吉本興業が東京・渋谷につくった次世代シェアオフィス「Laugh Out(ラフアウト)」が、7月22日にいよいよオープンしました。

コンセプトは、「コ・クリエイティング&コ・ワーキング」。単なる“働く場所”ではなく、さまざまな才能を持つ人たちが集まって一緒に創作活動を行うコミュニティ型のワーキングスペースです。
そこでは、どんな“化学反応”が生まれるのでしょうか?
オープン記念レセプションではパネルセッションが行われ、早速化学反応が生まれた様子。

今回はこのパネルセッションの模様をお届けします!

暗い世の中を「笑い飛ばす」!

「ラフアウト」は、渋谷の公園通り沿い、建て替え中の渋谷公会堂の向かい側にあります。
周辺では、渋谷パルコが今年11月下旬にリニューアルオープン予定。
大きく変わる渋谷の街の一角で、吉本の新たな取り組みがスタートしました。

3階建てビルの1階は、フリーアドレス席のフロアでラジオスタジオも併設。

2階は、固定席フロアになっており、時間を気にせず集中して作業ができると早速大人気エリアになっているんだとか!

3階には、会議室とネット動画配信スタジオなどを完備。動画クリエイターも思い切り作業ができるようです!

施設は会員制。クリエイターや起業家、企業のプランナー、そして芸人など、ユニークな人材たちが同じ空間に集まり、新しいコンテンツや仕事を生み出す場所として、早速注目を集めています。

「ラフアウトとは英語で、笑い飛ばす、という意味です。英語圏のネットスラング『lol(Laugh Out Loud)』のラフアウトでもあります。いま世の中がちょっと暗い感じじゃないですか。だから、街中に笑いがあふれる場所になってほしい、という思いを込めました」

そう語るのは、インテリアショップ「IDEE(イデー)」の創始者で、「ラフアウト」の名付け親の黒崎輝男氏。都内で個性的なコワーキングスペースを展開する「ミライ・インスティテュート」社長も務め、今回、吉本とタッグを組んでラフアウトの運営を行っています。

17日に開かれたパネルセッションでは、黒崎氏のほか、アートディレクターとしてさまざまな分野で活躍する「れもんらいふ」社長の千原徹也氏、飛び出すパラパラ漫画の動画「パラデル漫画」で注目されるよしもと芸人の本多修、そしてモデレーターとして、渋谷区観光協会代表理事の金山淳吾氏が登壇しました。

キーワードは三つの「C」

ラフアウトは、三つの「C」がキーワードになっていると思うと語るモデレーターの金山氏。「Creator(クリエイター)」、「Community(コミュニティ)」、「Culture(カルチャー)」の「C」であるとし、千原氏に、アートディレクターとして、このラフアウトでクリエイターたちが集って創作活動をすることで、どういう作品が生まれると思うか尋ねます。

千原「僕なんかの時代は、どこか大きな広告代理店に入って、そこで修行して一人前のアートディレクターになる、というのが一般的でした。でも、いまはインスタグラムなどに個人が自由に作品を発表できる時代になり、デザインの仕組みも完全に変わった。企業に入らなくても、発表できる場はたくさんある。1人の女の子のインスタ投稿のほうが、影響力があったりする。そんな“個人のパワー”を発揮するのに、ラフアウトのような場はうってつけです。個人のクリエイターが増えているなか、こういう場所から面白いコラボレーションが生まれるのかな、と思います」

金山「いまクリエイターという職業の機会は、みんな平等にありますよね」

千原「僕も、もともとの肩書はアートディレクターですが、最近はセカンドキャリアというか、自分でいろいろな分野で発信することを自由にやっています。そうするとクリエイターに変わってくる。芸人さんも、自分で発信することで芸人の枠を超えてクリエイターと呼ばれる。いまは、「縦」の職業の枠を「横」にどんどん飛び越えていくような、そういう仕事の仕方になっている時代だと思います」

芸人の新しいプロデュース力

黒崎「芸人なんかも、インスタでフォロワーが何人いるかとか、それがパワーになっている。単なるお笑い芸人じゃない、新しいプロデュース力が求められる時代になっています」

本多「僕は、もともと漫才を13年くらいやっていました。だけど、寝坊が多くてちょっと謹慎になってしまいまして。そのときに、ツイッターのフォロワーを集めたいなと考え、パラパラ漫画の動画を始めたんです。
僕自身、最近はクリエイターと呼ばれるので、「あれ、オレ、クリエイターなのかな」と思い始めたところです(笑)。だから、昨日も美容室に行って、軽くパーマをかけちゃいました(笑)!漫才をやっているときは絶対にしなかったけど、クリエイターと言われてるし、まあ許されるかなと」

