芸歴7年目以下の若手芸人がしのぎを削る「神保町よしもと漫才劇場」で、NSC(吉本総合芸能学院)東京の先輩・後輩コンビのナミダバシ(たくみ、太朗)がランキングバトルで1位となり、劇場6組目の最上位クラス「花」入りしました。芸人引退も考えていたという崖っぷちから一転、ランク最上位へ登り詰めた2人に、その“進化”の理由を聞きました。

ランク上位から「花」「鳥」「風」「月」に分けられている東京・神保町よしもと漫才劇場のランキングシステム。11月28日(土)に開催された決勝バトル『頂~鳥〜』で優勝したナミダバシは、令和ロマン、ネイチャーバーガー、9番街レトロ、ぼる塾、ナイチンゲールダンスに続いて6組目の「花」入りを果たしました。

9組の熱い戦いを制したナミダバシ

この日の決勝戦で、熾烈な争いを繰り広げたのは9組。結果は、3位にプール(高橋大志、小海正紀)、2位に素敵じゃないか(柏木成彦、吉野晋右)、そして1位に名前を呼ばれたのがナミダバシでした。たくみのひとボケに対して太朗が延々とノリツッコミをし続けるという、いままでのスタイルをより進化させた漫才で、大きな笑いを起こしました。

応援に駆けつけた両親と姉夫婦に笑顔で手を振るたくみを見て、太朗が「ハイスクールマンザイか!」とツッコむと客席から大きな笑いが。

あいさつに立った太朗は、「今年、『M-1』決勝に進めなかったら芸人を引退すると宣言したんです」と告白したうえで、改めてこう誓いました。

「けど、すぐあとにコロナが来て。なにもできない期間が3カ月くらいできてしまって、これで挑むのは後悔が残るから延期させていただいたんです。少なくとも、『M-1』の決勝に向けた主催ライブをやっていきたい」

花クラスを「おかず」にたとえると…

ランク最上位になったナミダバシに、その感想や今後について聞きました。

――1位おめでとうございます! いまの率直な気持ちを聞かせてください。

たくみ (舞台で)名前を呼ばれたときより、楽屋でみんなが「おめでとう」って言ってくれたときのほうが嬉しくて、ちょっと泣きそうになりました。

太朗 こういうランキングシステムでは今までずっと苦労してきたので、正直、あの俺らが? ぜんぜん人気がなかった俺らが? マジか!っていう気持ちですね。言うたら、ハンバーグ、唐揚げ……。

たくみ それ、花クラスのメンバーを「おかず」でたとえてるの?

太朗 そう。お寿司、ラーメンの中に、おひたしが入ったみたいな感じですけど、なんとか動物性の具材を入れておかずとして成立できるように、これから頑張っていきたいと思います。
あと、僕はすごくミーハーなので、劇場前にデカい僕らの写真が飾られるのが待ち遠しい。∞ホールに飾ってあるゆにばーすさんが真ん中にいる集合写真も大好きで、いつもええなぁって思いながら見てたんで、早く自分たちの写真が飾られているところを見たいです。

たくみ 僕は恐れ多いなと思ってますけどね。

太朗 せこいなぁ、お前のほうがそういうの好きやろ? 髪の毛、外に巻いてくるなんか、承認欲求の塊やん。

たくみ 気合入れるときは外巻きなんだよ(笑)。よかったです、外巻きのときは勝てるっていういいジンクスができました。

「芸人を辞める」決意はコロナで一転

――ナミダバシといえば、たくみさんのひとボケに対して太朗さんが残りすべての時間、ノリツッコミを続けるというスタイルですが、今日は趣が違うネタで勝負していましたね。

たくみ 神保町所属になってから、漫才コントだったり、僕が多くしゃべるバターンとかも試していたので、今日は僕のしゃべる分量を増やしたネタで挑戦したんです。

太朗 (前に所属していた)ヨシモト∞ホールでは名だたる面白い先輩方がいらっしゃるので、ちょっとビビってしまっていたというか。面白い方々と比べられてウケなかったらどうしようと思って試せなかったところもあったんですけど、いまは世代の近い人たちばかりなので臆せず、いろんなネタにチャレンジできてまして。それがいい結果に繋がりました。

