盛り込んだネタを即興で披露して優勝を競う「SDGs -1グランプリ」がスタート。

人気芸人たちがSDGsを盛り込んだネタを披露!

MCはケンドーコバヤシと河本準一(次長課長)、アシスタントは吉岡久美子(つぼみ大革命)が担当。ネタチームとして出場するのは、笑福亭鶴笑、かまいたち、アキナ、EXIT、ゆりやんレトリィバァの5組で、桂文枝と西川きよしが審査員を務めるほか、客席から選ばれた小学3年生の男の子と1歳の女の子のお母さんも審査に加わります。

17の目標からふたつを選び、どれだけ楽しく笑いで伝えられるかを競うこの大会。一番手のEXITは「飢餓をゼロに」「質の高い教育をみんなに」をテーマに漫才を展開。オレオレ詐欺への警鐘も織り交ぜた、チャラさ全開のやりとりで沸かせました。文枝は「やっぱり今、乗ってる勢いがありましたね」と感想を述べます。

続いてのアキナは「貧困をなくそう」「人や国の不平等をなくそう」を取り上げたコントで勝負。古今東西や鬼ごっこなどの遊びに興じる小学生の会話の中に、さりげなくふたつの目標を盛り込みました。完成度の高いネタに、きよしは「これから吉本を担っていくのはふたり。ここまでまとめるなんてすごい」と大絶賛です。

鶴笑は「気候変動に具体的な対策を」「陸の豊かさも守ろう」をおなじみのパペット落語で表現。森を守るべく子どもたちと孫悟空が立ち上がるストーリーで、“ゴミ怪獣”と戦うコミカルな様子は子どもたちにも大ウケ! 文枝も「テーマをよくがんばって入れていたし、噺家らしくサゲも入れていたのが大変よかった」と賞賛します。

『サザエさん』のカツオに扮して「質の高い教育をみんなに」「安全な水とトイレを世界中に」を伝えたゆりやん。絶妙なモノマネで何度も爆笑をさらいましたが、自由すぎるネタ運びに「面白かったけど、いろいろわからんところがいっぱいありました(笑)」ときよし。

昨年の優勝コンビ、かまいたちはトイレの個室にまつわるふたりの押し問答で笑わせましたが、「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」が終盤でようやく出てくる展開となり、文枝からは「かまいたちのようなベテランになると、もうちょっと最初から勝負してほしかった」とやや辛口の評価を受けました。

SDGs初心者・とろサー久保田に皆でレクチャー

審査を待つ間は、河本が中心となって、身近なところから始められるSDGsについてレクチャー。

「SDGsがわからない」と語るとろサーモン・久保田もゲストとして加わり、観客の中から実際に取り組んでいる事例を募ります。「ストローを使わない」「エコキャップや空き缶を集める」「炊き出しのボランティアをする」などSDGsを実践している人が多数おり、芸人たちも大いに励みになったようでした。

いよいよ結果発表!

きよしが「今年ほど(意見が)バラバラだったのは初めて」と言うほどの激戦を制したのは、EXIT! 何でも、審査員の男の子の強力プッシュが決め手になったとか。「ゆりやんにしようと思ったんですが、お笑い(重視)の方向にに進んじゃったから……EXITの方が、オレオレ詐欺など社会的な方向に進んでいたので」と冷静な分析に、「これからは、若い芸人もそうですが、若いお客さまを育てていくのが大事。この子は本当にお笑いが好きで批評もしっかりしている。私はこの子を一番育てたい!」と文枝。審査員のお母さんと一緒にネタを見ていた1歳の女の子も「えぐじっと」「かねち」「りんさま」とかわいくEXITを推し、兼近とりんたろー。を喜ばせました。

SDGs新喜劇で大笑いしながら学ぼう

後半の新喜劇には、川畑泰史、すっちー、酒井藍の3座長が揃い踏み。「気候変動に具体的な対策を」という目標に取り組む花月島を舞台に、うどん屋店主の川畑とアルバイトのすち子、酒井らがドタバタ劇を繰り広げます。

島で行われる「SDGs演劇祭」をめぐり、川畑の結婚話や烏川耕一、西川忠志の借金が絡み合う展開は予測不能! すっちー&吉田裕の「乳首ドリル」をはじめ、島田珠代、今別府直之、森田まりこらの持ちギャグも繰り出し、何度も爆笑をさらいます。もちろん、車を使わない、発電のためソーラーパネルを設置する、物を長く大切に使うなど、個人でできる気候変動への対策もしっかり盛り込みました。

さらに、終演後は劇中に登場したSDGsにまつわるアイテムや取り組みをクイズとして出題、正解者はプレゼントがもらえるというコーナーが。新喜劇を見て学んだことを、しっかり復習して帰れるという、最後まで至れり尽くせりの内容で楽しませました。

