狂言・落語・漫才という3つの「話芸」が融合したイベント『狂宴御芸〜狂言お笑い共宴〜』が、東京・銀座の二十五世観世左近記念観世能楽堂で開催されました。野村萬斎氏に師事し、次代を担う和泉流の若手狂言師・野村太一郎さんを中心に、落語家の桂文珍、漫才師の中川家、ミルクボーイ、ミキら豪華メンバーが共演。それぞれ独自の進化をしてきた芸能文化が合わさって、独創的な舞台になりました。終演後の会見では、吉本興業が野村太一郎さんの今後の芸能活動をサポートしていくことが発表されました。

能楽堂での漫才はいつもと違う!?

能・狂言の聖地、能楽堂で1月30日(土)に開かれた今回の共演イベント。5色の揚幕が上がり、京都フィルハーモニー室内合奏団によるオープニング演奏が始まります。

舞台に漫才の代名詞「サンパチマイク」が置かれ、最初に登場したのはミルクボーイ(駒場孝、内海崇)。正面と脇の二方にある能楽堂の観客席や、能舞台に上がるために着用した白足袋に慣れない様子の2人でしたが、漫才となればお手の物。次々と爆笑を生み出します。

次に舞台に上がったのはミキ(昴生、亜生)。昴生は劇場をぐるりと見渡し、「お兄ちゃんこっち(正面)向きな。俺こっち(脇)向き」と一言。観客の心を掴むと、いつも通りのパワフルな漫才を披露しました。

漫才パートのトリを務めるのは中川家(剛、礼二)。剛は登場するや、狂言の足拍子をまねた大きな足音で笑いを誘い、話題が引っ切りなしに変わる息もつかせぬ10分間の掛け合いで、見る人を圧巻しました。

漫才にも通ずる狂言『佐渡狐』

いよいよ狂言界のホープ、野村太一郎さんらによる狂言です。野村さんは野村万蔵家という名家に生まれ、弱冠30歳にして創作能『白雪姫』の演出・出演を務めるなど、名実ともに注目を集めています。

今回、同じく若手狂言師の高野和憲さん、野村裕基さんととも上演された演目は『佐渡狐』。年貢を納めに行く途中で出会った、佐渡の百姓と越後の百姓の2人が、佐渡に狐がいるかいないかで言い争い、刀を賭けることになるという作品です。『佐渡狐』は2人の百姓の掛け合いが面白く、まるで漫才のようなやりとりに、会場から度々笑いが起きます。

落語で狂言? 文珍の粋な計らい

続いて登場した桂文珍は、創作落語『商社殺油地獄』を上演。これは、石油を輸入する商社のサラリーマンたちが、中東の王様を接待するために漫画「天才バカボン」をパロディ化した新作狂言を披露するという筋です。落語で狂言を演じて笑いを誘うこの演目は、狂言と落語、漫才が集結するこの舞台にぴったり。文珍ならではの粋な計らいと、狂言の見事さ、おかしさに、場内はどっと沸きます。

公演の最後を飾るのは、野村太一郎さん、岡聡史さん、内藤連さんらによる狂言『蝸牛』。長寿の薬になるカタツムリを採ってくるよう、主人に命じられた太郎冠者。「頭が黒く、腰に貝をつけ、ときどきツノを出す」のがカタツムリだと聞いていたため、腰にほら貝をつけた山伏をカタツムリだと思い込んでしまうという話です。野村さん演じる山伏は、太郎冠者の勘違いを面白がり、カタツムリになりきって踊り続けます。古くから伝わる演目ながら、現代にも通じるシュールな展開が笑いを誘い、観客は繰り返される踊りのおかしさや華やかさを楽しみました。

最先端の笑いと古典を融合させる

終演後、野村太一郎さんは今回の公演を振り返り、こう語りました。

「現代を映し出す『漫才』、昔から受け継がれながら現代の感覚を取り入れている『落語』、昔から続くものをほぼそのままお見せする『狂言』という、成り立ちも形も違う3つの笑いが一堂に会する、貴重な機会でした。私も話芸というところで、他の2つの笑いにつながる掛け合いにポイントを置いた作品選びをしました」

一方、桂文珍は「能・狂言は、いまの時代のテンポとずいぶんと違います。そのぶん、時間の流れの豊かさを感じられるものだと思います。特に狂言には笑いのベースがたくさん入っているので、日ごろから非常に参考にさせていただいています」と狂言の魅力について話し、「野村さんのようなお若い方が、我々と一度やってみましょうという思いを持ってくださるのはありがたいことです。これから先が楽しみです」と期待を寄せました。

また今回、吉本興業が野村太一郎さんの今後の芸能活動をサポートしていくことも発表。吉本にとっても狂言師の所属は創業以来、初めてのことです。

野村さんは「師匠の野村萬斎からも、今後の活動の広がりを期待されている」として、「父・五世野村万之丞がやりたかったこと、やり遂げられなかったことを、これからどんどんやっていきたいです。狂言も650年前は新作だったもの。若手の芸人の方などのお力もお借りしつつ、最先端の笑いと古典との融合や、海外での公演など、古典の魅力を伝える活動をしていくつもりです」と決意を語りました。

 


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