南米でサッカー経験がある3人の吉本芸人――ですよ。、バンビーノ・石山タオル、オチャニゴス・マリン。若かりしころ、「南米でサッカーをしたい!」という夢を抱いて異国の地に渡った彼らが直面したのは、“刺激”のありすぎる生活でした。心温まるエピソードからハラハラする事件まで、彼らが体験した「鉄板トーク」をご堪能あれ!

「ペレが死んだ」の意味は!?

――南米で本格的にサッカー生活をしていた3人ですが、南米サッカーあるあるを教えてください。

ですよ。 (選手が)利き足しか使わないってことない?

一同 ありますねー。

ですよ。 日本って真面目だから、指導する側がちゃんと両足で蹴ることができるように教えるんですけど、向こうは違う。1回のトラップで自分の蹴りやすい場所にボールを置いて、プレーしやすいようにしてる。

マリン パラグアイでは、勝ってるときにボールボーイ(素早く試合を進めるためピッチ付近に待機して選手にボールを渡すスタッフ)を全員いなくさせることもありました。

石山 スラングで指示されることもありましたね。たとえば、「ペダル・ロビーニョ」。ロビーニョのペダルっていう意味で、ロビーニョ(元ブラジル代表)みたいに早く走れってことなんです。

ほかにも、女の子に告白することを「パスする」って言いますし、俺の人生終わったっていう意味で「ペレが死んだ」って使われますし、日常生活の言葉にもサッカーが入ってきますね。

――土地柄が出ますね(笑)。

石山 あと、フーリガンは思っているより3倍は怖いです。サッカーを観に行ったとき、ホームチームを応援したいんですけど、アウェイのサポーターもいるから、ちょうど中間の別チームのユニフォームで行くんですよ。客席に座ってようやくホームのユニフォームに着替えられるっていう。じゃないと、目をつけられてボコられることもありますから。

それから、神経質だと生きていけないです。試合中に足を蹴られて「なにしてんねん」って言うても、相手はなにも思ってない。だから、サッカーで勝つしかない。審判も、(相手が)蹴ったのを見てるのにそのままプレーを流すから、気にせずやらないとしゃあないなって。

マリン 僕も最初に教えてもらったのが汚いプレーでした。

どこかで発砲音が…

――では、実際に南米に住んでみて驚いたことは?

石山 どこからかパーンという発砲音が聞こえて、なんの音!?っていうのは、よくありました(笑)。誰かが何かを撃ったのか……謎の音が聞こえてきて、一瞬、会話が止まるんだけど、またしゃべり出すっていう。

あと、待ち合わせは30~40分、平気で遅れて来ますよね。早めに来ちゃうと“用事がないヤツ”って思われて、恥ずかしいんですよ。だから絶対に時間を守らない。日本の常識で考えるとしんどいですよね。

ですよ。 そう。あとは、おカネ貸しても返ってこないとかね。

石山 信号とかで車をとめたときに、5、6歳の子が窓を拭きに寄ってくるのをワイパーで「いらんいらん」って避けるみたいなことはありますね。

ですよ。 勝手に車を拭いて、(カネを請求するように)手を出すからね。最初は、この子かわいそうだなって思ってたんですけど、僕、現地の人より貧乏な暮らしをしてたので、3~4年暮らしていると、なにも思わなくなりました。

――精神的にも鍛えられますね。

ですよ。 たとえば「日本で仕事がない」といっても、しっかり探せばあるじゃないですか。だけど、ボリビアで「仕事がない」といえば、本当にない。だからサッカーをやるにしても、“そこでプロになってレギュラーを勝ち取らないと生きる道はない”っていう気持ちを持っている人が多いですよね。

出典: マリン提供

バスジャックで無一文に

――南米で怖い目にあったことは?

ですよ。 僕は20~21歳のとき、イグアスの滝(ブラジルとアルゼンチンにまたがる世界3大瀑布の1つ)を見にいったら、バスジャックに遭いました。

一同 えー!

石山 1発目からそんな話ですか(笑)。

ですよ。 乗ったのが観光バスだったし、みんなおカネを持っていたから狙われたみたいです。2時間くらい走ったときにバスが森に入ったから、近道だと思ったんですよ。昼なのに木が生い茂って真っ暗なところだったんですけど、そこにバスが停まって……。

そこで、帽子、マスク、サングラスした銃を持った4人組に、1人ずつおカネ盗られちゃって。当時、僕はラコステのポロシャツを着てたんですけど、そんなものは向こうで売ってなかったから、「脱げ」って言われて盗られて。そのあと、エドウインのジーパンも盗られて、パンツ1丁にさせられました。

最後にはCDウォークマンも盗られたんですけど、中に入っていたCDは「いらない」って投げつけられたんですよ。そのCDが、ZARDの『負けないで』でした。

一同爆笑

石山 すべらない話!? ボリビアの話は、もっとテレビでしたほうがいいですよ(笑)!

ですよ。 で、そのあと強盗犯が逃げたので、バスの運転手から「追いかけるか? それとも目的地に進むか?」って言われて。怖いから目的地に進むということになったんですけど、後で聞いたら運転手もグルで……。この手の犯罪はめちゃめちゃあるらしいです。

出典: ですよ。提供

――怖いですね。その後、どうなったんですか?

