お笑いコンビ・ナインティナインの矢部浩之がMCを務めるサッカー番組『FOOTBALL PROGRAM YABECCHI STADIUM(フットボールプログラム やべっちスタジアム)』が、スポーツ動画配信サービス「DAZN(ダゾーン)」で始まりました!

18年以上続いた『やべっちF.C.』(テレビ朝日系)のDNAを受け継ぐこの番組では、解説者として出演するサッカー元日本代表・名波浩との名コンビが6年ぶりに復活。フットサルチームでは監督と選手という立場の2人に、番組のこと、サッカーのこと、お笑いのこと、などなど大いに語ってもらいました。

名波を支えた『めちゃイケ』ビデオ

――テレビ朝日の『やべっちF.C.』の名コンビが、DAZNの『やべっちスタジアム』で6年ぶりに復活しました。

矢部 そうなんですよ。名波が“やべっちファミリー”に戻ってきてくれました。

名波 まさか復帰させてもらえるとは思っていなかったので、矢部さんにもスタッフにも感謝しています。“人事権”を持っている人に、とにかく感謝です(笑)。

矢部 名波は、やべっちのフットサルチームの監督でもあるので、いてもらわないといけないですからね。

――番組を見ていても、おふたりの仲の良さが伝わってきます。もともと何がきっかけで距離が縮まったんですか?

矢部 年齢が近いのもそうやし、現役時代からプレーが好きやったというのもあるんです。だから、テレビ朝日で『やべっちF.C.』を立ち上げる前に、正月に特番を打ってるんですけど、そこにも出演してもらいました。

名波 以前から何度か食事にも行かせてもらいましたけど、関係が深まったのは番組がきっかけですね。波長が合ったのは、お互いにあまり前に出ないからじゃないですか(笑)。矢部さんも僕も“バランサー”なので。

矢部 名波は、もともとお笑いが好きで1998年のフランス・ワールドカップ(W杯)に、『めちゃイケ』(2018年3月に終了したフジテレビ系のバラエティ番組『めちゃ×2イケてるッ!』)のビデオを持って行ってくれたんですって。それで、みんなに見せて息抜きしてたって聞きました。

名波 W杯のときは数本でしたけど、(1999年に)イタリアに行ったときは、かなりの本数をそろえていました。実は、それはもともとヒデ(中田英寿)が持っていたんです。あいつがローマに移籍するときに「ぜんぶ見たからほしい?」と言われて、「すぐに送れ」って言って、ぜんぶ送ってもらいました。

矢部 ヒデの好感度がいま、グッと上がったわ(笑)。

奇跡の5秒は「当たり前じゃねーからな」

――新番組『やべっちスタジアム』の放送が始まりましたが、感想は?

名波 僕はアシスタントの黒木(ひかり)さんに、さっそく名前を間違えられました(苦笑)。「ナナミ」なんですけど、「ミナミ」って呼ばれてしまって。

矢部 彼女は、めちゃめちゃ伸びしろあると思うんですよね。番組スタッフとも話したんですけど、初期のころの前田有紀アナ(『やべっちF.C.』を担当した元テレ朝アナウンサー)を思い出しました。ましてや、(留年で)高校5年生(笑)。これからスタジアムへロケに行くと思うんですけど、ここは大いなる武器になりそうですね。

名波 確かに。絶対に覚えられますからね。

矢部 あとは、初回の「ハーイ!やべっち」のコーナーに、(極楽とんぼの)加藤浩次が出てくれたんですけど、早くも幅を広げたなって思いました。地上波だったら他局のサッカー番組(TBS系『スーパーサッカー』)のMCなので、絶対に考えられないですからね。

名波 「ハーイ!やべっち」後の矢部さんの5秒間でのコメント。僕は、あれを“奇跡の5秒”と、いろんなところで言ってきました。ノーインフォメーションで、あれだけしゃべれるのはすごいですよね。初回の「この状況、当たり前じゃねーからな!」にも驚きました(笑)。

矢部 これ、当たり前ちゃうなって思ったから。「いやぁ、まさかコメントできるなんて」って加藤が言ったんですけど、そのときにポンッとあのフレーズが出てきたんですよ。「当たり前じゃねーからな」(『めちゃイケ』で加藤が相方・山本圭壱の復帰の際に言った言葉)。山本圭壱のおかげです(笑)。

かまいたちのネタが解説のお手本

――矢部さんから見て、名波さんのサッカー解説にはどんな特長がありますか?

