2019年1月から神保町花月でスタートした「“今、演劇界で話題の脚本家・演出家・舞台俳優×よしもと所属タレント・芸人”のシナジーで、新しいスタイルの演劇を創っていく」試み。その第2弾として、2月20日(水)から3月3日(日)の期間に上演されるのが、舞台『莫逆の犬』です。

劇団ONEOR8が2008年に上演した作品のリメイクである本作。罪を犯し、自分の父親と彼女にかくまわれ、身を隠すために桜の木が見える家から1歩も出ない男の10年が丁寧に描かれた作品です。

主人公・一郎役を宮下雄也が、その彼女・美月役を大谷麻乃が演じ、一郎の父親役は板尾創路がつとめます。美月の弟・照実役をヒラノショウダイが演じ、照実の同僚・圭介役としてカラテカ・矢部太郎が登場するなど、そのキャスティングにも注目したいところ。

今回は、19日(火)に行われた通し稽古の模様をレポートします!

罪を犯し、かくまわれる男の10年と周囲の人間模様を描く

脚本・演出を務めるのは、劇団ONEOR8の田村孝裕氏。田村氏が見守るなかスタートした通し稽古は、本番さながらのピリッとした緊張感に包まれていました。

物語は約10年前、2008年からスタートします。舞台はとても居心地のよさそうな、かわいらしい部屋。片隅にあるキッチンの小さな窓から見える満開の桜の木をぼんやりと眺める男が一郎(宮下雄也)です。外に出ることができない彼にとっては、この窓からの景色が唯一見ることのできる“外の世界”なのです。

そんな一郎をかくまうことを選択した恋人・美月(大谷麻乃)は、一郎と一緒に暮らすことになった今の状況をどこか楽しんでいるようにも見え……。一郎の父・幸三とともに新生活の準備をいそいそと始めます。

一郎と美月は、仲むつまじく一緒に歯を磨いたり、お風呂に入れる入浴剤を一緒に選んだりと、ささやかながらも楽しい生活を送ります。美月の弟・照実(ヒラノショウダイ)が突然家にやってきたことでコミカルな展開を見せるなど、ところどころ笑えるシーンも。

一見普通の恋人たちが過ごすような同棲生活を送る2人ですが、やはり年月が経つにつれ、それぞれを取り巻く状況が少しずつ変化していき、気持ちも変わっていくのでした。

外に出られない辛さはあるものの、あくまでも優しい一郎に対し、いつまでこの状態が続くのかわからない現実に、真綿で首を絞められるようにじわじわと辛さを感じていく美月。

息子を思う気持ちは変わらないものの、状況が変わり、満足に息子の面倒を見られなくなっていく幸三(板尾創路)……。

誰も悪くないのに、年月を重ねていくごとに3人の関係はどんどんこじれていきます。

宮下雄也、大谷麻乃、板尾創路ら3人の個性がぶつかり合う

10年という長い年月を、1年(ワンシーン)ずつ切り取って丁寧に見せていく本作。暗転がないシームレスな構成のため、あっという間に10年が経ったように感じられます。区切りのない一郎の時間軸を表しているようにも思えます。

身を削った体当たりの演技を見せる宮下雄也、ときに優しく、ときに残酷な女を全力で演じる大谷麻乃、淡々としながらも、そこにいるだけで存在感があふれる板尾創路と、役者としての3人の個性がぶつかり合うことで、心地いい緊張感をもたらします。

最後まで緊張感が途切れることなく、本番さながらの舞台となっていました。ラストシーンまで一瞬も目が離せない『莫逆の犬』、ぜひご覧ください!

神保町花月2月公演『莫逆の犬』

日時:2019年2月20日(水)~3月3日(日)
場所:神保町花月
料金:前売 4,500円(税込) / 当日 5,000円(税込)
チケット:発売中

■チケットよしもと Yコード:999-070
0570-550-100(24時間受付)
■チケットぴあ Pコード:597-723
0570-02-9999(24時間受付)
■ローチケ Lコード:34409
0570-000-407(オペレーター予約:10:00~20:00)

脚本・演出:田村孝裕(ONEOR8)
出演:宮下雄也 / 冨田直美(ONEOR8) / 山口森広(ONEOR8) / 恩田隆一(ONEOR8) / 大谷麻乃 / ヒラノショウダイ / 西田どらやき(入間国際宣言) / 奈良岡にこ / 矢部太郎(カラテカ) / 板尾創路

公式サイト:https://bakugyakunoinu.yoshimoto.co.jp