9月1日(日)に放送されたドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)に、吉本興業所属の若手芸人・ぱろぱろ(和田昭也、大久保健)が出演しました。

出典: @slimboy24

番組では、コンビ揃って“フィリピンハーフ”というバックボーンを持つぱろぱろの2人に密着。彼らが今まで抱えてきたの出自にまつわる悩みや、家族との関係が赤裸々に明かされました。悩み苦しみながらも、懸命に芸人の高みを目指す彼らに、応援の声が寄せられています!

コンビ名はフィリピンパブの隠語で「浮気者」

ぱろぱろは、大久保健と和田昭也が2016年7月に結成したお笑いコンビ。2人とも、フィリピン人の母と、日本人の父の間に生まれるという同じ境遇の元で育ち、自身のルーツを活かしたネタを披露しています。同期には、ガンバレルーヤ(よしこ、まひる)、ゆりやんレトリィバァ、おばたのお兄さんなど、すでに多方面で活躍するメンバーがずらり。

ぱろぱろは、渋谷のよしもと∞ホールで定期的に漫才を披露しているものの、テレビへの出演は未だに叶わず……。それでも彼らは「テレビに出て、皆さんを笑顔にさせて、大売れする」と夢を抱いています。

2人の出会いはNSC東京。“似たもの同士”と意気投合し、コンビを結成しました。“ぱろぱろ”は、フィリピンの言葉で“チョウチョ”の意味。しかし、日本のフィリピンパブでは“浮気者”という意味で使われることもあるそうで……そこから名づけたコンビ名のようです。

ぱろぱろのボケ担当・和田昭也

番組は、昭也の一人暮らしの様子を紹介しつつ、彼の過去に触れていきます。

昭也「(給食の時に)バナナみんな俺にくれるんですよ。フィリピンだから食うでしょ、バナナあるよ、みたいな感じ。バナナが基本出た時はいっぱい食べてましたね」

昭也の母はフィリピン出身で、1990年代に日本のフィリピンパブで働き、昭也の父と知り合い結婚。昭也を長男として4人の子が生まれました。昭也が6才の頃に、両親は茨城に一軒家を購入。昭也はその頃が一番しあわせだったと振り返ります。

しかし、当時の父の収入源はパチンコのみ。次第にローン返済が滞るようになり、昭也の両親はケンカを繰り返すように……。

昭也「親のケンカ見てるのが本当にキツかったですね、マジで。他の友だちの家とか行って、親が仲良くて、いい家に住んでいて、っていうのを見てるとやっぱりうらやましいなぁ、と」

昭也が17才になると、両親は一軒家を売却。これをきっかけに、昭也の母は家族と離れて暮らすようになったそうです。母が出て行ってから9年、昭也は、あの一軒家でしあわせに暮らしていた日々が忘れられないとのこと……。

番組のナレーションも「いつかビッグになって、家族みんなで暮らせる家を持つなんで、今では程遠い夢物語です」と語ります。

ぱろぱろのツッコミ担当・大久保健

ぱろぱろのネタ担当、健は実家暮らし。自分の部屋でネタを書き、夕食は台所にあった両親の残り物がおかずです。

健「もうこれしか無かったから。お金使うよりラッキーですよね」

その時間、健の両親は、自身が経営するフィリピンパブで働いていました。健の母も、若い頃はフィリピンパブで働き、健の父と出会いました。子どもができたことをきっかけにして、2人は結婚し、生まれたのが健。それから、夫婦は円満に過ごしてきたとのこと。しかし、健は母親がフィリピンパブで働いていることを受け入れられずに育ったそうです。

健「母親が(フィリピンパブで)働いているのを隠しながら生きていた中学3年間でしたね。いじめられる恐怖、みたいな。そんなことでたぶんいじめられないんでしょうけど」

ごく一部の友人以外には、母の仕事を隠していた健。

健「基本的には親のせいにしている子どもだったと思います。例えば、日本のしきたりみたいな、礼儀・伝統・文化みたいなものがてきていないのは母親のせい、俺がハーフだからだ、母親が普通じゃないからだ、っていう風に思ってた」

しかし、転機となったのが、高校時代のとある出来事。クラスメイトから、フィリピン人とのハーフだとからかわれたときに、健は照れながらも話を盛って、ボケてこんなことを言ったそうです。

健「“そうだよ、しかも危険な方で、マフィアとのハーフ”みたいなことを言ったら、もうドッて(皆笑って)。ほんと腹筋爆発してるんじゃないかみんな、ってくらい、笑いましたけれども。その時の快感で、それが(芸人を目指す)きっかけだったかもしれないです」

コンプレックスや、自分たちのルーツをネタにしているぱろぱろ。しかし、ネタの内容を関係者から「差別的だ」と言われることもあり、テレビの仕事は呼ばれず、声がかかるのは「テレビでは出来ないネタ」を売りにしたライブなどが中心……。

