お笑いコンビ・NON STYLEの石田明が、東京大学の学生に向けた漫才ワークショップを9月10日(金)に開催しました。東京大学と吉本興業のコラボによる「笑う東大、学ぶ吉本プロジェクト」の一環として行われたこのプログラム。東大生16人を東京・新宿の吉本本社に招き、M-1王者の石田が“漫才というコミュニケーション”をテーマに座学を行ったほか、漫才のネタ作りからネタ合わせ、ネタ披露までを体験してもらいました。

東京大学の「知」と吉本興業の「エンターテインメント」を掛け合わせた「笑う東大、学ぶ吉本プロジェクト」は、東大生たちが新たな文化や価値観に触れるプログラムに参加することで、新しいアイディアや発想を生み出す力を身に付けることを目的とする取り組み。今回の漫才ワークショップもその一環で、漫才の体験を通じてコミュニュケーション力を高める目的で開かれました。

M-1王者が教える漫才のノウハウ

会場に集まったのは、学年も学部もバラバラな東大生16人。ほぼ初対面ということで、お互いを知るために自己紹介をしたあと、さっそく石田による漫才講義が始まります。

講義でまず伝授されたのは、漫才の基礎。「漫才に重要なのは常識」と石田は言い切ります。東大生ともなると知識が豊富ですが、そこに偏りがあったり、常識が異なっている場合もある。だから、まずは世の中と常識を合わせることが大切で、そのうえで、その常識を「壊す」ことが笑いにつながると説明します。

漫才には、“人に伝える”という意味でもノウハウが詰まっています。会話の深堀り、相手に伝わるワード選択、フリとオチの重要性、身振り手振りの効果……ふだんのコミュニケーションでも使える技術ばかり。石田は、こう語ります。

「台本で覚えたものを確実にこなそうとすると、文字を追うことに意識が集中して、台詞が前(客席)に飛ばないんです。そうじゃなくて、なんとなく流れで覚えて、自分のパワーでつなぎ合わせる。そうすると、だんだんと前に伝わるようになります」

さらに「言葉というのは器。これに、どれだけ感情や含有物を入れられるか」が重要だとして、社会人になってプレゼンをする場合にも「『この企画が素敵なんですよ!』と説明するとウソくさいが、感情を乗せて企画名を言うだけで伝わる場合がある」と訴えました。

こうした講義のほかにも、ボケのない自己紹介文章が書かれたテキストにボケを入れて発表したり、石田流のお笑いロジックを紹介したり、とにかく濃い内容の1時間となりました。

「出るだけで会場の空気が変わった」

座学のあとは、ネタ作りと漫才の披露に挑戦。まずは学生同士でコンビを組み、ネタ合わせをします。石田から学んだ漫才の作り方の基本を踏襲したり、頭を悩ませて話し込んだりしながら、約2時間半でそれぞれがネタを作り上げていきました。

そして、いよいよ本番。石田が「見る側も、やる側も、楽しむことが大事」とエールを送ると、計8組のコンビがネタを披露します。

どのコンビも講義で習ったことをうまく取り入れつつ、個性を生かしたネタや、キャラクターを憑依させたネタ、ツカミで一気に観客を惹きつけるネタなどバラエティ豊かな漫才を披露し、数々の笑いを生み出していました。

クオリティーが高い発表ばかりで、審査に頭を悩ませる石田。最終的には、舞台を大きく使った動きや大衆の心をつかむキーワードで爆笑をかっさらった、教養学部理科一類の1年生コンビ・大島さんと野口さんの「39(サンキュー)太郎」が賞を勝ち取りました。

彼らのネタを見た石田は「一気に(客席にいた)取材陣をつかんだんですよね。『M-1グランプリ』でもよくあるんですけど、39太郎が出てから会場の空気が変わった。この功績はでかいです」と総評しました。

受賞した野口さんは「初めて漫才を作って、庭で練習したり、舞台に出たり、好きな芸人さんの体験ができてとても楽しかったです」とコメント。大島さんも「2人で出る前に『伝わらないと、楽しんでいても意味がない。声だけは出そうね』って話し合っていました。それができてよかったです」とうれしそうに語りました。

漫才の体験が社会生活のヒントに

ワークショップ終了後の囲み取材で、石田は講義の意図についてこう語りました。

「ただ漫才を体験してもらうだけではなくて、ひとつのコミュニケーションツールとして、今後の学生生活、社会人生活にも何かヒントになるものがあるということを伝えさせていただきました」

講義をするなかで、東大生の印象も大きく変わったと言う石田。

「勝手なイメージで、東大生には頭が固い方が多いのかなって思っていたんですけど、じつは柔軟な方が多い。人の話を聞ける態勢があって、こういう方がなんでも吸収して伸びていくんやろなと感じました。メモを取るポイントも、ここが重要だとわかってくれているなと、(学生たちの)反応を見て思いました」

そんな石田の講義について、この日の進行役を務めた天狗・横山裕之は「なるほどな、と思う1時間だった」と芸歴17年のプロでも唸る授業だったとコメント。一方、相方の川田哲志は学生たちのネタについて、「マジで5個、パクるところがあった」と話して会場を笑いに包みました。

ワークショップでは学ぶことが多かったと話す39太郎の2人。「人を笑わせるだけでなく、プレゼンする相手にちゃんと伝えるというのは、中学・高校では意識していなかったこと。この時間でその力が付いたと思います」と野口さんが満足そうに語れば、大島さんも「(取材に来ていた)メディアの方やカメラがあって緊張したんですけど、いい経験になりました」と笑顔で振り返りました。

9月27日(月)には、東大生が企画を務めて令和ロマンらが出演する特別ライブ『東大×吉本 笑いの傾向と対策 令和3年度版』が神保町よしもと漫才劇場で行われます。

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