10月10日(木)、ピース・又吉直樹による初の長編小説『人間』(毎日新聞出版刊)の発売記念会見が行われ、東京都・三省堂書店神保町本店ではミニサイン会も実施されました。

本著は、2018年9月から今年5月まで毎日新聞夕刊にて掲載された同名の連載をまとめたもの。38歳の誕生日を迎えた日にかつての友人より受け取ったあるメールから振り返った青春時代の苦い思い出を通して、今後へと続いていく主人公・永山の苦くも救いのある日々が描かれています。

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39歳になった又吉が語る“夢の置き所”とは?

会見では、「連載開始となる前から準備をしていたので、実質1年くらい時間をかけて中断なく書いた小説。早く読み返したいです」と完成した本を手に取った感想を述べた又吉。

初めての新聞連載だったことについては「最初にすべて書き終えて小分けに出していくより、ライブ感を味わいながらやりたかった」と、その都度書き上げていく手法に挑戦したことを明かし、「“この先もしかしたら何もないんかもな”と思いながら書き進んでいったのは、前作2作と大きく変わったポイントでした」と振り返りました。

また、又吉は(集中できる)書斎や好きな喫茶店などでしか執筆できなかった中、締め切りに追われたことで、どこでも書けるようになったのだとか。「(ある時は)17時の締め切りがあるのに、仕事が押して16時に終わってしまって。その辺の路上でパソコンを開いて座って書いたこともありました。あれはドキドキしましたね」と回想しました。

これまでの小説では、一貫して人々が抱く夢や目標について描いてきた又吉。今作については「“何者かになれなかった何者は何者なのか”ということを書いていて。早口言葉みたいですけど、かつての夢がどう変化していくのかは、僕自身がこの作品を書きながら考えていたところでもあります」と、作品への想いを語ります。

そして自身が現在抱いている夢については、「例えば“20代のうちに結婚して家庭を持つ”とか、子どもの頃に思っていたような(理想の大人になる)夢は取り返しようがない。ただ、叶わなかったことに対して新たな希望を持つことに慣れてきた」と話し、「(夢を)取り返せないことが特別だと思わなくなったのは、変化なのかもしれないですね。……ちょっと何を言っているのか、わからなくなっちゃいましたけど(笑)」と、笑いを交えながら語りました。

読書が苦手な相方・綾部は…

さらに、ニューヨークを拠点に活動している相方・綾部へ「本を送ったか?」と問われると、「送るようにお願いしてはいるんですけど、離れているのでまだ届いてないと思います」と返答。

本を読むのが苦手な綾部について、又吉曰く「『火花』は(又吉の)執筆時間よりも長い時間をかけて読み切った」そうで、「今回は長編なので読み終わるのに2~3年になるかもしれないですね」と声を掛けられると、又吉は「それくらい待たないといけないかもしれないですね」と笑って返しました。

また、この日は『ノーベル文学賞』の発表当日とあって「又吉さんの受賞の可能性は?」という大胆な質問も。「ノートに漫才とかコントを書き始めた時、それで将来、ご飯が食べられると思っていたわけじゃなくて。書かずにはいられないっていう状態があった。ものを作る動機と賞が欲しいとはもう少し違うところにありますし、考えたところで絶対に無理なので!」と笑いながら答えていました。

会見前に行なわれた限定のミニサイン会には、約50人のファンが参加。又吉は1人ひとりの名前とサインを丁寧に書きながら、ファンとの会話を楽しんでいました。

又吉による新作『人間』は、10月10日(木)より全国発売。ぜひ手に取ってみてくださいね!

『人間』

著者:又吉直樹

価格:1,540円(税込)

毎日新聞出版刊

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