8月22日(木)、東京・公益社団法人日本外国特派員協会(FCCJ)にて、落語家・桂三輝(かつら さんしゃいん)による『ニューヨーク オフ・ブロードウェイ ロングラン落語公演 発表会見』が行なわれました。

落語の400年に渡る長い歴史のなかで、100年ぶりに外国人落語家となったカナダ出身の三輝。桂三枝(現・六代 桂文枝)の弟子として修行後、英語やフランス語を駆使して、5年間で5大陸15ヵ国において落語を披露し、日本文化を発信し続けてきました。

そして今回、9月19日(木)より、アメリカのニューヨーク オフ・ブロードウェイ『New World Stages』にて落語公演の開催が決定。最短でも4ヵ月間に渡るロングラン公演を前に、三輝は演出家のジョー・トレンタコスタ氏とともに会見に登壇しました。

師匠・六代 桂文枝に感謝

MCのFCCJ施設管理委員会委員長であるピーター・ランガン氏より紹介された三輝。「日本は“第二の故郷”。思いやり、気遣い、“究める”という“1つのことに集中して完璧な状態まで持っていく”こと、そして落語を学ぶことができました」と挨拶しました。

師匠である文枝を「常に謙虚で、観客への感謝を忘れない模範とすべき人。そんな師匠からは多くのことを学びました」と感謝しつつ、「落語という伝統的な文化を受け継ぎながら、200年前だったら想像できない規模に発展させようとしている」と表現します。そんな師匠から学んだ落語を、ブロードウェイで披露したいと意気込む三輝。

さらに、「観客はわざわざ時間を割いて、お金を払って、劇場で笑いを楽しんでいる」と落語を商業娯楽として鑑賞する日本文化の趣を紹介し、日本のみなさんが楽しんでいるのと同様に、世界でも落語を商業娯楽として定着させたいと思っていると語ります。「今回のブロードウェイ公演は、その大きな目標への第一歩とし、「歌舞伎、相撲、芸者、侍、寿司、居酒屋、俳句……などと同じように、“RAKUGO”が世界でも使われるようにしていきたい」と、ロングラン公演に意欲を見せました。

三輝の熱いメッセージに、トレンタコスタ氏は「落語はシンプルに物事を語る力がある。美しい舞台で、落語を紹介できることを楽しみにしています」と期待を寄せました。

落語家の弟子文化!兄弟子とのエピソードも

日本独特の弟子文化について、ランガン氏から質問された三輝。約3年間の修業期間は厳しかったと振り返りつつ、「お金を払って1~2時間レッスンするより、四六時中、一緒にいることで多くのことを学べたと思っています。落語家として学ぶために、弟子(文化)にまさるものはありませんでした」と答えます。

また、日本語がまだ不慣れだった頃、兄弟子が師匠へ伝える「師匠、もしよろしければお茶をいれさせていただいてもいいでしょうか?」という言い回しを3日かけてマスターしたそう。「(言い回しが)成功したら、兄弟子が“やったー!”と拍手して喜んでくれたんですけど、“これから君がお茶汲み担当だ”と言われて。師匠は僕がお茶をいれるときにしか日本語を話さないので、兄弟子へ“カナダではお茶が人気あるんか?”と聞いたそうです」とウィットに富んだエピソードで、場を和ませました。

記者のオファーで小噺を披露!

記者からの「小噺(こばなし)して!」というオファーに、三輝は「落語がブロードウェイで通じるのか?と思われている方もいると思うので、今回披露する予定の落語のまくらを2~3分、紹介したいと思います」と快諾。「日本語はわからないつもりで、ニューヨーク的な雰囲気で聞いてください!」と、落語で使う扇子と手ぬぐいを紹介しながら、日本語と英語の違いを軽快に噺しました。

9月11日(水)には、東京・六本木ヒルズクラブにて『ニューヨーク落語ロングラン公演直前 桂三輝特別イベント』も開催予定。落語の新しい可能性を追求し続ける三輝に、ぜひご注目ください!

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