――ライブでは、太朗さんから今年の『M-1』決勝に進めなかったら芸人を辞めようと思っていた、という発言がありました。

太朗 今年2月くらいに、芸人を辞めようと思ってると相方に伝えたんです。そしたら相方が、「いま辞めるのはもったいない。どうしてもと言うなら、『M-1』決勝に行けなかったら辞めよう」って提案してくれたので、決勝を目指して頑張ろうと思ってたんですけど、そのあとすぐコロナが来てしまいまして。

たくみ 舞台に立てない状況が続く中で辞めることを決断するのは悔いが残るなと思ったので、(その宣言は)延期にして来年の『M-1』決勝に向けて頑張ろうということになったんです。

太朗 とはいえ、この情勢がどうなっていくのかわからない。タイムリミットをどこに置くべきか決めあぐねているところはあるんですけど、気持ちの面で僕らの足並みが揃ったことは大きかったんかなと思います。

たくみ ネタへの意識もメチャクチャ変わりました。新ネタを舞台で試す頻度も以前より上がりましたし、とにかくやらないとっていう気持ちになれて。で、今日、こういう結果が出たので本当に嬉しいですね。

霜降り『M-1』優勝の衝撃

――「花」クラスに上がることで主催ライブが開催できるようになりますが、どんなことをしたいですか?

たくみ いろんな先輩に来てもらって、『M-1』対策ライブをやりたいです。

太朗 僕はオズワルドの畠中(悠)さんと素敵じゃないかの柏木(成彦)さんと3人で住んでるんですけど、畠中さんは(2年連続で)ファイナリストになってるので、(自分も)負けられないなと。僕がいつも畠中さんたちの飯を作ってるんですけど、いつまでも飯を作る立場にいると思うなよ!っていう気持ちで、来年の『M-1』に向けたライブをやっていきたいですね。

たくみ それで言うなら、僕は2008年の『M-1』準決勝に出ていた囲碁将棋さんに憧れて芸人になったんです。先に花クラス入りしたネイチャーバーガーが、主催ライブに囲碁将棋さんを呼んでいたのがうらやましくて。

太朗 相方は、もともとお笑いがメチャクチャ好きなオタクなんです。僕も囲碁将棋さんが大好きなんですけど、∞時代にトークライブで根建(太一)さんとロックを語るっていうワケのわからん絡み方しかしてないので、漫才師としてコンビで一緒に切磋琢磨させていただけたら嬉しいですね。

――来年の『M-1』に向けて、いまからいいスタートが切れそうですね。

たくみ 花クラスになったからには、いろんなことをネタで試していきたいです。

太朗 昨年、オズワルドさんが『M-1』決勝の舞台でせり上がってきたのを観た瞬間、僕、泣いちゃったんです。(霜降り明星の)粗品は大学1年生のころ、大阪の小屋を借りて月1回、一緒にユニットライブをしていて。そのあとNSCに入ったので芸人としては僕が後輩になるんですけど、粗品とはずっと友達なんです。霜降り明星が優勝した『M-1』、僕は録画で観たんですけど、優勝が決まってバーンと紙吹雪が待って2人が喜んでる姿を見てマジか?と驚きまして。「10秒戻し」のボタンを押して見返すっていうのを20回繰り返して、気がついたら床によだれを垂らしてたんです。

たくみ それ、ちょっとヘンだよね(笑)。

太朗 ショッキング過ぎて、放心状態になってしまったんですよね。あのころ、一緒のライブに出てた友達がM-1王者になって、一緒のライブに出てた先輩が決勝に行った。身近な人たちの活躍を見て、より決勝に行きたいなという気持ちが強くなりました。

――これで頑張った結果が、「芸人を辞めない」という選択に繋がればいいですね。

太朗 それぞれの状況はあるでしょうけど、30歳目前となったいま、僕らはここらで一旗上げないといけないという思いがあるので、来年はいい結果を出せるように。神保町でも、「おひたし」から「八宝菜」になりたいですし。

たくみ えぇ~、八宝菜? もっとおいしいものがいいなぁ。

太朗 なに言うてんの? 8つの宝やぞ?

たくみ ゴールじゃないのよ、八宝菜は。もっといい主食になれるように、これからもっと頑張ります!


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