謹慎からの復帰後、動画配信などの新たな活動で注目を浴びている、インパルス・堤下アツシ。短編映画の主演など芝居への挑戦も続けるなか、この度自身初プロデュースとなる舞台『愛害~12の本性~』を11月8日(金)~10日(日)に上演します。

今回ラフマガでは、堤下にスペシャルインタビューを敢行! 今回の舞台制作に至るまでの経緯や今後の活動ついて話を伺いました。

「今、自分ができることからやりたい」という思い

――本作はどういった内容の作品なのでしょうか?

相席居酒屋の話で、“あるキッカケで自分が追い込まれたとき、人ってどうなるの?”みたいな話ですね。今作は12人のキャスト全員が主役なので、『アウトレイジ』じゃないですけど、全員が悪人であり、全員が善人であり、みたいなところが表現できているので、そこが見どころだと思います。

――今回、なぜ舞台をプロデュースしようと思われたのでしょうか?

僕が1年間謹慎をして、そのあと結構演劇にお世話になっていたこともあり、今自分ができることからやりたいという思いがありました。あと、今まで自分で“何かをやってみよう”とか“何かを発信してみよう”ということに対してすごく消極的だったので、今回良いタイミングで周りの役者のみなさんも協力してくれるということもあり、“やってみよう!”と思いました。

――舞台に出演される機会が増えたことで、舞台や芝居に興味が出てきた部分もあったのですか?

僕らもコントをやってましたし、以前からドラマや映画にもいろいろ出させてもらっていたので、もともと芝居に興味はありました。小劇場にも声をかけてもらって、出演させていただくようになって。

ただ、小劇場のお客さんを見ていると、他劇団の役者さんが観にきてることが多いんですよね。だったら新しい形で新しいお客さんを呼んで、「あそこの〇〇さんよかったね」ってなった方がいいんじゃないのかな?って。それに、お笑い芸人が参入することで、役者さんにとっても刺激になるんじゃないかという思いもありました。

今回脚本をお願いした大村仁望さんの作品には、これまでも5本くらい出させてもらっているんですが、彼女はすごくいい作品を書くんですよ。でも、彼女の名前はまだ下北沢や中野の小さい劇場の中でおさまっていて、そこにもったいなさを感じて……。彼女は謹慎中もずっと連絡をくれて「謹慎が明けたら絶対出てね!」と熱い想いを持っていてくれた方なので、そういう方にも恩返しをしたいという気持ちはありました。

お客さんのリアルな声が刺激に

――今回はプロデュースに加え、ご自身も出演されますが、芸人ではない共演者と舞台を作りあげていくなかで心がけていることは?

演劇の“笑い”と、僕らの本職である芸人としての“笑い”ってやっぱり全然違うものなんです。そういうこともあって、間とかテンポについては、意外と役者さんは台本に書いてないとできなかったりするところもあるので、僕も説明したりしています。

でも、変なキャラクターをやらせたら、やっぱり役者さんの方が面白いんですよ。役にのめり込んでくれるので。だから、そういう部分は逆に刺激になるなぁって思います。

――堤下さんは特にここ数年で、舞台の面白さや素晴らしさをどんなところで感じられましたか?

小劇場って、お客さんが会場を出るときに外でご挨拶することも多いんですけど、そこで「すごく感動しました!」「勇気出ました!」と、お客さんのリアルな声が聞けるんです。僕はお笑いしかできないと思っていたので「堤下さんってお芝居上手ですね。あのシーン泣けました!」とか言われると、「そういうふうに思ってくれる方もいらっしゃるんだ!」と、すごく刺激になりました。

また、お笑い芸人だと、僕はもう21年ぐらい吉本にいるんですけど、1年目や2年目の子とはあんまり絡むことがないんですよね。でも役者さんの世界って、1年目や2年目の子とも絡むんです。それが新鮮で「そういうピュアな気持ち、忘れてたなぁ」と思い返すこともありました。

「今の僕にどれぐらいの信用があるのかな」と思った

――今回の舞台ではクラウドファンディングをされていますが、その方法を選んだ理由は?

もともとこの舞台をプロデュースするとなったときに、会社がお金を出してくれないのはわかってたんです。で、僕は今「SHOWROOM(ショールーム)」っていう生配信サイトをやってるんですけど、皆さんがすごく応援してくれて、『トップランカー(※最も努力を重ね、視聴者との絆を深めた配信者に贈られる賞)』という実績を上げることもできました。

そこで「こういう舞台をやりたいんだよね~」という話をしたら「絶対やったほうがいいですよ」っていう反応が返ってきたんです! キングコングの西野くんにも相談したりして、今の僕にどれぐらいの信用があるのかなっていう指標にもなるなと思って興味を持ちました。

