スポーツ動画配信サービス「DAZN(ダゾーン)」で絶賛配信中の『FOOTBALL PROGRAM YABECCHI STADIUM(フットボールプログラム やべっちスタジアム)』。MCを務めるお笑いコンビ・ナインティナインの矢部浩之が贈るスペシャル対談第2弾の相手は、解説者のサッカー元日本代表FW中山雅史。あの「ドーハの悲劇」の胸熱エピソードから、2人の面白エピソードまで、番組とサッカーを巡る熱い、熱いトークをお届けします!

「あっ、うまい」が最高の肴

――昨年11月に始まった「やべっちスタジアム」も回を重ねてきました。

中山 J2全ゴール(のダイジェスト)はすごいですよね。J1だけでなく、J2までやってくれていることに驚きと喜び、そして、悲しみが……。(自身が在籍するアスルクラロ沼津の)J3まで来てよっていう。(配信番組で)確定した尺ではなくなったので、多少の時間は調整できても、その中にJ3の試合をぜんぶ入れるとなると、大変なんだろうなって思います。ただ、そこに参入できる可能性も匂わせてくれているので、これはいいなって思います。

矢部 J2もレベル高いで! って思わせてくれる。それぐらい得点シーンのなかに、すごいシュートがたくさんあるじゃないですか。こういうのは絶対に見せていったほうがいいですよね。たとえば、そこまで認知度がない芸人でも、(番組で)結果出したことがきっかけで覚えてもらったりするじゃないですか。「あれ? 見たことあるな」ってなる。それは、すごく大事なことだと思います。

――番組ではフットサル企画も復活しそうですが、ゴンさんの目から見て矢部さんはどんなプレーヤーですか?

中山 驚くプレーが随所にあります。すごく落ち着いているし、(ボールの)コントロールやターンのなめらかさとか。えっ? それができるの? って。僕自身が学びたいぐらい。本当にループシュートやアイデアを現実のものにしてしまう。また、決めるときはドラマチックな展開なんですよね。決めた瞬間、みんなが必ず「うぉー!」ってなりますから。

矢部 もっと言ってゴンさん! (笑)。プロに言われるのは、ホントに気持ちいいですよね。フットサルのシュートシーンは、ビールを飲みながら何十回と見るんです。ある程度ゆるくボールを持たせてくれるんですけど、プロの口から思わず出た「あっ、うまい」は何回も巻き戻して見てます。いやぁ、楽しいですね。

「オレは倒れて何してんだよ」

――ドラマチックな展開と言えば、1993年のアメリカW杯最終予選のイラク戦(「ドーハの悲劇」)で同点になった瞬間、ゴンさんがベンチの前で泣き崩れた姿は印象的でした。

中山 情けないですよ。あそこでもう1回、(チームを)鼓舞しなきゃいけなかった。なんで鼓舞できなかったのかなって。まだ時間は30秒から1分くらいはあったはずです。それなのに、なかば諦めかけた行動じゃないですか。そこをもっと最後まで突き詰められなかったのか。きれいごとではあるんですけどね。

矢部 日本国民は、みんなゴンさんと同じ気持ちでしたよ。

中山 でも以前、あの場面を振り返った番組(テレビ朝日系の『ゴン中山&ザキヤマのキリトルTV』)で、カズさん(三浦知良・横浜FC)が点を入れられたあとに……。

矢部 僕も見ました。続きがあったんですよね。あれは、ブワーッとサブいぼ出ました。

中山 みんなが倒れてるなかでカズさんだけが急いでボールを拾って、走って戻っていたんです。読心術の専門家の方が当時の映像を分析したら、その口元が「まだまだ」って言ってたんですよ。すごくないですか? あの状況で。なのに、オレは倒れて何してんだよって思いました。もっと言わないといけなかった。途中交代でベンチに退いていたからこそ、ピッチにいる選手を盛り上げるしかなかったのに。

矢部 でも、それはできひんわ。

中山 あれは相当なショックでしたけど、あそこでもう一歩って。たとえ、なしえなかったとしても、その姿勢は出せなかったのかって思いました。

ゴンさんから若手への金言

――でも、あの経験があったからこそ、次のフランスW杯(1998年)出場があったわけですよね。

中山 僕自身はアメリカW杯が最後の大会と思っていたので、それを逃した以上は次を目指すしかないわけですよ。そして一度W杯に出たら、もう1回出たいと思うようになる。欲がなければ体は動きませんし、情熱も湧かないんですよ。満足しないとダメなんです。

