2月14日(木)、サンシャイン・坂田光の初著書『この高鳴りを僕は青春と呼ぶ』が発売されます。

本著は、吉本興業とSTORYS.JP(ストーリーズ)による1人ひとりの人生の物語を発信するプロジェクト『カタリエ2』のノンフィクション部門の大賞を受賞した作品に大幅な加筆を加えたもの。

東京で大学の同級生・信清淳とともに憧れの芸人としての道を歩むことに決めた著者が、自身を形成した過去を振り返りながら、芸人としての毎日、そして東京で出会った彼女とのすれ違いなど、芸人として生きるヒリヒリとした日々を綴った作品。やりたいことを実現できないもどかしさ、焦がれてやまないお笑いへの愛、出会った人たちや家族への溢れんばかりの心情が、ほとばしく情熱とともに表現されています。

そして今回は、著者である坂田へインタビュー。毎日10時間、ファミレスで挑んだ本著への熱い思いを語ってもらいました。

——まず、できあがった本を手に取った感想をお聞かせください。

「今日、ようやく本が家に届いたんです。このインタビューを受ける前にババババッと読んでいたら、泣いてしまいまして。それが感動したからなのか、寝起きだったからなのかわからないですけど、1粒の涙がポロリと落ちて、ページに滲んで変な感じになっちゃったんで、記念すべき僕のものにしようと思いました」

――『カタリエ2』に応募したきっかけは、よしもとの社員さんの「書いてみたら?」っていう一言からだったんですよね。

「その一言がなければ、参加してなかったと思います。僕はミクシィ世代で、大学生の頃はそこに日記みたいなものを書いていて、芸人になってからもブログにその時々の心情を赤裸々に書いてた。

それをその社員さんが読んでくれて、“坂田さんの文章、いいですね”って言ってくれてたんです。で、今回、そうやって褒めてくれてた人から声をかけてもらったので、参加することにしました。

書いてみて何より嬉しかったのは、サイトに載せたのを読んでくれた地元の友達がコメントをくれたこと。あんまり喋ったことがなかったヤツがわざわざメッセージを残してくれたのはマジで嬉しかったですし、メールだったり、LINEだったり、電話だったり、久しぶりに連絡をくれる人もたくさんいて。大賞が獲れなくても、これだけ反響をもらえばゴールだなと思っていました。

……いや、すみません! カッコつけましたわ。大賞はそれ以上に嬉しかったです!」

――ただ、書籍化するために膨らませるのは大変だったんじゃないですか。

「元々、1万字くらいあったのを10倍の10万字にしましたからね。産まれてからの記憶まで遡りながら思い出すために、半年くらい、ほぼ毎日ファミレスに通っていました。

そのファミレスはネタを書きに行くところでもあるんですけど、毎日10時間くらいいたので、ファミレスのお客さんの動きが完全にわかりましたね(笑)。

全部書き終わったら、いつも笑顔で接してくれる店員さんに告白しようっていうことを情熱にして書き上げました。そういうところにモチベーションを置かないとどうしようもないくらい、書く作業は孤独すぎました」

――記憶を遡ったということですけど、具体的に何をしたんですか。

「いざ書こうとした時、自分を形成するに大事なエピソードが学生時代にあるなと気付いて。そっちを濃く書きたいなと思ったので、地元の福岡での幼少期から思春期、大学時代のお笑いサークルみたいなグループに入っていた辺りのことを、家族だとか当時の友達に写真を送ってもらったり、エピソードを確かめたりしました。

昔のエピソードを思い出しながら書いたので、当時の自分はこう思ってたのかとか再発見できたのもよかったというか。……あの時、ようがんばってたなぁとか思ったり、当時の嫌だったことを思い出して泣いたりしましたね。

僕、ネタを書く時も、完全にスイッチが入るまでめっちゃ(時間が)かかるんです。エンジンがかかったらガッと書き進められるんですけど、今回も温める作業には時間がかかって。その分、書き始めたら感情がうわっと来て大変でしたけど」

――本1冊分の文章を書くのは初めてだということですが、参考にしたものはありましたか?

「ネタも最初はどうやって書いたらいいかわからなかったんですけど、売れてる芸人さんや、受賞者の人たちのネタを書き起こしながら、ここはこうなってるんだなとか書き方をまず勉強したんです。

今回も同じように、自分が持っている本を全部、読み返して。例えば、燃え殻さんの『ボクたちはみんな大人になれなかった』とか又吉(直樹)さんの『火花』も読んで、書き方のロジックを紐解きました。

あと、担当の編集の方に文法的な細かい部分をたくさん指摘してもらったんです。100時間くらいやり取りしたんじゃないですかね? そのおかげで、とんでもないスピードで文章力が上がった気がします」

――個人的に、序章はすごく文学的でいいなと思いました。

「あぁ、嬉しいです。最後に書きましたし、何度も何度も書き直したので、あそこは半年の成果がいちばん表れているのかもしれないですね」

――どんな方に読んでほしいですか?