矢部 僕は現役時代のプレースタイルが、解説のスタイルにそのまま反映されていると思っています。でも、それは考えたら当たり前なのかなって。見るところとか、しゃべり方、伝え方、しゃべるスピードがポジションによってまったく違いますね。

名波 抑揚をつけることで臨場感というか、ライブ感が出てくる。そういうことは、意識してやっています。

矢部 FW出身のゴンさん(中山雅史)なんかは、しゃべりがめちゃくちゃ早いですもん。最後、ワーッて言って終わるときがある。あれって、タッチライン際スレスレまでボールを追いかけるゴンさんのプレースタイルそのものなんですよね。

名波はしゃべることを組み立てて、ここを聞いてほしいというところは大事にしている。特にすごくワードを考えているなって思います。現役時代の試合中の大事なパスが、いまはそういうフレーズに置き換わっているんやと思います。

名波 解説の仕事をするときは、お笑い芸人の皆さんの話し方や、ネタの構成が本当にいい勉強になるんですよ。今年の『THE MANZAI』(フジテレビ系)で「かまいたち」が、行列のできるラーメン屋で横入りされたというシチュエーションのネタをしていましたけど、そのワンシーンだけで1本のネタとして成立させてしまう。描写や言葉、視点を変えていくことで見ている人を引き込ませる。本当にすごいと思います。

さんまさんはお笑い界の翼くん

名波 お笑いでも、サッカーみたいにポジション別の特長ってありますよね? (明石家)さんまさんなんて明らかにセンターフォワードタイプですもんね。

矢部 そうそう。でも最初、さんまさんって司会を断ってたんですって。「そんなんできへん、できへん。オレ、いちばん面白いって思われたいもん」って。でも、知らん間にセンターフォワードの人間が、中盤に降りてきた。(キャプテン翼の大空)翼くんみたいに何でもやってしまう。司会をしながらパスは回すし、シュートも打つし。自然と、そうなっていったんだと思います。サッカーで言うたらトップ下ですね。そういう性格が絶対に出るんですよ。

自分は、シュート決めるよりも、いいパスのほうが、いちばんカッコいいと思ってしまうタイプ。だから、あかんかったのかなって思ったことが1つあるんです。それが、芝居です。役にまったく入れないんですよ。なぜなら自分を見ている自分がもう1人おるんです。演じてる自分に対して突っ込んでるんですよ。そこを打ち破れないから最近は、ぜんぜんやってないですね。

名波 コントはどうなんですか?

矢部 コントやったらいけるかな。

名波 矢部浩之のまま、ツッコめるんですか?

矢部 たぶん店員役だったとしても、それは矢部として店員なんです。でも、ドラマって演じなければいけない。考えたら、どんな役をやっても本人として演じればいいと思うんです。でも自分は、プロにも失礼やし、それが恥ずかしく思ってしまうんですよね。

中村憲剛と千鳥の共通点

――今季のJリーグで注目を集めたMFと言えば、やはり今シーズン限りで現役を引退する中村憲剛選手(川崎フロンターレ)でしょうか?