矢部 だから変人なんです、ゴンさんは。

中山 変態なんです(笑)。

矢部 これは、なかなか難しいことですよ。マインドコントロールですからね、言うたら。

中山 よく言うんですけど、アスリートは「S」と「M」が混在していないといけない。責めるS、それを喜ぶM。ときには、自分で自分を攻撃して奮い立たせる必要がある。でも、なかなか喜びには変わらないですけどね。キツいことのほうが多いから。でも、少しでも自分を成長させると考えてやらないと、その先は見えてこない。自分がなりたい姿、いきたいところを目指すために必要ならば、それをやらなきゃ絶対に手は届かないですからね。

矢部 シンプルっちゃシンプルなんですよね。ゴンさんの考え方って。

中山 そう考えると、準備ができるかできないかは大切。完璧に準備できたところで、たどりつけないこともある。でも、しなかったら絶対にたどりつけない。そのことに若い選手たちも早く気づいてほしいです。“気づいたもん勝ち”とは言ってるんですけどね。

プレーを見ていたら泣きそうになる

――フランスW杯3試合目のジャマイカ戦では、骨折しながら最後までプレーし続けた逸話もあります。

矢部 たまらないでしょ。「無理や」と言ってバツ出してピッチから退く選手もいますからね。

中山 退けないですよ。負けている状態で、交代枠もなくなっちゃって。2連敗で消化試合になってしまっていたけど、日本が初出場したW杯で何かを残さなきゃいけない。そのピッチに立てているのに、自分から退くなんて考えられない。試合中は折れているなんて思ってもいないですし、自分ではかなり痛い打撲だと思っていましたから(苦笑)。

矢部 いまでも番組でフットサルの試合をするとき、公式戦と、ほぼ同じ気持ちで来てますよね。

中山 負けたくないですからね。

矢部 ゴンさんは、僕からしたら変人です。50代で現役をやれていること自体が、すごいんですけどね。カズさんも一緒ですけど、僕らと違って絶対にいろいろなことを乗り越えてきているじゃないですか。乗り越えてのいまやから。メンタルモンスターだと思います。気持ちは突き抜けていると思いますね。

中山 でも、そこで勝負しないとできないんですよね。もっと技術があったらよかったですけどね。本当は、華麗なドリブルや華麗なパスを……。

矢部 この話、好きなんですよ。ゴンさん、毎回言うんですけどね。

中山 華麗にドリブルで抜こうとしたらボールが違う方向にいっちゃうから(笑)。だから、体で飛び込むしかない。生き残るために何をすべきかを考えたら、それが自分の生き残っていく術でした。

矢部 これは全員ができないですからね。一握りの選手だけですよ。岡崎慎司選手もそうですけど、特に負けている試合でプレーを見ていたら、僕は泣きそうになる。そこに通ずるというか、日本人が絶対に好きなプレーヤーなんです。

楽屋のドアノックもゴンスタイル

――そんな日本を代表するストライカーのゴンさんに聞きたいんですが、FWあるあるってありますか?

中山 FWあるあるですか? 僕は、そんなにFW、FWしてないですからね。

矢部 いやいや、めちゃめちゃFWですよ(笑)。いろいろな解説者の方と、18年半やってきましたけど、ゴンさんて番組後に必ず僕の楽屋をノックして、「お疲れさまでした」と言って帰りはるんです。僕のほうが年下やのに、それをいまでもやり続けている。そういうルーティンを大切にしているのかなって思います。

中山 ルーティンというか、ゲン担ぎは大切にしますね。矢部さんに挨拶していくのはゲン担ぎではないですけど(笑)。

矢部 これも、ゴンさんぽいなって思うのは、ノックなんて“コンコン”でいいじゃないですか。でも、ゴンさんは“ドンドン”(笑)。そこも、プレースタイル同様に「勢いよく飛び込むなぁ」って。あと、僕からしたら、何においてもすごく速い感じがします。終わったら次、終わったら次みたいに。