ですよ。 俺はパンツ1丁で、ZARDの『負けないで』を持ってるだけ。異国の地で一文なしってヤバいじゃないですか。道中、「JICA(国際協力機構)」の看板が見えたから、その人たちに助けてもらおうと思って、運転手に「止めてください」って言いにいったら、いちばん前の席に日本人が2人座ってたんですよ。

なんでその2人がいたかというと、イグアスの滝の途中に「イグアスの村」っていう日本人が1,000人くらい住んでいる街があって、そこを通ったからたまたま乗ってたんです。

そこでサカイさんっていう、当時65歳くらいの夫婦で暮らしていた方が「家に来な」って言ってくれたんです。自宅のお風呂に入らせてもらって、日本食もごちそうになって。空いてる部屋があって、そこに泊まらせてくれたんですよ。

いろいろよくしてもらうなかで、知り合って3日後に、初めて「イグアスの滝に行きたくてバスに乗ってました」って話したら、車で連れていってくれました。(イグアスの滝は)本当にすごくて感動しました。

――それは、そうとう幸運な出会いでしたね。

ですよ。 滝からまたサカイさんの家に戻って部屋で寝たんですけど、実は与えられた部屋には、女の子の洋服がいっぱいあったんです。そのときは、娘さんが日本に出稼ぎに行ってたり、結婚したりしてるのかなって思ってました。

それで、次の日に「娘さんは出稼ぎに行ってるんですか?」って聞いたら、「実は半年前にイグアスの滝に行く途中で、交通事故に遭って亡くなったんだよ」って。「だから、二度とあっちに行くつもりはなかったんだけど、斉藤くん(ですよ。の本名)が連れていってくれた。ありがとう」って感謝されました。

石山 いい話!

出典: マリン提供

目の前でモメ始めた強盗犯

ですよ。 で、ボリビアに帰るときには、サカイさんが飛行機のチケットまで手配してくれて。空港まで送ってくれるっていうので、車に乗ったら、俺に1,000ドルを渡そうとしたんです。

石山 ブラジルの1,000ドルって、当時で3カ月分の給料くらいじゃないですか。

ですよ。 「日本人の若者が無一文で南米にいるのは危ない」ってくれたんですけど、「これは申し訳ないんでもらえない」ってお返ししました。そしたら押し問答になって、ラチが明かないと思ったんで、一旦は受け取ることに。

でも、出発直前に家に戻って、「いままでありがとうございました。お世話になりました。申し訳ないんですけど、これは受け取れません。何かあったらいけないので10ドルだけもらっていきます」って書いた手紙と、残りの990ドルと、ZARDの『負けないで』を置いて車に戻りました。

石山 最後いらんなー(笑)。いい話でいいやん! でも、すごくいい話なので、テレビでサカイさんに会いに行く企画とかできそうですけどね~。

ですよ。 企画とかになっちゃうと、(ボリビアまで)飛行機で30時間とかかかるし、1週間スケジュール押さえられるから……。

石山 もう、行けよー!

ですよ。 僕もいろいろ、お買い物とかあるし……。

石山 恩人中の恩人やん! 行けよ!(笑)

ですよ。 恩人は恩人なんですけど、サッカーで成功してないから会いたくないって気持ちが強いというか。

石山 でも、いまはコメディアンとして成功されてるんで、「サッカー選手になれなくて、あ~い とぅいまて~ん」とかもできるじゃないですか!

――(笑)

マリン 僕は、実は……ガチで刺されたことがあります。

一同 えー!

マリン ボリビアにいたとき、夕食を食べようと商店街を歩いてたら、小太りのおじさんが街灯のところにずっと立ってたんですよ。その横を通り過ぎたら、銃を突きつけられたんですけど、それまで何回も強盗に遭ってたんで、手を上げてカネを出したら、そいつの仲間が後ろから急に俺を刺してきて……。

小さい爪やすりのような刃物だったんですけど、刺さったのが、ちょうど骨盤の辺りだったんで、ナイフが折れちゃったんですよ。

そしたら「なに俺のナイフを折ってんだよ!」って怒り出して、強盗したおじさんも「バカ。こいつは俺にカネを出したのに、なんで刺してんだよ。『カネを出さなかったら刺せ』って言っただろ!」ってモメ始めて、結局、「カネとか携帯電話ももらったし、行くぞ」ってそのまま行っちゃったんです。

――それは……すごい話ですね。

マリン その傷がずっと痛くて、どうしようと思ってたら、近所に住んでたお姉さんが声をかけてくれて、コカの葉っぱをすりつぶして塗り込んでくれました。「これで1日寝れば大丈夫だから」って。寝たら本当にかさぶたになって、ふさがってたんです。

――(笑)

マリン じつは、いまも傷が残っていて……。(マリンの傷を見て驚く一同)

石山 刺されてるのが、ちょうど(骨の)固いところだ! でも、刺された箇所がちょっと上だったら死んでない?

マリン そうなんですよ(笑)。

出典: マリン提供

石山 僕のホストファミリーのお母さんもヤバかった。車に乗っていたら道端から声をかけられて、「なに?」って止まったら、拳銃を突きつけられて「車から降りろ!」って。そのあと鎖骨あたりを2発撃たれたらしくて。だから、最初にお母さんに会ったときに見せられたのが弾痕(笑)。

あいさつしたあとも、「拳銃を突きつけられたら手を上げて。拳銃のほうを向いたら撃たれるから、そのまま止まれ」って教えられました。

僕は結局、そういう危険な目には遭わなかったけど、2人はガッツリ被害を受けちゃってる。当時は、その教えられ方なに? そんな異常なことある? と思ってましたけど、2人の経験はもっと異常だった!(笑)

 


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