今回、300万円という規模のデカいクラウドファンディングをやらせてもらってるんですけど、これまでもいろいろとオンラインで応援してくれてる方々が結構いて、でもなかなかお礼が言えないじゃないですか。だからこのクラウドファンディングを立ち上げたら、直接メールを送って丁寧に日頃のお礼が言えたりするなぁというのもあって、今回やらせてもらおうと思いました。

――SHOWROOMなどの新しいことを始めていなかったら、ここまで発展しなかったかもしれないですね。

そうですね。もともとSNSなんて正直なところ、やってはいましたけどそこまで主軸じゃなかったですし、YouTubeもあんなに反響がある(※チャンネルを始めて2日で登録者数10万人、現在1か月で15万人を達成)なんて思っていなくて。

僕の好感度なんか地底にあったはずなのに、YouTube内では異常に好感度高いんですよ。カジサックとか西野くんとかいろんな人のおかげもあり、ここまで一般の方の声が聞けるようになってよかったなと思ってます。

「板倉さん、オレの飯食ってくれないかなぁ(笑)」

――YouTuberとしても活躍されていますが、舞台、テレビ、YouTubeと、活動の場によってスタンスは使い分けていらっしゃるのでしょうか?

そうですね。それぞれで見てくれている層が違うので、場所によって分けてます。意外と『堤下食堂』(堤下のYouTubeチャンネル)って、7:3で男性が見てるんですよ。ちょっとビックリしたし、できれば女性にももっと見てほしいんですけど……(笑)。

でも、もともと“男性の一人暮らし”がテーマだったので、YouTubeのときはハキハキしているというか、聞きやすいキャラクターでやるようにしていたり、SHOWROOMは比較的プライベートっぽいというか、オフっぽい感じで視聴者の方と対話できたらいいなぁと思ってたりしますね。

――相方の板倉さんも、小説やマンガ原作などお笑いと異なる場でも活躍されていますが、意識はされますか?

相方は僕のことなんて全然意識してないと思いますが、僕にとっては(相方は)雲の上の人ですから(笑)。意識なんかしようがないです。ただ、僕がいちばん迷惑をかけたのは相方なので、相方に「おぉ、まともなことやってんな、がんばってんな」って認められるためにがんばろうとは思ってます。

――今後はどういった活動をされていきたいですか?

今回初めて裏方に回ってみて、舞台制作ってビックリするほどお金も時間もかかるし、キャスティングひとつとっても、死ぬほど東奔西走していろんなとこ行って頭下げて……っていうことを経験したので、僕に関わる人たちが「堤下と関わってよかったな」って思ってもらえることが、今後の夢ですね。

たぶん今まで、自分はアホなのにそれを認めたくないっていう変なプライドがあって、自分の中でそこと戦ってきたんですけど、そんなの全部捨てて、とりあえず「堤下となんかやってみたら面白かった、ワッハッハ」ってなれるようにと思っています。もう42歳になったんで、あと半分しか人生ないと思って楽しく過ごせればいいなぁと思ってます。

――お笑い芸人として、またインパルスとしての今後の活動については?

個人的には、僕のYouTubeチャンネルの登録者数が100万人になったら「板倉さん、オレの飯食ってくれないかなぁ」とは思ってます(笑)。あの人のことだから食わないかもしれないけど(笑)。

――それはすごく楽しみです! では最後にラフマガ読者にメッセージをお願いします。

読者の方は僕がお芝居をやってることはあまり知らないと思うんですけど、もしちょっとでも堤下で笑ってやろうかなとか、堤下と一緒にその夢を歩んでやろうかなと思った方がいたら、ブログでもTwitterでもFacebookでもYouTubeでもSHOWROOMでも、今、全部で舞台やクラウドファンディングの話をしてるので、何でもいいのでひとつ、触れていただけたらいいなと思っております。よろしくお願いします!

 

堤下プロデュース・出演の舞台『愛害〜12の本性〜』は、11月5日(火)23:59までクラウドファンディングによる支援を受付中。ぜひチェックしてみてくださいね!

『愛害~12の本性~』

日時:2019年11月8日(金)~10日(日)
会場:恵比寿エコー劇場
料金:前売り5,000円、当日5,500円
主催:吉本興業株式会社

プロデューサー:堤下アツシ
作:大村仁望
演出:渋谷悠
出演:後藤萌咲、倉田瑠夏、田中尚樹、真下玲奈、脇春、土井良祐、保土田充、長瀬貴博、小野弘喜、平舘真生、大村仁望、堤下アツシ

あらすじ:
プレオープンした相席ラウンジ。店内には楽しい時間を過ごす男女が4組と店員たち。
ところが、事態は一変。突如聞こえる轟音、そして停電…
地下の店内に全員閉じ込められてしまう。
何が起きたのかわからないまま過ごすことになる12人。
果たして彼らはどのように生き延びるのか…そして彼らは脱出できるのか…
クラウドファンディング:SILKHAT

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