中山 落ち着きがないんですよ。

矢部 まだ現役選手というのもあるんだと思いますね。体のメンテナンスの時間も必要やから。ちょっとせかせかしている感じがします。

中山 なんでもチャチャッと済ませたいんですよね。余裕を持って、その後の時間を有効に持ちたいんです。だから次に意識が持っていかれちゃって(笑)。

先輩に気を使わせる“あの選手”

――以前、矢部さんは、元日本代表FW高原直泰選手(沖縄SV)との思い出をインタビューで語っていましたが、ゴンさんにとっても長年コンビを組んでいた選手でもあります。

中山 そうそう、こないだ『報道ステーション』(テレビ朝日系)の取材で高原に会ったんですよ。(ささやき声で)明るくなりましたよ(笑)。すごく社交的になって、しゃべってましたよ。いまは(沖縄SVの)社長業もしているので、当然、人と話さなきゃいけないと思うんですけどね。

矢部 ゆっくり、ちょっとずつ変わっていきましたよね。しばらく会ってなくて久しぶりに会ったらビックリしません? 大人になってましたか?

中山 大人になってましたよ。

矢部 先輩を困らせていた選手でしたからね。もともと表現がうまくないので、ゴンさんが気を使ってイジったりしてたらしいです。

中山 だって話し掛けてこないんですから(笑)。ぜんぜん話し掛けてこなくて、でも話したくて、ボソボソッと独り言を言うんです。2人きりのときでも、「今日、なにしようかな」って言うんですよ。

矢部 先輩が気を使うようにね。

中山 そうしたら拾ってあげないといけないじゃないですか(笑)。「なに? 今日ヒマなの?」って聞いてあげないとダメでしょ。そういうふうに持っていくんですよ、彼は。

矢部 かわいいですよね。

中山 それってFWがシュートを打ちたい場所にパスを出させるような感覚なのかもしれないですね。サッカーにたとえると、そういうことなんだと思います(苦笑)。2人きりなのに、独り言がやけに大きいですから。でも、面白いですよ。話したいという願望はあるんだろうから。

矢部 ええヤツなんですよ。わかりやすいから。

ゴンさん、ちょっと休みましょう

――ゴンさんが番組で良さを出すために、矢部さんが心がけていることはありますか?

矢部 僕からしたら、なんでもゴンさん発信でやってくれるから、こっちからのフリがいらないんです。余計なフリをしたら、トークの幅が狭まるじゃないですか。だから、考えさせたらあかんなって。ゴンさんはフリースタイルがいちばんいいんですよ。そこで出てきたものに、僕がちょっとフォローするっていうのが、ゴンさんと組んだときの僕のスタイルですね。

中山 でも、終わった後にちょっとしゃしゃりすぎたかなって思うときもあるんですよ。

矢部 そうそう、これもゴンさん!

中山 もうちょい抑えたほうがよかったかなって思うときもあるんですよね。中山雅史ってキャラがそうさせてくれるから、そこに甘んじてるところもある。ある程度、キャラで許されているところもあるのかもしれない。見る人が見たらうざいと思う人もいるかもしれない。当然、賛否両論あるから、そのバランスって難しいです。

矢部 でも、行き過ぎたらちょっと強めじゃないけど、見ている人のバランスを取る言葉を僕は使うかもしれない。たとえば、「ゴンさん、ちょっと休みましょう」って。

中山 こないだも、そうでしたよね。

矢部 『とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』(1月2日放送、テレビ朝日系)に一緒に出たんですけど、ほかのゲストが「なにもできひん」ってなってたからですよ。ゴンさんと中澤(佑二)が、2人のなかでできあがってるノリがあったので、若手やローランドが萎縮してた。だから、「ゴンさん、ちょっと抑えましょう」って(笑)。

中山 その言葉でピンと来ました。だから、反省したんですよ。いつもうまくフォローしてくれる。矢部さんがいるから、僕はうまく生きていけるんです。

取材・構成=馬場康平

写真=浦正弘

番組概要

『FOOTBALL PROGRAM YABBECCHI STADIUM(フットボールプログラム やべっちスタジアム)』

配信サイト:DAZN(ダゾーン) ※加入が必要
配信時間:毎週日曜23:00~(生配信)
MC:ナインティナイン・矢部浩之
アシスタント:黒木ひかり
解説者:中山雅史、中田浩二、名波浩


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