子ども向けのデジタル表現作品や教材を表彰する『デジタルえほんアワード2020』が、3月21日(日)にオンラインで開催されました。8回目の開催となった今回は、世界23カ国からトータル408作品という過去最多の応募。人気絵本作家のいしかわこうじ氏やきむらゆういち氏、『大家さんと僕』のカラテカ・矢部太郎ら10人の審査員による厳正なる審査の結果、各賞の授賞作品が決まりました。

「デジタルえほん」とは、パソコン、タブレット、スマートフォン、電子書籍、あるいは街角のデジタルサイネージなどあらゆるデジタルデバイスを含む、子ども向けのデジタル表現の総称で、「デジタルえほんアワード」は、この分野の開拓と発展を目的に2012年に始まりました。

「ラフ&ピースマザー賞」はオーストリアの作品

授賞式では、まずMCとタケトとゲストの横澤夏子が登場。横澤は「娘は1歳になるのですが、今朝も絵本を読んでからきました。本当に絵本は、ママと子にとって身近な存在」と語り、ママの顔を見せます。

最初に発表されたのは、中学生以下のキッズ部門。グランプリに輝いた『ざんねんな だけど だいすきな 愛知県辞典』は、ミニゲームやクイズを盛り込みながら、少し残念だけど魅力的な愛知県について紹介しています。

作者の川口明莉さん、聡介さん姉弟からのビデオメッセージでは、姉の明莉さんから「2人で作る作品はこれが初めてだったけど、頑張って作っていい作品ができました」というコメントが流れ、その可愛らしい姿にタケトも横澤もほっこり笑顔を見せていました。

続いて、前回から新設された「ラフ&ピースマザー賞」は、オーストリアから応募の作品『abcdefghijklmnopqrstuvwxyz』が受賞。画面のなかを生き物のように飛んだり跳ねたりするアルファベットの様子を観察する、という作品です。

『ラフ&ピース マザー』は、子どもたちが遊んで学べる新しいオンラインプラットフォームで、前日の3月20日(土)から、いよいよサービスが始まったばかり。この新サービスで配信される、子どものためのデジタルコンテンツは「デジタルえほん」との親和性も高く、今後の連携が期待されます。

グランプリは音を重ねて遊ぶフランスの「音楽アプリ」

審査員特別賞の各賞に続いて準グランプリなどが選ばれた後、いよいよグランプリの発表です。

グランプリに輝いたのは、フランスから応募があった『インクレディボックス』。こちらは、アイコンをキャラクターにドラッグ・アンド・ドロップして、歌などの音を重ねることによって、自分だけのオリジナルの音楽を作ることができるというアプリです。横澤も「私もさっき遊んでみましたが、すごく面白かった!」と大絶賛でした。

受賞者からのビデオメッセージでは、「3人の友だちで作ったものが受賞したとは信じられません」と喜びをあらわにしていました。

最後に、アワードを主催する「国際デジタルえほんフェア実行委員会」委員長の石戸奈々子氏の総評です。

「今年はいろんな意味でコロナの影響を大きく受けたアワードだったなと思います。自宅から花火を鑑賞するなど、コロナ禍だからこそ生まれた表現がたくさん見られ、自宅で遊ぶ・学ぶ・体験するというものが目立ちました。コロナが終息した後、いまのデジタルからリアルへの流れは加速するでしょう。このアワードも今後、デジタルとアナログ、リアルとバーチャルを合わせたハイブリッド型の新しい表現が誕生すると期待しています」

「デジタルえほん」のさらなる可能性を感じさせながら、授賞式は和やかな雰囲気のまま幕を閉じました。

受賞作品

『デジタルえほんアワード2020』

【一般部門】
グランプリ「Incredibox」So Far So Good(フランス)
準グランプリ「Looom」iorama(イスラエル・スウェーデン)
準グランプリ「Wonder Woollies Play World」Fuzzy House(デンマーク)
ラフ&ピースマザー賞「abcdefghijklmnopqrstuvwxyz」 jörgpiringer(オーストリア)
入選14作品

【キッズ部門】
グランプリ「ざんねんなだけどだいすきな愛知県事典」川口明莉、聡介
準グランプリ「i like grasses」中沢柊葉
準グランプリ「デジタルサーフィン」秋山快誠
入選2作品

【審査員特別賞&コメント】
ラフ&ピースマザー賞「abcdefghijklmnopqrstuvwxyz」jörg piringer(オーストリア)
「長いタイトルのこのアプリはとても不思議なアプリで、シンプルで、子どもの自分として接してみると、ただむやみに楽しい。物語性のあるようなアプリとは対照的に、ただ単に気持ちいいという部分を掘り下げているアプリだなと感じました。単純だけど意味を求めず、面白い体験ができるというものも大切にしたいなと思って選ばせてもらいました」(藤形正敬/株式会社ラフ&ピースマザー取締役)