矢部 昨年、全治約7カ月という大きなケガ(左ひざ前十字じん帯損傷)をして、ここからどうするのかなって開幕前から注目してきました。そこから復帰戦でゴールを決め、40歳の誕生日に得点、その翌日に引退発表と次々と驚かされました。

名波 去り際は人それぞれだと思いますが、ケガもあっただろうし、年齢的な区切りもあったと思います。このコロナ禍で本当に大変なシーズンだったと思うので、僕自身は彼があの年齢で復帰できたこと自体がすごいと思っています。正直、39歳であのケガをしたら、そのまま辞めるという決断に至っても仕方がないのではと思っていました。

矢部 憲剛は各年代別の日本代表には入ってない選手だったのに、そこから日本代表にまで上り詰めた。そこには人柄の良さもあったと思うんです。華やかなスター街道ではなく、初めは雑草としてキャリアをスタートさせたかもしれない。でも、その地道な道のりが、あの人間性をつくったのかなって思うと、余計に引き込まれるんですよ。

――その中村選手を芸人にたとえると、だれに似ていますか?

矢部 いまで言うと、千鳥かなって思います。ずっと同業者からも面白いって言われてきたやつらなんです。それが、ここ数年でやっとブレイクした。メチャメチャしんどいと思うんです。あの年で寝る時間もないだろうし、それでもバリバリやってる。面白いことをちゃんとやってるのはすごいですよ。きっと中村憲剛が見てきた景色は、たとえるのなら彼らに似ているのかなと思います。

名波監督が伸ばした“選手”矢部浩之

――先ほどフットサルの話も出ましたが、名波監督の目から見た矢部さんはどんな選手ですか?

名波 褒めどころで言ったら、ちょいちょい狙っていたループシュートがついに決まるようになってから、一気にゴールのバリエーションが増えてきましたね。運動量を増やせとは言いません。とにかくケガをしないでほしい。それだけですね。

矢部 フットサルの初期のころに、名波が「矢部さんは、もう守備に帰ってこなくていいよ」と言ってくれた。あれがデカかった。それまでは悪いから、ちょっと守備に戻ってたんですよ。でも、「いいから前にいて」と言われて、そこから吹っ切れて前に張っとくようにしたんです。そこからメチャクチャ楽になった。余計な動きをしなくていいので。

名波 あと、ナーバスにならなきゃいけないのは、フットサル日本代表GKピレス・イゴール(ペスカドーラ町田)からのパス。あいつは矢部さんのことをプロだと思っているから、すごいボールを投げてくる。

矢部 トラップできないくらいの強烈なパスが来ますからね(笑)。でも、ちょっとずつイゴール慣れもしてくるから不思議(笑)。

レフティが送る「気持ちええパス」

――前の番組を含めて18年半やってきたライフスタイルが、ここから続いていきます。また長く続く長寿番組になればいいですね。

矢部 (同じくらい続いたら)ゾッとせえへん? でも、おじいちゃんになってもW杯に行けてんやったらええかな(笑)。お笑いも好きで始めたんですけど、小学校から好きなサッカーがいまも仕事になっている。だから毎週楽しいです。子どもができてから、家出る前は「もう夜も遅いのに、いまから仕事か」って憂鬱(ゆううつ)になることもあるんですけど、現場に来てサッカーを見たら、そんなことはぜんぶ忘れてしまう。不思議ですよね。

思えば、学生時代の夏場の練習もそうやったなと思うんです。だるいわ、しんどいわって思うし、血尿が出るまで走ることも分かっている。でも、練習に行ったら行ったで楽しいし、負けたくない。そんな感覚とどっか似ている。僕は、いまでもサッカーに魅せられているんやと思います。

名波 サッカー人じゃない人が、サッカー番組のMCをやり続けてきた。まさに異業種のサッカー日本代表なわけですよ、矢部浩之は。本当に、その代表だと思っています。

矢部 そうそう、オレが気持ちいい言葉を知ってるんですよ、名波は。毎回喜ぶワードを並べてくれるし、ええパスをくれるんですよね、こうやって(笑)。

取材・構成=馬場康平
写真=浦正弘

番組概要

『FOOTBALL PROGRAM YABBECCHI STADIUM(フットボールプログラム やべっちスタジアム)』

配信サイト:DAZN(ダゾーン) ※加入が必要
配信時間:毎週日曜23:00~(生配信)
MC:ナインティナイン・矢部浩之
アシスタント:黒木ひかり
解説者:中山雅史、中田浩二、名波浩


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