「くすぶり芸人に。これを読むと、あと2年は(芸人人生を)延命できると思います。もちろん、辞めることは悪いことではないです。

だけど、1ミリでも未練があるなら、この本を読んでほしい。コンビを解散してピンになって売れる方もいるじゃないですか。

この本にはそうなってもおかしくなかったヤツもいっぱい出てくるので、今、ギリギリで生きている人にはちょっと読んでもらいたいです」

――坂田さんと同世代、もしくは10代や20代の人は様々なもどかしさを抱えている人が多いでしょうから、そういう人にも読んでもらえるといいですね。

「日々、もがいてる人には、ぜひ読んでもらいたいです。……この前、Twitterに高校3年生の男の子からDMが届いたんです。『カタリエ』を読んでくれたみたいで、芸人になるか大学生になるか悩んでるけど、大学に進学することにしましたっていう熱いメッセージで。

こういう子にも届いてるんか!と思ったらテンション上がってしまって、その子が引くくらいの熱量で返事しちゃいました(笑)。で、グッと来るラリーをして……会いたいですわ、その子に。ああいう感想をもらえるのが、マジで嬉しいです。

お笑いはおもしろかったっていう感想でいいんですけど、文章に対しての感想って詳しいものが多いので嬉しい。本が出ることで、いろんな人に感想をいただけると思うと楽しみです。いい酒の肴になりそうですね(笑)」

――帯は又吉さんが書いてくれ、そして表紙のイラストは同級生でイラストレーターのナカゾノヨシオさんが描いてくださいました。

「又吉さんは普通にファンで5冊くらい本を持っているので、マジで嬉しいです。昨年末、忘年会に呼んでもらいまして、帯をお願いしたら書いてくださいました。

『頭の上に本を置いたら、おもろいかおもろないかわかるねん』って言って、本を頭の上に乗せて『おもろい、おもろい』って言ってくれた。さらに、本の感想ももらいましたし、なんならオススメの本も教えてくれて……愛の塊やな!と感激しました。

表紙のイラストを書いてくれたヨシオは、僕と(相方の)信清の友達なんですよね。大学に行くのに1時間くらいかかったんですけど、電車の中でずっと喋ってました。

いろんなパターンの絵を書いてくれたんですけど、昼間に屋上にいるイラストとこっち、どっちにするかでちょっと揉めたんです。僕は昼間のほうがいいなと思ったんですけど、スタッフさんに聞いたら全員、こっちで。……ただ、いざ本になって見て、マジでこっちにしてよかったと思いました」

――26日には出版記念トークライブも開催されます。

「ロビンソンズ・北澤さんは知り合う前からブログを読んで、この若手の子は最高にいいって色んな人に広めてくれてたんです。しずる・村上さんもよくしてもらっている先輩なので、そんなお2人と喋れるのはありがたいですし、楽しみです」

――あと、著書では芸人を辞めようと思ったことについても書かれていましたが、今はどんな心境ですか。

「もちろん、心が折れる瞬間はあります。けど、この本を書き上げたことで熱が上がってきたというか。この本を書いた以上、芸人は辞められないぞっていうすばらしい生命保険ができましたね。助けてくれてますわ、僕の芸人としての命を。

霜降り(明星)、しゅんP、ゆにばーす……同期が結果を出しているので、僕らもどうにか! うまくいかないことの方が多いですけど、100本コントもギアを上げてがんばりたいと思います」(※現在、サンシャインはキングオブコント優勝をめざして新作コントを100本作ると宣言している)

――最後にラフ&ピース ニュースマガジンを読んでくださっている方々へ、改めて著書のPRをお願いします。

「夜がヤバい人、読んでください。どうしようもない夜って誰にでもあると思います。この本を読んでも乗り越えるまではいかないかもしれない。

けど、そんな夜がちょっとでも愛しくなるような文章を全身全霊で書いたので……まぁ、酒でも飲みながら読んで……くださいやぁ~~!」

――最後に照れが出ましたね(笑)。

「はい、照れました。けどまぁ、そんな時に読んでくれたら嬉しいです」

この高鳴りを僕は青春と呼ぶ

著者:坂田光
価格:1,296円(税込)
ヨシモトブックス刊

著書刊行記念イベント「この高鳴りを今夜は全部話す」

日時:2月26日(火)開演20時
会場:本屋B&B
出演:サンシャイン・坂田光、しずる・村上純、ロビンソンズ・北澤仁
チケット:前売1,500円/当日2,000円 (+1ドリンクオーダー制)