自分たちの武器が、自分たちの成功を邪魔してしまう。ぱろぱろは、そんなジレンマを抱えていたのでした。

昭也と健は、それぞれの両親と向き合うも…

番組の中盤、昭也は故郷を訪ねて、父と母、それぞれとの対話を通し、両親がどのような気持ちでいるのかを知ります。これまでの母の思いを知って、昭也はますます、家族が一緒に暮らすための家を買いたい、芸人として売れたい、という思いが強まっていきます。一方の健は、両親がぱろぱろのネタに心を痛めていることと向き合います。

健の母「(フィリピンを)どっかでバカにしているなぁと思う気持ちはあります」

健の父「フィリピン人をバカにして笑いを誘っているから、ちょっと良くないっていうのもあるよね」

フィリピンをネタにした笑いが、同じフィリピン人を傷つけているとわかっても、なかなか自分たちのスタイルを変えられない健は悩みます。

健「(フィリピンハーフであること)一番これが自分の人生のテーマで、一番魂乗っけやすいのがそれなのかな、って」

それでも母の言葉を受けてから、自分たちのネタは自分たちも心から笑えるのだろうか……という疑問が、健の中で膨らんでいきます。

バラバラになった家族を1つに…

昭也は父と母を誘い、3人で夕食を共にします。関係を回復させたい昭也の気持ちとは真逆に、父と母は言い争いになってしまい、頭を抱える昭也。しかし、ぱろぱろの漫才のDVDを見せることで、少しだけ場が和みました。

両親の関係をすぐには改善できなかったものの、自分たちは家族である、ということを再確認できた昭也。怒る母をなだめるために、昭也は力強く母親に宣言していました。

昭也「俺はあと2年すれば絶対に売れるから待ってくれ!」

単独ライブの観客の中には…

2019年8月、ぱろぱろの二度目の単独ライブが開催されました。観客には、健の両親、そして昭也の母の姿が。この日、ぱろぱろが披露した新ネタは、フィリピン人を差別する内容ではなく、彼らがフィリピンハーフとして体験した過去を笑いにするものでした。ライブの成功を見届けた2人の母は……。

健の母「嬉しかったです。本当に、安心しました」

昭也の母「すごい笑いました。笑いながら涙が出てきて。……嬉しいですね。本当に。もっと人を笑わせて、応援してもらいたいです」

ライブ後に、昭也は改めて自分の夢を語り、番組はエンディングを迎えます。

昭也「僕がきっかけで、家族が仲良くなって……それができたら最高ですね」

ぱろぱろ本人からのメッセージ!

ぱろぱろ(大久保健・和田昭也)の2人から、番組を見てくださった方へのメッセージが届いています!

出典: @bokuo_oukob

大久保「『ザ・ノンフィクション』をご覧になって頂き有難う御座いました。我々ぱろぱろは日本在住のフィリピン人やハーフの方々の希望や勇気になれるよう“笑い”というコンテンツで日々頑張っています。フィリピンという自分のルーツをネタにして、それを生み出す苦悩やお客様の笑い声、共感を得た時の快感などの、芸人が普段見せない裏の顔をこの放送でご覧頂き、ありがたいことに興味を示してくれた方が沢山おられました。

一方で“差別的なネタは笑えない”“自虐が行き過ぎ”などの言葉も頂きました。日本人もフィリピン人も笑えるネタというのを目指して劇場で目の前のお客様の笑い声を指標にネタを調整しています。

つまりそんな青く未熟な僕らを育ててくれるのは紛れもなくお客様です。今日よりも明日、明日よりも明後日と、面白くなれるように芸を磨いて行くので是非劇場に足をお運び下さい」

和田「『ザ・ノンフィクション』を見て頂いた皆様ありがとうございました!今お父さんお母さんは仲が悪いけどいつか僕が芸人として売れて、僕が家族を1つにできたらいいなと思ってます。

こうして大久保と漫才をやれるのは両親が僕を産んでくれたおかげです。大久保と漫才出来て幸せです。それでお客様が笑ってくれるともっと幸せです。

それでぱろぱろが売れて家族が1つになるともっともっと幸せです。笑わせる自信はあります!! 応援してくれる皆様、今後ともぱろぱろをよろしくお願い致します!」

夢に向かって努力する姿に心つかまれた人も!

ルーツにまつわるコンプレックスを抱えながらも、それらを笑いに変えて、芸人として羽ばたこうともがいている、ぱろぱろの2人。

出典: @akiya1212

自分らしい笑いで、たくさんの人を笑顔にしたい。芸人として売れて、家族みんなで暮らしたい。はっきりとした目標を持って、舞台に立ち続ける彼らですが、ビッグになるのは簡単なことではありません……。それでも夢に向かってひたむきに努力する彼らの姿に、応援したくなった視聴者も多かったはず! SNSでは、今回の番組を見て、「ライブを見に行きたくなりました!」「応援したい!」という声も寄せられていました。

今回のテレビ出演で多くの人の心をつかんだ、ぱろぱろ。いつかテレビでネタを披露する日が待ち遠しいですね!

ぱろぱろ単独主催ライブ ~アキヤとケン~

日程:2019年9月22日(日)13:45開場 14:00開演

会場:ヨシモト∞ドーム ステージⅠ(東京都)

チケットの購入はチケットよしもとから!(http://yoshimoto.funity.jp/

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