いしかわこうじ賞「Cardinal Land」Dogo Togo(ウクライナ)
「僕は折り紙がすごく好きなんですけど、僕が選んだ『Cardinal Land』はシンプルな直線を組み合わせるところが日本の折り紙の美学に通じるなと思い、そこがいちばん良いなと思ったポイントでした。シンプルだけど大人も子どもも遊べて、可能性もすごくあるなと思い、選びました」(いしかわこうじ/絵本作家)

角川武蔵野ミュージアム賞「ARで遊べる!学べる!JAXAといっしょに月探査」ビービーメディア株式会社・「JAXAといっしょに月探査」プロジェクトチーム
「今回、見せていただいたもので感じたのは、バーチャルとリアル、デジタルと現実が融合していくことで両方の良さを兼ね備えたものが今後、増えていくのかなと。それはそれで非常に新しい世界になって楽しみだなと思いました」(坂倉基/角川武蔵野ミュージアム図書館担当)※同社チームを代表して登壇

川村真司賞「屋内・冒険の島ドコドコ」株式会社バンダイナムコアミューズメント
「絵本というコンセプトを空間全体に拡張して、体全体で遊びながら楽しめる世界を上手に作りあげている作品だと思いました。こういったデジタルを活かした遊び場は増えてきていますが、漫然とデジタル的要素を導入しているだけの場所が多いなか、きちんと統一された世界観をアナログとデジタルを駆使して設計しているのが素晴らしいと感じました。また同時に一つひとつ個別のコンテンツが、それぞれ単体としてもちゃんと子どもが遊んで楽しいコンテンツとなっている点も高く評価しました」(川村真司/Whateverチーフクリエイティブオフィサー)

きむらゆういち賞「ロイと魔法の森」curiosity株式会社
「アナログの本も電子書籍化が進んでいますが、それとはまったく違う形でデジタルえほんは進化している。去年も『これもデジタルえほんになるの?』というぐらいジャンルの幅が広がっていたんですが、今回は広がりだけでなく奥行きも深まった気がします。これだけいろんなデジタルえほんができて、これまでの授賞作品がなかなか世に出て行かないのが残念。今後、“誰でも知っているあのデジタルえほん”となっていくことを期待します」(きむらゆういち/絵本作家)

木村祐一賞「The Human Body」Tinybop Inc(アメリカ)
「僕はもともと『人体』をテーマにした絵本や図鑑が好きなんです。家でもよく子どもと一緒に読んでいます。『The Human Body』は、デジタルならではの良さを活かして、しっかりとした学習ができるものになっていると感じました。自分の身体のどこに何があって、どのような仕組みで、どんな働きをしているのか。そんなことを楽しみながら学ぶことで、たとえば、呼吸をするときや身体を動かすときにも感覚が変わって楽しみができるし、自分の手のひらや腕の血管を見たときの印象もまったく違うものになりますよね。身体への実感の仕方が変わるところが非常に興味深いと思いました」(木村祐一/お笑い芸人)

季里賞「実験ARおうち花火大会」信濃毎日新聞社
「回を重ねるたびに、これ以上表現の幅は広がらないんじゃないかと思うほど、毎回さまざまな表現のバリエーションがあるのですが、今回もまた新しい発見がありました。とくに今回はコロナ禍にあって、デジタルの良さを生かして“おうち”のなかで現実とつながるものなど、デジタルの底力を改めて感じました」(季里/女子美術大学アート・デザイン表現学科 メディア表現領域教授)

榊原洋一賞「How do Animals Work?」Learny Land(スペイン)
「何年間か審査にかかわらせていただいていて、とても変化が激しい。最初のころは自分で操作するという形のインタラクティブ性でしたが、最近は“自分で新しいものを作る”という意味のインタラクティブが増えていて、探求や想像力を試すようなものが増え、とても面白くなってきました。子どもは、遊びを通じて発達する。デジタルえほんには、それがまさに可能だと思っています」(榊原洋一/医学博士・お茶の水女子大学名誉教授)

矢部太郎賞「みんなのむかしばなし」株式会社プレースホルダ
「昨年、初めて参加させていただき、本当にこんな面白いのがあるんだと驚きでした。今回、僕が選ばせてもらったのは、誰もが知っている『桃太郎』を作れるというもので、お話に正解があるわけではなく、どんな形でもいいんだよという部分がいいなと。作り出したものを友だちとか親子とか、みんなで共有して楽しめるのもいいなと思いました」(矢部太郎(カラテカ)/お笑い芸人・漫画家)

石戸奈々子賞「おんがくであそぼう ピコトンズ」株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
「今年の授賞作品で多かったのが、自ら作って表現できるもの。デジタルはすべての人が作り手になれる。デジタルえほんも、すべての人が作家になれるのが最大の価値だと思っています。今回は、子どもたち自身が作って表現ができるものが評価されたかな、と思います。また、先端技術を使った新しい表現技術は当たり前、その上でどういう表現を作ってきたか、その表現力の部分が評価に変わっていった気がします」(石戸奈々子/国際デジタルえほんフェア実行委員長・NPO法人CANVAS理事長・慶應義塾大学教授)

 


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