金山「いま芸人さんでも、ほかの才能を発揮する人が増えています」

本多「ラフアウトでは、「YouTube」などの動画撮影もできるんですよね。いま芸人の間ではYouTubeに進出している人も多いし、それを見て動画編集をやってみたいと言う人も多い。ここをぜひ紹介したいですね」

黒崎「コミュニティラジオ局も立ち上げる計画なんで、そういう芸人さんたちが、ラジオに出るのもいい。施設の目の前にあるNHKよりもイケてる情報発信をしていきたいですね!」

コミュニティが生まれる場所

金山「二つ目の「コミュニティ」はどうですか」

黒崎「最初にコミューン(共同体)という言葉があって、コミュニケ―ション、コミュニティになった。すべての根本のあるのは、「一緒になにかやろう」ということです。1人ではなく、みんなで考えて知恵を集める。まさに、いまはそういう時代になっています」

金山「千原さんは、ここで「塾」を開くそうですね」

千原「5年前に「れもんらいふデザイン塾」というのを京都で始めて、去年から東京でも始めました。今年は、ここで10月からやる予定です。クリエイターやタレント、俳優、アートディレクター、カメラマンなど、さまざまな人が登壇して、2時間しゃべって、一緒にご飯を食べたり、作品をみんなでつくったり。これまで、そうすることでコミュニティが生まれる場所を無理やりつくってきましたが、ラフアウトはそうした活動にまさに適しています」

黒崎「ラフアウトに所属するということ自体がコミュニティ生成になってくると思いますね」

金山「まったく別のコミュニティとコミュニティが、この場所で出会って新しいコミュニティをつくっていけるといいですね」

「働き方」がカルチャーになる

金山 そして、最後は「カルチャー」。渋谷は1960~70年代にファッション文化が花開き、その後、音楽カルチャーが育ちました。ところが2000年代以降、オフィスビルが増えて、カルチャーは停滞期と言われるようになりました。

黒崎「これからはワーキング・トゥギャザー、つまり一緒に働くことで「働き方」がカルチャーになっていくと思います。
僕自身の経験では、インテリアショップ「IDEE」をやっていたとき、いまや世界的なプロダクトデザイナーのマーク・ニューソンがオーストラリアから来て、5年くらい働いていました。そのとき、うちでジョナサン・アイブと出会い、その後、アップル製品のデザインを2人で担うことになった。そういうことが、この場所で、お笑いだとか、デザインだとかで起きれば最高だな、と思います」

金山「黒崎さんは、ミライ・インスティテュートでコワーキングスペース「みどり荘」を運営していますが、ラフアウトに通じるものはありますか?」

黒崎「僕は、場にクリエイティブな空気感とか気配みたいなものを作り出すことが、究極の街づくりだと思っています。ラフアウトでも、それを目指します。そのために僕のまわりのクリエイティブな人をどんどん集めてきて、世界中からいろいろな人が来ればいいなと思っています。とにかく渋谷の公園通りに面白いヤツがいっぱいいる、という状態をつくりたいんです」

金山「それは重要な指摘で、観光協会の仕事で観光客たちにインタビューすると、東京の人たちは道で笑っていない、つまらない顔をしていると言うんです。スマホをいじりながら下を見ているか、つらそうな顔をしている、と。ラフアウトのまわりは笑顔であふれてほしいですね」

黒崎「笑いがどんどん生まれれば、街が変わるんじゃないでしょうか。私はずっと「デザインで街を変える」と言ってきましたが、ラフアウトは「笑いで街を変える」。デザインやアートディレクションだけでなく、音楽とか、笑いとかで、この界隈が変えていきたいですね。僕は渋谷パルコのリニューアルにもかかわっているんですが、そことも連携させて公園通りを変えたい、というのが僕のやりたいことなんです」

千原「とにかく「ラフアウト」という言葉がいいですね。ワーキングというと、隣の人にあまり声をかけちゃいけないとか、みんな静かに仕事をしている印象もありますが、みんながこの言葉で、ちょっと話しかけて、一緒になにかやろうよ、というパワーのある場所になればいい」

金山「このラフアウトという施設で、いろんな人が出会っていろんなビジネス、文化が生まれることを期待したいですね!」

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ラフアウトでは希望者の皆さんに向け定期的に内覧会を実施しているそう。渋谷のど真ん中のクリエイティブスポットに興味を持った方は、ぜひまず見学に行ってみてはいかがでしょうか?ラフアウト特製コーヒーも人気のアイテム。お試しくださいね!

 

施設概要

Laugh Out(ラフアウト)

住所:東京都渋谷区神南1-7-8
メンバー会員契約(渋谷)
固定デスク…自分だけのデスクを持つプラン:80,000円/月(税別)
フリーデスク…その日の気分で場所を選ぶプラン:40,000円/月(税別)
施設内覧をご希望の方はラフアウト公式サイトをチェックしてみてくださいね!

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