囲み会見には、きよし、川畑、すっちー、酒井が出席。今年の「SDGs-1」についてきかれたきよしは、「回を重ねるごとに、だんだんいい意味で(SDGsが)広まっている。やっぱり“小さなことからコツコツと”広めていかないといけない」とコメント。川畑によると、新喜劇座員の間でもSDGsがかなり浸透してきたそうで、「新喜劇の打ち合わせに行く時に『SDGsやねん』と言うと、最初の頃は『何ですか、それ?』だったのが、今は普通に『そうですか』という感じになっている」と手応えも大きいようです。すっちーは目標のひとつである「貧困をなくそう」にからめ、「青野(敏行)さんが一度、給与明細をパッと開けて『もう終わりや』とおっしゃったんです。まずは新喜劇の中から貧困をなくしていきたいですね」と笑わせました。

優勝したEXITについては、「文枝さんとプロの立場でいろいろお話ししていたんですけど、やはり素人さんのお話もちゃんと聞いて。どうしてもあの3年生の子が『EXITや』と」と審査会議でのやりとりを告白したきよし。「振り込め詐欺の話も入ってたからかな。1歳の子もマイクを持っていったら『えぐじっと』って言うし……その雰囲気に文枝さんときよしは負けました(笑)」と振り返ります。しかし、「人や国の不平等をなくそう」「平和と公正をすべての人に」というSDGsの目標にもちなみ、「我々だけで決めるんじゃなく、お母さんや子どもさんの意見もきいて結果を出させていただきました」と説明。さらに、「もういっぺんスタートに戻って頑張ろうというのが伝わってくる。男同士のコンビの友情ってすごいよ」と、ふたりの絆に感動した様子も見せていました。

また、川畑はSDGsのエッセンスを通常の公演に盛り込んでいくことに意欲を。「あんまり頑張ってバーンと全面に出しすぎるとやらしくなる」としつつも、「次の新喜劇から前向きに考えながらやらせていただきたい」と意気込みました。

勇気と希望を与えられるように頑張りたい!

時間の都合で会見に出席できなかったEXITからは、コメントが届きました。

—–優勝した感想は?
兼近 「こんなちゃんとした、しっかりとした、がちがちなイベントで本当こんなチャラ男を優勝させるのは大きな間違いをしていることがまず一つと、逆に時代が変わってきているのかなと感じました。こんなチャラ男でも何かをテーマにしてすごい重いというかそうゆうものをやってるのに評価をしてもらうって時代の変化を感じるなと。最高ですね」
りんたろー。「小さい審査員が言ってくれてましたから。一番テーマと向き合ってたって。確かにそれは僕の中でもあったのかなと思います。非常に嬉しいです」

—–チャラ男のキャラクターをやっているふたりはSDGsについてどう思っていますか?
兼近 「これに関してはまじでがちがちに向き合っていこうと決めています。いろいろな経験をしてきたんで、今こそ誰かに、何かに恩返しというか、してあげるべき、しなきゃいけないことだなとずっと感じていることなので、今回の優勝をきっかけにバシバシSDGsに関わっていきたいなと思っています。絡んでほしいです!」
りんたろー。「トップバッターからの優勝って中川家さん以来でしょう。お酒飲むときも俺絶対ストロー使わずに一気に流し込んでるから」
兼近 「いや、お酒でストロー使うやつ、酔いたいやつだけだから。俺はまず一滴もお酒を飲みません」
りんだろー。「働きがいも経済成長。吉本の若手の劇場を変えたいと言って、結構リスク背負って立ち上がってアンケート取って、みんなにこういう働き甲斐を感じてもらって、劇場を埋めることで経済にちょっとでもと思ってやってたんです」
兼近 「ウソつくなよ」
りんたろー。「それでニュースになったんですよ。けど兼近は髪型変えただけでニュースになったんですよ」
兼近 「”髪型”漫才大賞優勝!」
りんたろー。「違います! それが納得いかない」
兼近 「17の目標じゃ足りないんで18の目標にして、そのうちの一つはみんながEXITを盛り上げるという」
りんたろー。「兼近もベビーシッターやってたし、僕も介護やってて、ゆりかごから墓場までコンビ。こういう部分はしっかりしてるのでは」
兼近 「色々な問題が起きているこのチャラ男がこういうところで活躍できたってことは色んな人に夢を与えられるのかもしれません」
りんたろー。「諦める必要はないと、勇気と希望を与えられるように頑張りたいです」

—–国連本部へのメッセージをお願いします!
兼近 「こんな無力なチャラ男でも力になりたいという気持ちはあります」
りんたろー。「僕らでもできることはあるということなので、皆さんも一個一個身の回りにこうゆうできる小さいことがあると思うので、それを皆さんに広げられるように発信していければ理想です」
兼近 「ぜひぜひイグジ使ってください。お願いします。国連とチャラつきたいです!」

今年で6回目の開催となる「京都国際映画祭2019」は10月17日~20日までの4日間開催。
国内外の100作以上の映画作品が上映されるほか、様々なアート作品の展示、SDGsと笑いの融合企画やワークショップ、イベント、そして注目企画のプロレスまで、盛りだくさんのプログラムを展開しました。
ぜひ、引き続き、映画、アート、笑いの三要素が集結する京都にご注目下さい!

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